横軽を復活させるとしたら? 〜四半世紀経ってる事だし実情に即した計画で
最終更新:25/2/5
注意:
・自分は専門家ではありません。
ただ情報を収集して横軽の復活に一助できればと考えている愚か者です。
内容に間違いが含まれる可能性がありますのでご注意ください。
・自分は地元民ではありませんが、安中市に移住を検討しています。
地元の方々からのコメントもお待ちしております。・自分はどこかの団体に所属しているわけではありません。【24/10/2追記】廃線ウォークのサポーターになりました。
詳細はこちらから。
はじめに
実はこれが初めての記事だったりします。
またこの記事は4月ごろから書いています。
鉄道知識の浅い方にも分かりやすいよう簡単な用語解説を交えつつ、
読みやすい構成を目指しておりますが、それでも内容に
至らぬ点がありましたら遠慮なくコメント欄にお願いします。
なお詳細に記述しようとした関係でクソ長いです。
ですので目次から読みたい部分だけ読むことをお勧めします。
西暦の表記は特記のない限り下2桁で表示します。
事業方式及び主体について
過去に2度あった復活計画と同様、特定目的鉄道とします。
ですが今の碓氷峠交流記念財団は峠の湯とくつろぎの郷を
手放(ヤマテコーポレーションに移管)し、文化むらしかやっていないため、
単独での運行は非常に難しいと言わざるを得ないでしょう。
同じ群馬県内の上信電鉄、上毛電気鉄道では
「群馬型上下分離」が行なわれています。
通常のにしろ群馬型にしろ、鉄道事業者を第三セクターとすると
安中市が二重で出資する事になってしまうので、鉄道事業者は
民間のみが出資する私鉄とした方がいいと思います。
現在は廃線跡(長野県側で残存している部分を含む)と
車両(シェルパくんもレールカートも)の保有は安中市が、
管理は安中市みりょく創出部観光課が行なっていますが、
車両を鉄道事業者に譲渡する形になるでしょう。
Q. 特定目的鉄道って何?
A. 「観光専用に規制が緩い鉄道」って思っていただければ
Q. なぜ通常の鉄道じゃダメなの?
A. その理由をここから解説していく感じかな
復活する意義について
軽井沢町の観光客数は23年度で774万人。コロナ禍で
一度下がったもののその前後では増加しており、18年度では
871万人となっています。24年の1月30日には、
安中市で「碓氷峠の鉄道施設群」を世界遺産に登録するための
プロジェクトチームが始動しました。
しかし何も手を打たずに登録されてしまうと、
入山峠(国道18号碓氷バイパス)や和美峠(県道43・92号)と違って
急カーブも多くて狭隘なため、軽井沢への迂回道にもされなかった
(そこまで渋滞しなかった)碓氷峠=国道18号旧道が、
碓氷第三橋梁(めがね橋)などを見ようとする観光客の影響で渋滞する羽目に
なります。要はオーバーツーリズムに拍車をかけてしまいます。
「新幹線に移ればいいだろ」って考えがありますが、
軽井沢からめがね橋へ行くバスは季節限定・1日1往復ですし、
増やそうにも渋滞してては元も子もありません。
あと東京〜高崎(特に東京〜大宮)の線路容量も問題視されています。
旧道の交通規制をしてバスのみ走らせるぐらいなら、
廃止された横軽を観光鉄道として活用させた方が
相応しいと思いませんか?
観光鉄道としてやっていきますから、貨物輸送については
(一切とまでは言わないものの)考慮しません。
観光のために復活させるのは建前でもなく本音であり、
国防のために復活させる訳ではない事をご承知ください。
その時になったら機関車作りゃいいだろって考えです。
路線名について
シンプルに「信越本線」でいいです。鉄道要覧に記載するような
正式な路線名ぐらいふざけたものにしたくありません。
ふざけるのは愛称で十分です。
Q. 「碓氷線」ではダメなの?碓氷峠を越えるんだし
A. JRバス関東が運行しているバス路線と被る=案内する際に紛らわしいから
Q. 「浅間線」ではダメなの?昔あさま走ってたし軽井沢から浅間山見えるし
A. かつて松本にあった浅間線と混同しかねないのと、
見えると言っても所要時間を考えればほぼ見えないに等しい
(碓氷バイパスの所なら標高が高いから見えるが)
