ポリシーメイキングって旅行計画と一緒だった3/3
前回のこの記事の続きです。
旅行の計画のしかた
①どんな日にしたいかざっくりイメージするところから始めている
②どこにいく、何をする、スケジュールと予算をイメージする
③矛盾の発見
④現地で調整対話
学校のいい運営の仕方
①どんな学校にしたいかイメージが擦りあうことから始めている
②いつ、どんな授業をする、必要なものをイメージする
③矛盾の発見
④現場での調整対話
これならいいよね。
でもなんでできないんだろう。「よはく」と「対話」がないんだよ!!
今回は③矛盾の発見からです。
③矛盾の発見
次に結構大事なのが「ゆったりしたい」というコンセプトに矛盾することを発見することです。
例えば奥多摩でできることは渓流に行く、釣りをする、森林浴をする、温泉に入る、などどんどんやりたいことが増えていくわけです。なんならドライブだってできるし、鍾乳洞だってある。
「あ、近くに友達住んでるから久しぶりに会いに行きたい!」
ふと閃くこともあります。
そう、これでは「ゆっくりしてない」のです。
こういった矛盾を発見できればものすごくもうけものです。
過去に北海道に行った時、ゆっくりしたいがためにロッジに泊まれるいいホテル取ったんですが、なんと同日に遠いウポポイ(民族共生象徴空間)に行く予定も入れた結果、ホテル滞在時間めちゃ短かった…バカ…ということがありました。今でも後悔。いい勉強になりました。
ポリシーメイキングでいえば「子ども主体の学校」を目指しているのに「英語も、STEAMも、人権教育もやらなくちゃ!放課後はもちろんクラブ活動で!あ、学力はもちろん高めなくちゃね!」とか言いながら6時間フルに教えこみの授業が展開される…最近の中堅私立によくありますねぇ。
④現地で調整対話
いざ旅行!となっても思い通りにいかないこともたくさんあるでしょう。
むしろ初めてやることなので、失敗をしないと意味がないわけです。失敗しないということはできることしかやっておらず、結局何も変わっていないということなので。
そういう時はコンセプトに立ち返って対話して調整をします。
旅行で言えば渋滞にハマってスケジュールがカツカツになってしまったり。
今回のコンセプトは「ゆっくりする」ことなので、一つぐらい予定を飛ばしてもいいでしょう。むしろ景色を見ながらゆったりした音楽をかけて、途中の道の駅で買ったお菓子なんかを食べるのがいいですよね。
大事なことを変えないために大事でないことを変えることが大切です。
そして誰かが一方的にスケジュールを削るのではなく、「どれなら削っていい?」という対話をすることが大切。
学校で言えば授業で子どもが調べたいことを調べる時間をつくっても「調べたいことがない」となればその手前で「その分野に興味を持てるような授業は教員がする」とかバランスの問題ですよね。これも創意工夫!
「よはく」と「対話」が何よりも大切
だからこそ学校には「よはく」と「対話」が必要なんです。
誰かの善意でやったことが誰かの迷惑になることもあるのですから。
冒頭に話した
でも、4月中にもっと余裕があれば、違ったんじゃないですか?よはくを作れなかったことを責めているわけではなくて、構造上よはくをつくりにくいことを批判しています。
教育業界には黄金の3日間、銀の1週間、銅の1ヶ月、という考え方があるけど、3日間にたどり着く前に地獄入り、みたいな感じじゃないでしょうか。
なんなら余裕がなくなるとIQが下がるって話、こないだ本で読みました。目の前の宿題の丸つけに忙殺されて、子どもの未来がみられなくなってるんじゃないでしょうか。
格言に「地獄への道は善意で舗装されている」というものがありますが、子どものためにあれやこれやをやってあげよう!という善意が全員を地獄に送っています。
なので、「学校をよくするために〇〇をしなきゃ」は嘘で、「学校を良くするために〇〇をやめよう。もっとよはくをつくって余裕ある状態に戻して考えよう。」が正解です。「地獄への道は善意で舗装されているが、天国は善行で満ちている」ってやつ。
僕も前任校の時いらない会議切ってったら怒られたっけ。
「子どものためにならない事はやらない」はサボりで、どんな仕事でも善意の「やる」は評価できるからなぁ…評価が欲しいわけではなかったから削りに削ったけど。
でも、なぜ「やらない」のかの対話が少なかったのも事実。そのあたりは少しだけ成長してからわかった事です。
ということで、4/1~4/6までの入学式デスロード〜みたいなことたくさん書いたけれど、それだけ教育業界は崖っぷちなんです。教育業界の崖っぷちって、=子どもがどんどん辛くなるってことです。おれはいやだ!
ということで3回にわたって書きました。必要な誰かに届くといいな。
ポリシーメイキング、合意形成について実践を書きました。