ポケモンといっしょ ~下呂温泉・飛騨高山~
世間を騒がせた台風10号「サンサン」が過ぎ去り、少しだけ秋の気配を感じられた9月の上旬。休日を利用して、岐阜県の飛騨地方へ旅行に行ってきました。
旅の一番の目的は、「日本三名泉」の一つとして名高い下呂温泉です。温泉街でスイーツを楽しみながらゆっくりしつつ、下呂市から北に足を伸ばして高山市街にも行ってみる。そんなふわっとした旅行計画のもと、2泊3日の旅行を楽しみました。
さて、このまま普通の旅行記を完成させてもよいのですが、この記事のタイトルは「ポケモンといっしょ」。「ポケモン旅」としてではない普通の旅行を楽しむ中で、下呂・高山で出会ったポケモンたちを紹介しながら、みなさんの旅行欲を刺激できればと思います。
……この旅行にはニャオニクスのペアの「Pokémon Fit」を連れてきていたのですが、ほとんど旅館でお休みさせていたので写真にはほとんどポケモンが登場しません。悪しからず。
下呂温泉
岐阜県とポケモンといえば、今年の7月から巡回展「ポケモン化石博物館」が岐阜県博物館で開催されています。今回は行程の都合上、巡回展には訪れませんでしたが、開催を記念して県内に設置された「ポケふた」を見ることができました。
まずは旅の主目的である下呂温泉にある「ポケふた」からです。下呂温泉は、その中心に一級河川である飛騨川が流れ、周囲を山々に囲まれた自然豊かな場所にありました。
そんな下呂温泉には、最近になってスイーツを楽しめるお店が増えてきているようで、私も実際に訪れてみました。中でも有名なのがこちら、
下呂プリンです。下呂⇒ゲロ⇒カエル、という安直なイメージのもと、カエルがシンボルマークを飾っています。そして、このイメージは下呂プリンに限った話ではなく……
神社にも浸透していました。その名も「加恵瑠神社」。歴史が古いのかと思いきや、2010年に建てられた神社だそうで、下呂温泉がカエルのイメージを全力で押していこうとする姿勢が伺えます。
さて、ここで皆さんに問題です。下呂温泉に設置されている「ポケふた」に描かれているポケモンは何でしょう?ヒントは「下呂」の語感と「カエル」です。もう分かりますよね。みず・じめんタイプのあのポケモンです。
下呂温泉の「ポケふた」
正解は……ガマゲロゲとその進化前のポケモンたちでした。名前に「ゲロ」を含んでいるカエルをモチーフとしたポケモンで、おまけにみずタイプを持っている。こんなに下呂温泉のイメージにぴったりなポケモンがいるでしょうか。まさにシンデレラフィット。
また、ゲーム『ポケットモンスター シールド』のガマゲロゲのポケモン図鑑の説明文を見てみると、次のように書かれていました。
なんとガマゲロゲ、マッサージまでしてくれるそうです。語呂の良さとモチーフの相性がばつぐんで、自然豊かな土地を楽しむのにぴったりのタイプを持ち、おまけに湯上りのマッサージまでしてくれる……これはもう、ガマゲロゲを下呂温泉に連れて来いというメッセージではないでしょうか。下呂温泉を訪れた私には、ガマゲロゲを連れた老人が一緒に温泉に入っている姿が目に浮かびます。
惜しむらくは、ガマゲロゲはイッシュ地方とガラル地方でしかゲットできないことでしょう。いかにもキタカミの里に生息していそうな雰囲気ですが、そこでカエルの二ッチを占めているのはニョロモ一族です。幸い、ホウエン地方の一部にオタマロが出現しますので、ガマゲロゲと一緒に下呂温泉に訪れたい方は参考にしてくださいね。
飛騨高山
ここからは舞台を下呂温泉から高山市街へと移します。下呂温泉から高山市街へは、JR高山本線を使って移動しました。2両編成のワンマン列車に揺られること1時間。高山市の玄関口である「高山駅」に到着しました。
「日本で一番面積が広い市区町村」としても知られる高山市ですが、その市街の一部には「古い町並」と呼ばれる城下町のたたずまいを残した地域があります。今回の旅では、この町並をぶらりと歩きながら、飛騨牛などの具材がたっぷりと詰まった牛まんや、飛騨牛乳をふんだんに使ったソフトクリームに舌鼓をうちました。
ところで、飛騨地方には伝統的なお土産としても知られる人形があることをご存知でしょうか。それは、飛騨の方言で「猿の赤ちゃん」を意味する「さるぼぼ」という人形です。元は安産のお守りとして赤色のものが作られていたようですが、現在では願いの種類に合わせた色とりどりの「さるぼぼ」がお土産屋さんに並んでいます。
そんな飛騨高山を象徴する「さるぼぼ」ですが、高山市の「ポケふた」の近くでも見ることができます。それがこちらです。
緑、赤、青の三色の「さるぼぼ」が並んでいました。『ポケットモンスター』シリーズにおけるこの配色といえば、パートナー候補となるポケモンたちが持つ「くさ」「ほのお」「みず」の3つのタイプが連想されますね。
それでは問題です。高山市に設置されている「ポケふた」に描かれているポケモンは何でしょう?ポケモン好きの方であれば、3色の「さるぼぼ」というヒントから導き出せるのではないでしょうか。
高山市の「ポケふた」
正解は……ヤナップ、バオップ、ヒヤップの3匹でした。ゲーム『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』で初登場した、俗に「三猿」とも呼ばれるポケモンたちですね。確かに、「猿」をモチーフにしており、赤を含む3色のバリエーション(?)がある彼らは、「さるぼぼ」の伝統を紡ぐ高山市の「ポケふた」にぴったりだと言えるでしょう。下呂温泉に続いて、ここまでイメージにぴったりなポケモンが存在する1025匹の多様さに感服するばかりです。
この「ポケふた」や先ほどの「さるぼぼ」たちは、飛騨高山にぎわい交流館「大政」の近くにあります。大正時代に建築された町屋を整備して作られたこの施設は、観光客向けの無料休憩所の役割を備えており、外国人観光客向けの案内板にはヤナップたちが登場していました。その様子は、さながら「三猿」がこの地域の「推しポケモン」であるかのようでした。
……ご存知の方も多いでしょうが、2016年に開催された「ポケモン総選挙720」において、赤色担当・バオップの進化形であるバオッキーは最下位にランクインしました。あれから8年たった今、高山市を象徴するポケモンとして「三猿」が活躍している様子をみると、なんだか感慨深い気持ちになります。バオッキーもきっと笑顔でいるに違いありません。
そんなこんなで、下呂温泉と飛騨高山で出会ったポケモンたちの紹介でした。下呂温泉は風情がありつつも街としての賑わいも感じられる場所で、温泉や旅館でのんびりと過ごせました。高山市も下呂からのアクセスがよく、日中は高山市で遊び、夜は下呂温泉で疲れを癒す、といった楽しみ方ができました。お気に入りのポケモンを連れて、ぜひ一度飛騨地方を訪れてみてはいかがでしょうか。
ここまで読んでいただきありがとうございました。次回の旅行までに『New ポケモンスナップ』でカメラワークの練習をしておこうと思います。
それでは。