Q. 「横軽線」ではダメなの?信越本線は壮大すぎる
A. 高崎〜横川の信越本線だって「越」どころか「信」すらかすってない
Q.「妙義線」ではダメなの?裏妙義は安中市にあるし
A. かつての妙義町域をかすりもしてないから
Q. 2つ前と1つ前で矛盾してない?
A. 君のような感のいいガキは嫌いだよ
車両について
できれば新潟トランシス製の軽快気動車(NDC)をベースにすることで
勾配装備と内装以外を共通化し、コストを安全に支障のない範囲かつ
旅客に満足できる範囲で可能な限り低減させたいです。
両隣の路線が電車なので、どうしても免許や起動加速度を
共通化させたいとなら近畿車輛製の自己充電型蓄電池電車(Smart BEST)、
もしくは烏山線のEV-E301系のような総合車両製作所製の
架線集電型蓄電池電車(ACCUM)になりますが、
いずれにおいても個人的にはまだ疑問が残ります。
共通:
ボルスタレス台車の車両が横軽を通過した事例はなく、
現に箱根登山電車や京阪京津線、神戸電鉄や南海電鉄のズームカーでも
ボルスタレス台車は使われてない
(座屈対策のために空気ばねをパンクさせる必要があるが、
ボルスタレス台車の場合そんなことはできない)
ACCUM:
1. 後述する折り返し時間は最低10分を想定しているが、
充電時間が16分かかる(24年のダイヤでは烏山着15:22→烏山発15:38)
2. 足回りに勾配装備を設置する余裕がない
3. 車端部に機器室(デッドスペース)がトイレ並みに大きく、
その分トイレを中央部に設置するとなると定員が大きく減る
4. 製造費が公表されてない
(勾配装備を抜きにしても少なくとも普通の電車よりかは高い)
5. 1M1Tで冗長性に欠けるのではないか?
6. 主電動機出力が95kWなので出力が不足してないか?
7. 観光鉄道なのに電車だと味気ないのではないか?(非日常感を感じられないのではないか?)
8. 最低でも2両編成なので需要の調節がしづらいのではないか?
Smart BEST:
1. 営業運転に就いたことがあるとはいえ、量産化されていない
2. 足回りに勾配装備を設置する余裕がない
3. 製造費が公表されてない
(量産化されてないのでどこまで安くできるか分からない)
4. 1M1Tで冗長性に欠けるのではないか?
5. 最低でも2両編成なので需要の調節がしづらいのではないか?
安中市観光機構の方にレールバイクがEVになった理由を伺ったところ、
・峠の湯から西が上信越高原国立公園に入ること
・環境省がうるさい(要約)こと
を挙げている為、液体式気動車のNDCは不適に思えますが、
現時点で碓氷峠を自走できるDB201(TMC500A)とMR1106は
どちらも液体式ディーゼル機関車(厳密には保守用車に近い)ですし、
電車よりかは技術の転用がしやすいと思っています。
あと旧道を走る車が移行してくれればそこまで気にならないかと。
どちらにしろ20m級・2ドア・デッキつき・貫通扉ありで
10両を導入(NDCであれば両運転台、それ以外なら2連×5編成)し、
シェルパくんの車両を37年までに置き換えたいです。
Q. なぜ普通の電車じゃないの?
補機ないけどEF62とかEF63は復活させないの?
