「ふるさと納税のリアル」のデータを眺めてみる:全国1位の自治体はどこ?
先日ご紹介した「ふるさと納税のリアル」は全国の自治体の情報が入っているため大変有益です!
(本当はオープンデータにしてくれるととても嬉しいのですが、、R2はまとめてオープンになっています。)
今回はこのデータをみながら、全国の上位の自治体がどのような収支構造になっているかをみてみましょう。
なお、本記事では決してふるさと納税の制度を批判するつもりもなく、現状がどうなっているかを見ているだけですので誤解なきようお願いいたします。制度自体は素晴らしいものだと思っています!
マップの見方
このマップは、表示方法が切り替えられます。それぞれの自治体の情報だけでなく、寄付金額でも寄付の受け入れ額、経費合計額、実質寄付受け入れ額が存在します。今回は主に実質寄付受け入れ額を見ていきます。
これは以下で計算されます。いわゆる粗利と思ってください。
実質寄付受け入れ額の大きな自治体は?
この数値についても実は2パターンの表示方法があります。
金額
一人当たり
この2つの表示方法でもかなり見た目は違います。今回は、より効率的にふるさと納税を受け入れている自治体、に着目をしようと思いますので、「一人当たりの実質寄付受け入れ額」を見ていきたいと思います。
なお実質寄付受け入れ額トップは都城市の98億円です。シフトプラスさんも本拠地を移転されている自治体ですね。
ランキングを確認する
では、一人当たりの実質寄付受け入れ額を見たときに、どの自治体の寄付が多いか確認していきましょう。方法は、右上の🚩のような矢印をクリックすると以下が表示されます。白糠(しらぬか)町さんがトップですね!たゆまぬ努力でトップを獲得されているのは本当に素晴らしいと思います!
白糠町のふるさと納税サイト
ふるさと納税3種の神器と言われる、カニ・コメ・肉のカニやいくらが入っており非常に魅力的ですね!
白糠町の内訳を見る
白糠町は受け入れ金額、何と、167億!!人口は、7289人なので、一人当たり115万円!です!これはすごいですね。
受け入れ額に対する支出の割合
83/167 = 0.497 = 49.7%となっています。
後ほど説明する、総務省の規制のギリギリの数値になっています。
つまり、167億の売り上げのうち、半分が経費となっています。ただ、経費といってもふるさと納税の返礼品の原価があります。この辺りは別の記事でも解説していきたいと思います。
経費の内訳で見ると?
白糠町の経費も確認することができます。内訳を見ると総額83億円に対して以下の通りになります。
ざっくり寄付受入額に対する比率を見ておくと
返礼品調達費 の 寄付受入額に対する割合 = 45 / 167 = 27%
返礼品送付費 の 寄付受入額に対する割合 = 18 / 167 = 11%
広報費 の 寄付受入額に対する割合 = 0.6 / 167 = 0.3%
決済費 の 寄付受入額に対する割合 = 3 / 167 = 1.7%
事務費 の 寄付受入額に対する割合 = 16 / 167 = 10%
となります。返礼品が3割弱、送付費が1割、決済費(クレカなど)が1.7%、事務費が10%
総務省の規制:ちょうど経費5割、返礼品3割
先ほどの寄付受入額に対する経費の割合を見てきましたが、実はこれは総務省から規制がかかっています。元々のふるさと納税の趣旨にそぐわない(そもそも返礼品は制度に入っていない任意の行為)という理由で令和元年から変更になっています。
規制は主に3点で、以下になります。
先ほど、経費額がちょうど5割弱になっていましたが、これは総務省の基準1:募集適正基準の経費総額5割以下に伴うものです。
また、返礼割合3割(返礼品の仕入れ割合)の規制が、先ほどでいう「返礼品調達費 の 寄付受入額に対する割合 = 27%」に該当します。
地場産品基準は上記の金銭的規制ではなく、産品は地元で作られたもの(工場でもOK)として運用されています。
まとめ
今回は、ふるさと納税のマップをみながら人口一人あたりの受け入れ金額が大きい白糠町に注目してみました。素晴らしい努力で寄付額を増やされているようです。
次の記事では、寄付額は大きくないが、経費率が少ない自治体に着目してみたいと思います。