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国際収支の内訳とインバウンドによる外貨獲得の重要性

外貨を稼ぐというのは、地域や島国である日本にとってとても大切です。それらの状況を示しているのが、財務省の国際収支状況です。

今回は以下の財務省の資料を見ながら、外貨の獲得状況、赤字・黒字について整理してみましょう。

https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/councils/bop/outline/20240326_1.pdf


国際収支統計とは?


今回取り上げる国際収支とはそもそも何でしょうか?日銀のサイトを見てみると以下のように書いてあります。

国際収支統計とは、ある国が外国との間で行った財貨、サービス、証券等の各種取引や、それに伴う決済資金の流れなどを体系的に把握、記録した統計(注)のことです。モノや資金の外部との出入りを記録するという意味で、一国の対外的な家計簿のようなものと言えます。(注)関連統計として、対外金融資産負債残高の価値および構成を記録した「対外資産負債残高」等の残高統計も作成・公表しています。


国際収支統計を作成する上では、いくつかの制度的な枠組みに準拠しています。まず、国際通貨基金(IMF)との協定(注)により、加盟国には国際収支に関する情報の提供が義務付けられています。また、IMFが求める統計の品質を確保する必要などから、いずれの国でも法律により強制力のある報告制度が作られています。わが国の場合、外国為替及び外国貿易法(外為法)において財務大臣が定期的に統計を作成し閣議に報告することが定められています。日本銀行は、財務大臣の委任を受けて、企業や個人から提出された各種のデータを集計し、統計を作成しています。(注)IMFの標準ルール協定第8条では、加盟国の一般的義務の一つとして情報提供義務を挙げており、その情報として、国際収支統計のほか、外貨準備高国民所得外国為替相場等が規定されています。

https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/statistics/h15.htm

今はグローバル化も進み、モノやサービスを海外とやりとりすることで日本の経済活動を行っています。

食料品、家電、自動車、資源のような目に見えやすいものから、電子部品、デジタルサービス・クラウド、インバウンド観光、さらには外国への投資(NISAなど含む)もあり、それぞれで外にお金が出たり入ったりします。その収支の状況を見るものと考えれば良いでしょう。

データはどこにあるの?


元データは財務省が管理をしていて以下にあります。

地域別(アジア・米国など)にも展開されています。細かくチェックされたい方は生データをぜひ見てみてください。

本題:現状の経済収支はどうなっている?


ここからは財務省の情報を見ながら、どういう収支状況になっているか確認してみましょう。

推移


まず、推移を見てみましょう。ここで、第一次所得収支というのが大きいので解説しておくと、いわゆる金融証券投資からの収支のようです。

第一次所得収支 対外金融債権・債務から生じる利子・配当金等の収支状況を示す。 第二次所得収支 居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供に係る収支状況を示す。 官民の無償資金協力、寄付、贈与の受払等を計上する。

https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/balance_of_payments/term.htm

その上で、収支の特徴を整理すると

1、第一次所得収支が近年特に増加傾向(黒字)
2、貿易・サービス収支は赤字
3、第一所得収支が黒字のため、全体としては経常収支は黒字

収支の特徴

となっています。実態として投資がメインの国になっているようです。

中期的な見通し


これらも踏まえて中期的な見通しが予測されています。それらでは、貿易・サービス収支の赤字が拡大し、黒字の縮小となるようです。

貿易・サービス収支の内訳:貿易


では、今後赤字拡大が予測されている貿易・サービス収支の内訳はどうなっているのでしょうか?

まず、貿易側を見てみると輸送用機器(自動車など)は黒字ですが、鉱物製燃料(主に資源)、食料品の赤字が拡大しており、また、近年は電気危機(家電含む)も赤字になっているようです。

貿易・サービス収支の内訳:サービス


一方サービス収支はどうなっているかというと、コロナ禍を除いて、旅行の黒字が拡大しています。一方、クラウドサービスや、動画音楽配信のライセンス料、コンサル・インターネット広告代金など、デジタル系の赤字が拡大しています。

デジタルの赤字を縮小し、インバウンドなどの観光収支を拡大することが大切ですね。

第一次所得収支の現状


こちらはあまり詳しく述べませんが、証券投資の黒字(再投資分含む)と、円安効果によって黒字が拡大しています。



特に対外投資については、アメリカへの投資が大きく、国内へ投資していない現状も見られます。

その一部を牽引しているのがNISAによる米国株投資で、いわゆるオルカンなどへ資金が入ってきています。

まとめ


今回は、国際収支統計を見て日本の対外的な黒字・赤字状況を見てみました。特にインバウンドについてはサービス業の中でも数少ない成長・黒字に向かう業態として今後さらに注目されると考えられます。

ぜひご参考にされてみてください!

以下もよければご覧ください。

https://www.jftc.or.jp/publications/assets/pdf/trading2024_20231207_0001.pdf