A. まず電車や電気機関車を走らせるには線路に加え、
電気を取る架線が必要なのは言うまでもない
ただEF62・63は架線に電気を戻す回生ブレーキが使えない
新しい普通の電車とて回生ブレーキがあってもそこまで本数を必要としない
つまり電気代がバカ高くなるだけ
直近では土砂崩れが発生したけど、線路だけでなく架線柱も
復旧する必要がある、なら気動車や蓄電池電車の方がいいよね!って
Q. シェルパくんと同じ動力集中方式(客車+機関車)にしないの?
A. 電車や気動車とは違う免許が必要になるから
ちなみに今のシェルパくんの機関車であるMR1106は実際には
軌道モーターカー(保守用車)に近い
Q. LRTにしないの?宇都宮LRTのHU300形とか
一応67‰登れるスペックあるけど
A. 信越線や上信線がLRT化したり、旧軽井沢までLRT路線を
敷設するならまだしも、先述の通り架線集電による電化には
追加で費用がかかる上、車両自体も非常に高額(1編成4.3億)であり、
何より床の高さが違うので両端の路線と直通できないから
Q. 川崎車両製の電気式気動車やハイブリッド車両にはしないの?
A. 他社のと比較して定員が少なすぎるから
天竜浜名湖鉄道の電気式気動車が1両で3.4億するのに対し、
南阿蘇鉄道のNDCは1両当たり2.19億(輸送費込みなので
実際はもっと安い)こと、また前者は20m車ではあるものの
デッドスペースが多いので99(うち座席36)名なのに対し、
後者は18m車で115(うち座席44)名であり、
トイレ有無を考慮しても明らかに少ない
その上勾配対応設備でデッドスペースが増加する可能性を踏まえれば
自ずと液体式気動車が有利になる
Q. 燃料電池電車にはしないの?
A. わざわざそれにする必要が無さすぎるから
Q. BRTやDMVにしたりしないの?
A. 今日まで線路が残っている理由と収容力を考えなさい
前者はトンネルの幅員も、後者は導入した阿佐海岸鉄道が
牟岐線と分断された事も考えなさい
Q. NDCの出力って大丈夫なの?
A. 18m級NDCとシェルパくんでは出力と定員がほぼ同等だけど、
重量と車体長ではNDCが有利なので、20m級に大型化して
機関を追加すれば多重系統化や速度向上が図れると思う
シェルパくん(MR1106型ディーゼル機関車):
車体長…29.5m(客車9m×2+機関車11.5m)
重量…50t(客車9t×2+機関車32t)
出力…345PS(254kW)/2000rpm
定員…108人(54人×2)
備考…66.7‰勾配を25t牽引で11km/hしか出せない
NDC(最新型でスペックが詳細に公開されている
南阿蘇鉄道MT-4000形を参考):
車体長…17.97m
重量…31.5t
出力…350PS(257kW)/2000rpm
定員…115人
Q. 保安装置は?
A. 廃止前の横軽は軽井沢以西と同じATS-Snだったけど、
横川以東と同じATS-Pに変更する
双方との直通も考慮して2つとも搭載すべきだと思うけど、
JR東が36年に首都圏全域でATACS(移動閉塞)を
使用開始予定だから、これも可能であれば搭載したい
Q. なぜ10両も導入するの?
A. 4両編成を2運用で回せる最低数だから
これより少なく導入しても1両あたりで高くなりそうだから、というのもある
Q. 置き換えたあとのシェルパくんは?
A. 玉突き転属
機関車(MR1106)は業務用として使ってるDB201(TMC500A)を、
客車はEF63運転体験に使っているヨ8841を置き換えさせる
ただこの時点でEF63は74年、DB201は62年も製造から
経過しているので、運転体験自体が無くなっている
(=客車の使い道がなくなる)可能性も0ではない
MR1106はモデルとなったEC40との並びが見れるよう保守用車として軽井沢駅乗り入れ時まで残れれば
所要時間について
※所要時間は下り(登り)を遅くすることで
上り(降り)と同じものとします。
矢ヶ崎仮開業時の場合、所要時間は45分とします。
横←2→文(0.5)←3→丸(0.5)←4→峠(3)←9→熊(3)←20→矢
本開業時の場合、横軽間は各停タイプで50分、
横←1.5→文(0.5)←3→丸(0.5)←4→峠(3)←10→熊(5)←22→軽
速達タイプで45分とします。
横←1.5→文(0.5)←20→熊(3)←20→軽
いずれにしろ、折り返し時間を含めて1時間のサイクルとします。
但し18:00以降の列車は、降りても閉園している文化むら*¹と、
降りても何もなく野生動物に襲われるリスクの高い丸山は通過し、
