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後輩をなでなでしたら懐かれた

同じ部活の後輩、的野美青。

僕はこの子に…

嫌われているかもしれない


○○:あっ的野さん、おは…

美青:うおっ!?

○○:ま、的野さん!?


ドヒューン

って感じで走り去ってしまった

…そう!

すごく避けられてる…

僕の姿を見るやいなや、すぐどっか行く

なんかしたっけな?

別に部活でも絡むことなかったし

思い当たらない…


○○:はぁ…


正直、めっちゃきついよ…

あんな可愛い子に避けられてんだもん


美青:…はぁぁぁあ///

美青:おはよう…だって///

美青:ぐふっ…ぐへっ///



そんな的野さんとも一緒の空間で過ごせる時間がある

部活動。

僕らは美術部に所属している

具体的になにか活動をしている訳ではない

幽霊部員ってやつがいっぱいいる

僕も半分そんな感じだ

的野さんは…真面目に絵を描いてるんだろう

ご持参のタブレットで


○○:……

美青:……


部屋には数人。

とても静かな空間

この空気感が居心地良くて

僕はこの場にいるのかも


美青:…チラッチラッ……

○○:…きた……


定期的にくる、的野さんチラチラタイム

僕の顔をチラチラと見てくる


美青:…んん///

○○:…?


よくわからん

こんなにもチラチラ見てくるってことは

ちょっと僕に気があるんじゃないのか?

と、思ってみたり

的野さんには仲のいい男子がいる

的野さんと同じクラスで同じ部活の子

部活でもそうだけど、クラスでもかなり仲良くしてるらしい

付き合ってるって噂も…


○○:まぁ彼氏いるよなぁ…

美青:(いやん///さっきから凄い見てくるぅ///)


それにしてもなんの絵を描いてるんだろ?

とっても気になる

今日はいいや

明日、話しかけてやるぞぉ…



美青:……

○○:……


今日も熱心に描いてらっしゃる

真剣な表情はすごくかっこいいな

普段おどおどしてるとこしか見ないから

これがギャップ萌えってやつ!?


美青:…チラッチラッ……

○○:……


よし、頃合いだな

的野さんがタブレットに目をやってる隙に


美青:…ふふ///……ぐへっ///

○○:的野さん

美青:ひゃ、ひゃい!?

○○:そ、そんな驚かなくても

美青:ななっ!?なななんですか!?

○○:いやぁ〜いつもなに描いて……ん?

美青:…あっ


タブレットには僕と思わしき人物の絵が

かなり美化されてるけど…


○○:こ、これは…?

美青:ちがっ!こ、これは……そ、その…あぅ…

○○:これ僕…?

美青:〜///うわぁぁぁあああ!!!

○○:ちょ、的野さん!


的野さんは顔を真っ赤にしながら

美術室から出ていってしまった


美青:はぁ…はぁ…!サイアクっ!

○○:的野さん!

美青:ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい


えっこわ


○○:いや、怒ってないよ!全然!

美青:でもキモいですよねっ…!こそこそ○○さんの絵を描いてるの…

○○:いや…

美青:もう無理、嫌われちゃった…だめだ生きていけない…

○○:……

美青:ごめん…なさい……うぅ……ぅぁ……


泣き出してしまった

悪いことをしたな

僕は気がつくと的野さんを撫でていた


美青:…うぇ…!?

○○:別に嫌いになってないよ

美青:(な、なでっ!?撫でられてる!?///)

○○:むしろ嬉しいっていうか

美青:…え?

○○:ずっと避けられてたからさ

美青:そ、それはっ!わわわ私なんかが○○先輩と喋るなんて恐れ多くて…

○○:…あははっ!なにそれ

○○:僕は的野さんと喋りたいな

美青:い、いいんですか?

○○:いいよ

美青:……ぐへっ///……ふひっ…○○しゃん///

○○:…ん?


なんか様子おかしいな…


美青:なでなでとまりゃない///

○○:ん?あっ、ごめん…

美青:あっ……(なんでやめちゃうのぉお!)


それから僕たちは美術室に戻り

残りの時間を各々で過ごした



○○:あっ、帰る時間か…

美青:○○先輩♡

○○:ん?

美青:一緒に帰りましょ♡

○○:お、おう…


やっぱ様子が変だぞ?

語尾に♡がついてるように感じる…


○○:僕はこっ…

美青:○○先輩と同じ方向です♡

○○:う、うん…


帰り道は時間など忘れて

くだらない話で盛り上がりをみせていた


美青:ここです!私の家

○○:あ〜ここなんだ

美青:あの!今日誰もいないんです!

○○:へ〜………ん?

美青:上がってってください!

○○:え?


強引に腕を引っ張られながら

家へ引きずり込まれる


○○:ちょ、的野さん!?

美青:なんですか♡○○しゃん///

○○:いや、流石に…

美青:ここ私の部屋です!


ドアを開けるとあらびっくり

部屋全体に僕と思わしき人物の絵が


美青:ようこそ♡私と○○さんの理想郷へ///

○○:な、なんじゃこりゃ…

美青:ん〜っ!○○しゃん!///

○○:うわっ!?


勢い良く抱きつかれ

その場に倒れ込んでしまう


○○:ま、的野さん…

美青:美青って呼んでください

○○:み、美青…彼氏がいるんじゃないの?

美青:彼氏?私は○○さんしか見えてないです♡

美青:それより……ぐへっ///

○○:な、なに?

美青:もう撫でてくれないんですか?

○○:へ?

美青:撫でて欲しいなぁ///

○○:お、oh......


懐かれ過ぎには要注意?


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