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弟扱いしてくる先輩をなでなでしたら懐かれた

○○:はぁ…重て


先生に頼まれた資料を運んでいる道中


純葉:おーい、○○〜!

○○:あっ、向井先輩

純葉:どうしたんこれ?わや重そうじゃがん


向井純葉。

1個上の先輩で、なにかと僕のことを気にかけてくれる優しさ満点の素敵な人

なのだが…


純葉:持っちゃるけん!

○○:あっ、ちょっと!


そう言うと先輩は僕の手から資料を強引に奪うとその場から動かなくなってしまった


純葉:うっ……お、重い…

○○:歩けてないじゃないっすか……
はい返して、持ってくから

純葉:い、いや……純葉が持ってく…!

○○:えぇ…なんで?

純葉:大事な弟に大変な思いして欲しくないけん!

○○:いや、そんなに大変では……それに弟じゃないし…


そう、僕のことを弟扱いしてくる

別に嫌ってわけじゃないけど……

なんか複雑って言うかなんというか


純葉:ふぅーんっ…!

○○:……

純葉:…半分こしよっか?

○○:……はいはい


結局、二人で資料を運びました



今日は図書委員の仕事。

返された本を元あった場所に戻す作業をしている

この学校は図書室の利用がとても多いので仕事量も多い

しかもワンオペ……


○○:はぁ……多いよ、これは


なんて言葉を吐いた矢先


純葉:弟くん!手伝いに来たで!

○○:おー先輩、今日はちゃんと助かります

純葉:なんでいつも助かってないみたいな言い方するん?

○○:じゃこれらをお願いしますね

純葉:無視っ!


手伝ってくれるのはありがたいんだけど、どうしてここまでしてくれるんだろうか

本人に聞いても「弟だから!」の一点張り

だから弟じゃないっての……



僕は自分の仕事を終わらせ、先輩の元へ


○○:おっ

純葉:ぬーんっ!ふっ!


ギリギリ届いてない

不覚にも可愛いと思ってしまった

ちょっとだけ見ときたいな…


純葉:ふんっ!…よっ!


ジャンプした反動で本棚が揺れ、雪崩のように本が落ちてくる


純葉:きゃっ!

○○:っ!あぶない!


咄嗟に先輩を抱きしめ、落ちてくる本から守る形をとる

衝撃がおさまって、先輩の安否を確認する


○○:だ、大丈夫ですか!?

純葉:う、うん……ごめん…

○○:いや、先輩が無事ならいいんすよ

純葉:……うぅ……


すると先輩は僕の腕の中で涙を流し始めた


○○:っ!?ど、どうしたんすか?やっぱり痛いところが?

純葉:ちがぁう………○○に痛い思いさせちゃったぁ……

○○:いや、僕は大丈夫ですよ

純葉:ごめん……純葉が○○を守らんといけんのに……


その言葉は嬉しいような、少し引っかかるような

やっぱり弟扱いされるのは……

すると僕は自然と先輩を撫でていた


純葉:…へ?

○○:先輩……僕のことを弟のように思ってくれるのは嬉しいです、でも僕のことをもっと頼ってくれてもいいんですよ?

純葉:っ///○○……

○○:先輩が僕のことを守りたいように僕だって先輩を守りたいんです

純葉:……うん

○○:あっ…す、すいません!なんか撫でちゃってた///

純葉:ね、ねぇ……もうちょっとだけさ……撫でててくれん?

○○:え?

純葉:なんか、安心する///

○○:わ、分かりました///



次の日。

廊下を歩いていると


純葉:あっ!○○にぃ!

○○:おっす先輩…………ん?

純葉:いひひっ、○○にぃ///


先輩は勢いよく僕の胸の中へとダイブしてくる


○○:ぐはっ…!せ、先輩!?

純葉:ちがうよ!いとちゃんって呼んで!

○○:い、いとちゃん?

純葉:○○にぃ///会いたかったよぉ


○○にぃ呼びやめて

なんか前より複雑だから色々と


○○:その○○にぃってなんすか?

純葉:ん?○○にぃは○○にぃじゃがん

○○:やばい、訳分からん

純葉:ねぇ○○にぃ、今日は撫でてくれんの?

○○:へ?

純葉:うぅ……純葉泣いちゃう……

○○:いや、泣かないで!?

純葉:……


上目遣いやめてね

可愛すぎるって


○○:よ、よしよ〜し

純葉:うへへへぇ……///

○○:いとちゃん可愛いねぇ

純葉:そうかにゃ〜?///


あっ、ホントに可愛い

ダメだこれ、沼ってやつかも


○○:よーしよーし///

純葉:にゃーん///



なんか複雑だけど

これでもいいと思ってしまった

可愛いは正義!!!


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