同じく何もないが列車交換で必要な熊ノ平は運転停車とします。
06年の計画では横軽間1時間15分となっていましたが、この数字は
SLアプト時代と同じですし、旧道経由のめがねバスの所要時間が
渋滞なしで44分なので、遅すぎて話になりません。
*¹ナイトパーク開催時を除く
運用について
後述する駅の有効長を考えると、最大で4両編成となります。
なお、横川もしくは軽井沢に接続列車が到着する前に乗客数を把握し、
それに応じて出発直前まで両数を変動させるシステム*²を導入できれば、
需要の最適化が図れるのではないかと考えています。
通常時(閑散期)、シーズン時(夏季休暇や紅葉などの多客期)、
非常時(新幹線の振替輸送をする場合)の3つを用意します。
なお交換できるのが熊ノ平しか無いので、往復数が増えたからといって
列車間隔が短くなるとは限りません。それに両端での列車の
接続を考えると14往復が限界です。貸切列車は間合いで入れます。
*²西松井田と中軽井沢にカメラを設置してそこから把握できた乗客数や、
新幹線やSL列車の予約状況や文化むら・峠の湯・道の駅の来場者数から
総合的に判断し、観光鉄道におおよそどれ位流れてくるかを予測する
技術の進歩を考えれば、仮開業時にデータを集めて
本開業時に導入するのも現実的かと
通常時:
平日4往復、土休日6往復
シーズン時:
平日8往復、土休日10往復
非常時:
全列車速達タイプに変更し、接続する列車が無くなるまで
(途中駅の需要は後述するバスで代行輸送する)
配線関係について
・路線距離は廃止前と同じ11.2kmです。(軽井沢駅乗り入れ時)
・軌間は1,067mmですが、軽井沢手前は廃線跡を潰して作られる
三菱地所の建物を避ける都合上、新幹線の保守基地線路との
三線軌条or四線軌条が60mあります。
・突飛な考えですが、これ以外に現実的な直通案が私にはないです。
・全区間単線・非電化で、主に下り線側を使用します。
(なおEF63の運転体験線とレールカートは営業線と見做さない)
・なぜ複線にしないのかというと、これまで通り廃線ウォークや
あんなかロケーションサービスに使ったほうが客(?)単価が高いからです。
・駅数は横川、文化むら、丸山、峠の湯、熊ノ平、矢ヶ崎の6つですが、
うち矢ヶ崎は軽井沢駅乗り入れ時には廃止していいでしょう。近いし。
・矢ヶ崎に車庫を、横川に給油所を併設しましたが、理由は後述します。
・以下各駅を1/1500地図で解説します。
・橙色…追加線路
・水色…既存線路(基盤地図情報ダウンロードサービスより)
・緑色…追加構造物
※横川〜峠の湯周辺のGoogle衛星画像は9/17に更新されましたが、
この画像はそれ以前に制作しているので、色味が若干異なります。
【24/10/24追記】熊ノ平だけ更新しました。
横川
1面1線(+留置線2線)、有効長4両、
蓄電池電車案なら充電設備(架線)を設置
4番線は高崎方の線路が切られていますし、JRと改札を分けるとなると
今のホームの幅では狭いので、当面は4番線の西側を潰して
5番線発着とし、後に留置線として4番線の東側を活用し、
高崎方面から直接入線できるようにします。
1〜3番線からも発着できるようにしたい気持ちも分かりますが、
たった15mとはいえ矢の沢川に橋を掛け直す手間や費用、
そして貴重な煉瓦造りの橋台を身近に観察できるようにする為にも、
現在のままでいいと考えます。
現状、公道である県道92号が横切っている(踏切を新設しようにも
鉄道事業化されてないので難しい上、新規設置は基本認められない*³)ので、
シェルパくんは横川駅に乗り入れできていませんが、27年度以降上手いこと
開業予定の道の駅が文化むらと一体整備されるのであれば、
敷地内(横川駅構内)に捩じ込み構内踏切として設置できそうです。
【24/11/16追記】一体整備が決定しました!詳細はこちらから。
*³ふるさと銀河線りくべつ鉄道みたいに踏切に保安要員を配置すれば
できなくもないが、列車を一時停止させる必要があるので面倒なのと、
人手不足言われている昨今において人件費が掛かる事はしたくないだろう
【25/2/5追記】長野県と言えばガソリンが高い事で有名ですが、それは
NDCに使う軽油も例外ではないので、給油所はここに設置します。
国道の向かいにガソリンスタンド(ENEOS)もありますし、
そことの連携も期待できそうです。
文化むら
1面1線、有効長4両
当面は現在地でもいいかもしれませんが、横川駅と100mしか
離れていませんし、鉄道事業化するとなるとEF63の運転体験線と
