今の奥さん?
テレビを見ていると、芸能人がトークの中で「今の奥さんとは…」と奥さん(正しくは配偶者?)のことを話すことがある。その度に違和感を覚える。「今の奥さん?…再婚したの? 以前は誰と結婚してたの?」と思い、ついその芸能人についてWikipediaで詮索してしまう。たいていの場合再婚ということはない。でもどうして「今の」を付けるのだろう。
離婚率も高くなっているのだから、再婚も普通とはいえなくても、よくあることだろう。私が離婚・再婚に対して偏見を持っているということだろう。でも「今の」を付けるのはわからない。「奥さんは…」とか「パートナーは…」とかだけでいいはずだ。
「今の会社」と言えば、以前どこか別の会社で働いていたことを意味する。「今の恋人」と言えば、以前別の人と付き合っていたことを含意する。「今の」と言えば、対比として「以前の、昔の」なにかが存在することになる。それなのになぜ、初めての奥さんに対して「今の奥さん」と言うのだろうか。
将来離婚することを、別のパートナーと一緒になることを予定しているのだろうか。ならば、「今の」と強調する理由になる。今はこの人、将来は別の人。何年か契約の婚姻関係なのだろうか。それとも刹那的になっているのか。「今の」という言葉には「末永い愛」を私は感じられない。「とりあえず」のパートナーという感がする。
「今の奥さん」と言われた奥さんの方はどう思っているのだろう。「今の? いつか別れるつもりなの? 別れたいの?」とはならないのだろうか。それとも「今の奥さん」と表現されることで、「今のパートナーは私だけよ」と自信を持っているのかも知れない。それならば、そういう効果があるのならば、「今の奥さん」という言い方はありだ。
どうして私はこの表現が気になるのか。それは多分、私は「京都に住んでる私の妻」を思い出してしまうからだろう。
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