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僕はいつか君の…

−出会ってしまった−


藤吉夏鈴。

クラスメイト。

隣の席。

喋ったことはない。

なんの関わりもない。

それでも…恋に落ちている。

無口な人だと思った。

無愛想だなと。

だけど…

窓から外を眺めてる

その横顔がとても綺麗で

つい見惚れてしまったんだ。


夏鈴:……

○○:……

夏鈴:……なに?

○○:……え?

夏鈴:…私のことずっと見てるでしょ

○○:…い、いやっ!別に……

夏鈴:…ふふっ、変なの


初めて顔を合わせた。

初めて言葉を交わした。

初めて笑顔を見た。

初めて…こんなにも心が躍った。

確信した

やっぱり君に恋してる。

授業の内容なんて入ってこないよ

君だけが脳内にいる

そりゃそうだよ

言葉をくれたんだ

恋ってのは恐ろしいね


教師:おいっ!○○聞いてるのか?

○○:…は、はい!?

教師:最近ボケェっとしすぎだぞ

○○:すいません…

夏鈴:ふふっ



帰り支度をする君をただ見てる

スラっとした立ち姿

身長も僕より少し低いくらい

誰とも会話を交わさず

君はいつも教室を出る


夏鈴:…バイバイ

○○:……えっ


小さく手を振りながら

微笑みながら

僕に向けられたもの


○○:……バイバイ…


おそらく僕の声は届かなかっただろう

…次はちゃんと返せれたらいいな

そんなことを思いながら

余韻に浸り、帰路につく



君が来る時間よりも

少し早く来てしまった

何を期待してるんだ

ほんとに人間ってのは

単純な生き物だ


夏鈴:……

○○:……


君は自分の席に向かっていく

言葉はない

ほらね

カバンを机に置き

イスに座る

それを流し目で見てる

なんと情けないことか


○○:はぁ…

夏鈴:おはよ、○○くん

○○:っ!?


気がついたら目の前に

微笑みかける君に

鼓動が少し高鳴る


○○:お、おはよう…

夏鈴:飲み物買いに行かない?

○○:…え?

夏鈴:行くよ

○○:ちょ、ちょっと待って…!


僕の返答を待つことない君を

必死で追いかけた


夏鈴:う〜ん…

○○:……

夏鈴:…何がいいかな?

○○:え?……おしることか…?

夏鈴:……いいね


ふざけて言ったつもりなんだけど

不思議ちゃんなのかもしれない


夏鈴:○○くんは何がいい?

○○:ん?

夏鈴:ついて来てくれたお礼

○○:いや、悪いよ

夏鈴:一緒でいいや


おしるこを手渡しすると

君は教室に戻っていく

なんか振り回されてる

だけど心地いいよ



あれから会話はなかった

目が合った時、微笑み合うだけ

これが幸せってやつなのかもしれない


夏鈴:○○くん、帰ろ

○○:はい?

夏鈴:ん?帰らないの?

○○:帰るけど…


二人並んで学校を出る

急展開すぎてついていけない


○○:僕こっちだけど

夏鈴:私こっち


見事に逆方向だな


夏鈴:…じゃ今日は○○くんの方についてく

○○:……えっ


君の足取りに迷いはなく


○○:ちょっと…!今日ってことはもしかして?

夏鈴:明日は私の方について来てね


笑みを浮かべて

君は再び歩き始める


○○:藤吉さんって不思議だよね…

夏鈴:○○くんもでしょ

○○:そうかなぁ…?

夏鈴:私と波長が合うって事はそういうことでしょ

○○:はぁ…?そういうもんかな…

夏鈴:互いに惹かれ合ったんだよ

○○:え?


君が放ったその言葉を

素直に受け取っても良いんだろうか?

また振り回してるだけじゃないの?

「好きな人っているの?」

聞きたかった

でも君の横顔があまりにも綺麗で

言葉をかけることができない

なんてしてると僕の家


○○:ここだから…

夏鈴:ここか〜意外と近いね

○○:そうだね

夏鈴:じゃあバイバイ

○○:うん…バイバイ


今日は色々あったな

君について少しだけ詳しくなったかも

だけどまだ知らない

君の気持ち

僕はいつか君の



"恋人になりたい"



夏鈴:ふふっ、待ってるよ…その時を



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