分離する必要がある*⁴ので、EF63の留置線になっている場所
(横川駅から500m)に移設した方が、高低差がある文化むらの
西側からの利便性も向上するでしょう。
ついでに園内を一周するあぷとくんの乗り場も移設。
但し運転体験線と分離する=1,067mmで複線化する事であり、
それにはあぷとくんの線路を内側に移設しないといけないので
1年単位であぷとくんを運休させる必要が出てくるかもしれません。
同時にめがね橋を模したアーチ橋を高いものに交換して保存車を
出し入れできるようにできたらいいですが、安中市観光機構の前にある
出口専用ゲートのところに仮の入園ゲートを設置しないと、
数ヵ月単位で文化むらを閉館させる必要が出そうです。
*⁴全車除籍された車両の車籍を復活させるのは困難かつ、先述の通り
ATSをSnからPに変える(EF63はSnしか装備してない)ので、
仮にできたとしても昨今はJRで国鉄形電気機関車が淘汰されている故、
走行に必要な部品確保もそうは長く続かないだろう
丸山
1面1線、有効長2両
「普通鉄道構造規則」では、停車場(ホーム)は5‰が上限と
なっていますが、ここは25‰から40‰にかけての勾配上にあります。
この規則は02年に「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」に代わって
廃止されましたが、これの「解釈基準」では同様の事が記載されています。
要は特例を取らないといけません。
あとEF63の運転体験線を当駅まで延伸するとなるとアプトの道を
潰すことになるので、現在立入禁止となっている線路に並行している道路
(安中市道94132号線)を整備する必要がありますが、丸山変電所に行くには
封鎖中の丸山踏切を渡らないといけません。ただこの踏切は
道路台帳を見る限り公道は手前で終わっている上、
車も通らないので新設も認可されるでしょう。
峠の湯
※駅の構造及び画像については後述します。
丸山よりこの駅の方が鉄道事業化するに当たって障壁かもしれません。
何せ問題点が「3つ」ありますから。
1. 引き上げ線が存在しません。
現状の線路に手を加えない場合、熊ノ平方面から峠の湯駅に入る際には
65.0‰もある本線上に停車しないといけないのです。
2. 分岐器を勾配上に設置しています。
「解釈基準」では、分岐器を設置可能な勾配は25‰までとしています。
3. 縦曲線が基準を下回っています。
先に答えを言っておくと、「195m必要なのに90mしか無い」です。
解説:
緩和曲線が「左右方向の曲線同士の中間に挟むものに対し、
縦曲線は上下方向の曲線(即ち勾配)同士の中間に挟むものです。
先述の「解釈基準」では以下のように定義されています。
・左右方向の曲線半径が600m以下の場合、縦曲線は3000m以上
・左右方向の曲線半径が600m以上の場合、縦曲線は2000m以上
峠の湯の手前にある左右方向の曲線半径は300mなので前者です。
必要な線路の長さである弧を求めると、195mになります。
地図上での長さは90m、ここから縦曲線を逆算すると1385mしか無いです。
特例全てを無くせないものの、これをどうにかする案を2つ検討しました。
共通項として、ホームの勾配は40‰です。
縦曲線を基準に収めるためにこれはどうしても避けられませんでした。
A案 - スイッチバックを駆使した場合
地形に手を加えないことで建設費の低減を図った案です。
ホーム有効長:2両
…角度的にあと2両分伸ばすのが困難だからです。
分岐器特例:あり
…40〜65‰勾配で分岐器を4つ設置しています。
本線の勾配を緩和するのが困難だからです。
備考:分岐が多いので信号関係が面倒になりそうです。
B案 - 曲線を駆使して距離を稼ぐ場合
「解釈基準」での最小曲線半径160mを駆使し、
地形に手を加えることでスイッチバックを無くした案です。
ホーム有効長:4両
…外側に曲げることによって設置スペースを確保しています。
分岐器特例:線路を撤去すればなし
…既存の下り新線が用を為さなくなるからです。
備考:ホームの一部が曲線にかかってしまいます。
「解釈基準」では最低400mとしています。
半径160mの曲線上にある駅としては飯田線の切石駅が有名ですが*⁵、
そこと同様にホームと車両に隙間ができてしまいます。
2ドア車を想定していますが、ホームは
曲線の外側に(=車端部がホームに近く)なるので
人ひとりがすっぽり入る程の隙間にはならないはずです。
*⁵東武浅草駅や青梅線の奥多摩駅は半径100m
熊ノ平
1面2線(相対式→島式)、ホーム有効長4両(分岐器有効長9両)
