おもしろ家族

夜中にお腹が減って、インスタントのカップうどんを食べた。翌朝、空のカップを母に見咎められる。私にはダイエットが必要。それなのに、余分に食べているのだから。私はうそをついた。

「夜中、台所の戸を叩く音が聞こえた。戸を開けると鳥がいた。『寒いので何か温かいものがたべたい』と鳥は言う。私は『カップうどんでいいか』と確認する。鳥は『それでいい』と言う。『じゃあ、ちょっと待って』と私は言い、お湯を沸かし、お湯をカップに注ぎ、三分後うどんを鳥にあげた。鳥は器用にくちばしからうどんを食べた。」

母は質問した。「鳥は何も言わんと食べたのか」と。私は「食べる前には『いただきます』、食べた後はちゃんと『ごちそうさま、ありがとうございました』と言ってたよ」と答える。

母はさらに「鳥はそんなに食べられない。そんなに食べたらブクっと膨れてしまう。」と言う。私は「いや、きちんと食べれたよ。」とさらにうそをついた。

それから、夜中にカップうどんを食べる度に、うちには鳥以外にも、たぬき、狐が現れて、私は鳥、たぬき、狐にうどんをあげたことにした。

時々洗い物をしたが、その際には私が洗い物をしたのではなく、狐がたぬきを肩車して、たぬきが洗い物をしたことにした。母が、たぬきたちにうどんをあげても、お金も置いていかないと言ったからである。私は「たぬきは修行中で、まだ木の葉からお金を作ることはできない。だからその代わりに洗い物を時々してくれる。木の葉をお金に変えられるようになったら、うちはお金には困らなくなる。」と伝えた。

そんなうそ話をして、うそに母を付き合わせて、おもしろ家族をしていた。

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