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バティックの工程を体験してみた

今日は休日だったので、隣のUGMの学生と一緒にバティック体験に行ってきた。グラブで車で50分ほど郊外へと向かった。片道で100,000ルピア(1000円)であった。そこまで乗り気だったわけではないが行きがかり上行ってしまっている自分がいた。

バティックは、滞在中のテーマの一つになるのではないかという予感があるので、前向きに一度体験してみようと思った。

2時間の体験時間の予定であったが、最初から最後まで体験しつつ、軽食も取れるプログラムとなっており2時間では収まらなかった。作業が終わった後にソト・アヤムを食べたりピサン・ゴレン(揚げバナナ)を食べたりして、結局3時間ぐらいかかったであろうか。

体験したのは、図案を描く工程とその図案を蝋で描く工程である。布の大きさは、幅35cm長さ100cmのタイプ、縦横50cmのタイプの2つから選ぶことができる。100cmのタイプを選んだ。

体験なので、染める色は1色のみである。図案描きと蝋描きは自分で行うが、その後の染め並びに蝋を落とす工程はおばちゃんたちが行ってくれる。染めも自然の染料ではなく、化学的な染めの方法で行う。

図案を描く作業は、ネットで探してきたモチーフを用いたり、用意されているモチーフ図案から選んだりして、白い布に鉛筆で描いていく。それなりに時間はかかるが、さほど苦労することなく作業をすることができた。

新しいデザインを考えるとなると、何日もかかるだろうが、限られた時間の中で、その場の思いつきで作業を行った。

チャンティンを使った蝋描きの作業

問題は蝋描きである。チャンティンという道具を使うが、これがなかなか難しい。蝋で均一な太さの線を描きたいところが、太くなったり細くなったり、かすれたり、蝋がぽたりと布の上に落ちたりと思い通りには行かない。

細かい作業はほぼ無理である。図案を描く時に考えた細かいデザインは、残念ながら、ほぼ無視して描かざるを得なくなった。

それなりに見えるように思える(笑)

蝋での描画はまったく納得のいくものにはならなかったが、染め上がったものを見ると、失敗も味のように見えてしまうのは、自分がやったものだからだろうか。逆に、いかに丁寧に繊細に線を描いていくのが難しいかを、からだをもって知ることができた。

バティックの図案には、様々な基本となるモチーフがあり、モチーフごとに歴史や込められた意味が異なる。また、基本モチーフとは別に、描き込まれる花や鳥などによって込められる意味が異なる。そうした背景を踏まえた上で、デザインを考える面白さがバティックにはある。

蝋描きには技術的な鍛錬や洗練が必要であろう。どのくらいで十分な技術を身につけられるかは想像もできないが、何度も何度も繰り返しトレーニングを積み重ねることで丁寧な仕事が可能になるのであろう。

染めの工程

染めは、少なくとも化学染料による方法であれば、慣れればできるのではないか。それが天然の染料となると、染めの工程自体に何日もかかることが想定される。染料自体を自分で調達しようとすれば、それはそれでまた新しく取り組まねばならないことが果てしなく多いと思われる。

染めた後、熱湯につけ蝋を落とす

今回5名の参加者に対して8名の女性に関わってもらった。うち2名はプロジェクト全体の運営に関わる人たちであったので、バティックの作業工程に携わっているのは6名であろうか。図案作成は個々人の作業なので、蝋描きから彼女たちが関わることになるが、体験講座も運営側としてはなかなかの作業量である。

ジョグジャ周辺には、バティックの生産に携わる集落がいくつかあるが、そうしたところで、集落全体として、あるいは事業者全体として、どのようにバティックの生産に携わっているのかを見る機会を近いうちに作りたいと思う。241020

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