線内で唯一、4両編成が「常時」交換できる駅です。
ホームは4両分だけですが、分岐器の有効長は9両分持たせています。
1線スルー構造とし、列車交換時には軽井沢方面行きが分岐側に入ります。
右側通行となってしまう訳ですが、横川方面行きが万が一坂で暴走した際に
分岐側に入ってしまうと脱線しかねませんから、仕方ない事です。
横川方には渡り線が無いので新設します。
可能であれば板谷峠にある奥羽本線の峠駅のように、
また玉屋が力餅を立売りしてくれるといいんですが…
【24/10/24追記】安中市観光機構の方曰く、ホームは重要文化財に
指定こそされていないものの、その上にある変電所が
重要文化財されてること、今後の世界遺産登録を踏まえたら
旧線のホームに手を加えることは難しい(シェルパくんの客車には
ステップがなく、低い熊ノ平のホームではそのまま乗降できないので
嵩上げする必要があるが、それができない)旨の回答を受け、
島式ホームを新設する案に変更しました。相対式の低床ホームを新設した
えちぜん鉄道の新田塚駅の逆バージョンってところです。
矢ヶ崎
1面1線(+引き上げ線1線、車庫線2線)、有効長4両
「最低限」ここまで延伸したい。
軽井沢に代わり長野県最東端の駅になります。
ここに車庫を置いた理由は、「平坦な場所がここと横川駅しか無く、
後者は道の駅が建設されるから」です。峠の湯付近は土地があるとはいえ
勾配の途中に置くのは車両故障時の回送にリスクを伴うので除外してます。
軽井沢駅から600mしか無いとはいえ、都会では1駅分に相当しますから
バスがここを経由してくれると便利なんですが…
現在の信越本線・しなの鉄道の時刻表を見てもらえれば分かるんですが
JR線の列車が横川駅に到着してからしなの鉄道線の列車が軽井沢駅を
出発するまで(逆も然り)1時間ほどあります。しかし、先述した通り
所要時間が45分かかるので、横川乗り換えを5分とすると
軽井沢〜矢ヶ崎の乗り換え時間は10分しか無い事になります。
逃したら1時間後。もう少し速度を上げたいところですが、
観光鉄道なのにゆっくりできないのはそれはそれで問題なので
そこの塩梅が難しいところです。
軽井沢
1面1線(+引き上げ線1線)、有効長4両、
蓄電池電車案なら充電設備(架線)を設置
ここまで延伸できれば利益を最大限享受できるでしょう。
線路は北陸新幹線の1番線を潰しています。なぜ潰すかと言うと
1番線は定期列車では待避する列車がない過剰設備となっているからです。
使われたとしても保守用車が保守基地へ入出庫する際、
臨時列車が1日1回待避もしくは当駅始発東京行きで使用する際だけなので、保守基地と電留線は2番線へ繋ぎ、臨時列車は同じ副本線の4番線で
捌けばいいだけです。なお4番線の方は定期列車がありますが、
朝の当駅始発の長野行き(あさま699号)の1本だけなので問題ないでしょう。
ホームはしな鉄の留置線(3番線?)を4両分潰して置いています。
その代わりと言っちゃアレですが西側(長野方)に
4両分の電化された留置線を追加してあります。
まぁ潰しても6両分確保できるので要るかは分かりませんが。
あとATS境界をホームの西側とした場合は、観光鉄道の車両が
留置線を使うとなると境界を跨ぐ必要が出てきますが。
なお新幹線と在来線(しな鉄)で若干の高低差があるので、
線路を嵩下げするかコンコースを坂状にしないといけません。
運賃・料金と座席システムについて
・運賃は一律おとな700円・こども400円とします(均一制)。
・料金は3.1km以上で「座席に着席できる券」として、対キロ制とします。
・料金は4両以上(蓄電池電車案なら3両以上)で立席が出る場合、
新幹線振替輸送の場合を除いて必ず運賃とセットで徴収します。
・文化むら〜峠の湯は現行のシェルパくんと同額です。
・25年度からしなの鉄道が交通系ICカードに対応する為*⁶
不便だと思われない為にも、簡易改札機もしくは
車内改札機や券売機で交通系ICカードに対応させます。
*⁶JR線は対応済だが、碓氷線バスは非対応。
Q. 何で横軽間2100円2000円もするの?誰が乗るんかA. 高崎〜軽井沢で新幹線自由席が2640円するけど、
信越線の運賃(510円)を含めてこの金額以下でないと
「新幹線より高いのに遅い」という印象がついてしまい、
本当に誰も乗ってくれなくなるから
【24/11/9追記】安中榛名で分割すると特定特急料金により
2510円となるので、10.1〜12.0kmのおとな料金を
1400円→1300円(+運賃で2100円→2000円)に変更
350円単位という分かりやすさは消滅したものの、
丸山・峠の湯・熊ノ平で乗降する客<横軽間乗り通す客なのは
火を見るよりも明らかなので、払いやすさという点では改善してる
Q. もう少し安くならない?
A. 色々考えてるけど、どれがベストなのかは神のみぞ知る
1.平日の料金を700円割引く
…平日の利用を促進し、混雑の分散を図るため
2.ワンデーパスを設定し、往復で3500円程度にする
…1往復4000円という心理的負担を軽減するため
3-1.青春18きっぷなど、当日有効のJRのフリーきっぷを
提示すると700円のみで乗れるようにする
3-2.下に示す駅より手前からの乗車では他社線運賃の半分を割引き、
それ以遠からの乗車では700円とする
・横川〜中之条、沼田、桐生、熊谷、小川町
・軽井沢〜長野、姨捨、野辺山
3-3.高崎〜軽井沢では新幹線自由席と選択乗車できるようにする
…3つとも東京や長野から電車で来てもらいつつ、
移動手段としても使用してもらえるようにする事で、
他社線を含めた鉄道全体としての利用率を上げるため
乗務員について
非常時やスイッチバック時などで安全性を確保するため、
車掌の乗務人数は1人(運転士含めて2人)以上とします。
流石に急勾配でワンマン運転や無人運転では乗客も
不安になるでしょうし、2100円も取ってこれでは味気ないですよね? なお、現状のシェルパくんと同様、車両前方にカメラをつけることで
省力化を図り、車掌はなるべく車内改札やガイドに
専念できるようにすればサービスの満足度も上がるでしょう。
改札方式について
基本的に乗降を分離して行います。
横川、文化むら、矢ヶ崎、軽井沢
…列車別改札
(全部のドアから降車でき、降車終了後に改札・乗車を開始する)
丸山、峠の湯、熊ノ平
…車内改札
(1両の場合は後乗り前降りだが、2両以上の場合は下のAAのように
「中乗り前後降り」にする事で効率化できそう)
┏↑━↓┓┏↓━↑┓
┗↓━↑┛┗↑━↓┛
鉄道復活後のバスについて
バイパス経由の碓氷線バスを「廃止」し、旧道経由のめがねバスは
デマンド交通として「基本的には」安中市民専用で残るようにします。
しかし、新幹線の振替輸送が発生する場合は速達タイプしか
運行しませんので、途中駅への客はこのバスによる代行輸送を
行えればいいと思います。でも熊ノ平まで代行輸送する必要はないかも
今後の時系列について
太字は実際に予定されていることです。
25年:峠の湯〜熊ノ平の下り新線でレールカートが開業
26年:軽井沢駅の廃線跡潰して作った商業施設が開業
27年(廃止から30年):
・横川駅に隣接して道の駅が開業する
・北陸新幹線高崎〜長野間の建設費分の償還が終わる
→できればここまでに以下の2つを
1.シェルパくんの横川駅乗り入れ
2.矢ヶ崎までの用地取得
34年:「碓氷峠の鉄道施設群」の世界遺産登録が最速で実現できるだろう年(ソース)
→できればここで以下の4つを
1.シェルパくんの熊ノ平延伸+文化むら駅移設
2.休園日(火曜日)以外の毎日運行化(試作車2両を導入)
3.レールカートを上り線に移設(周遊可能に)
4.文化むら+横川駅の改修
37年(廃止から40年):
→できればここまでに以下の3つを
1.矢ヶ崎までの延伸+車庫建設
2.特定目的鉄道化
3.シェルパくん車両の置き換え(量産車8両を導入)
46年:北陸新幹線敦賀〜新大阪間が開業予定
→これに間に合うように軽井沢駅乗り入れを
47年(廃止から50年):
→遅くともここまでには軽井沢駅乗り入れを
んで、結局トータルで必要な費用は?
肝心なところで申し訳ありませんが、ここは専門家に丸投げします
…ごめんなさい