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観光宿泊施設が「おてつたび」を利用する場合のコスト構造

「おてつたび」というサービスがあります。コンセプトも素晴らしいサービスですが、実際に観光宿泊施設側の費用感はどのようになるのでしょうか?



結論

  • おてつたびを使う場合は、宿泊施設の提供と手数料(バイト代の数%)が必要

  • 繁忙期に人手が必要だが、そこで宿泊部屋をアルバイトの人が埋めてしまわないような工夫が必要(1泊1万円以上の売り上げ損失にならないように)


おてつたびとは?

このサービスはコンセプトも素晴らしいサービスだと感じています。

いわゆるリゾートバイトをリブランディングして、旅をしながら社会貢献をする人を増やす取り組みのようです。

引用元:https://otetsutabi.com/



サービスが解決する課題は?

宿泊施設側の人手不足の課題を解消し、働く人は旅をしながら地域貢献ができる、というものです。

特に宿泊施設が満室になるような、繁忙期に変動費要素として使われることが多いと想定されます。

掲載料は無料で支払う時給からの手数料で成り立っているビジネスモデルのようです。


コスト構造

先ほど説明した課題に基づいて、どういうコスト構造になるのか図示してみます。

前提として、宿泊施設会社は人材難で通常よりも高いコストを払ってでも人を雇いたい、というニーズがあるとします。

もし、現地で人材を採用する場合は、現地アルバイトの採用費を追加で支払うことになります。飲食など人材獲得が困難な場合は、成功報酬として10万円を超えるコストを支払うこともあるようです。

一方、おてつたびを使う場合は、求職者側のメリットが大きいため募集はかけやすいですが、遠方から人に来てもらい、宿泊・まかないなども提供する必要があります。いわゆるフリーアコモデーションです。

これらを参考にコスト構造を図示してみると以下のようになります。

コスト構造の比較

基本的なベースラインの人件費は同じとして、追加で採用するためのコストがかかります。

おてつたび、の場合は、交通費はバイト側の負担として、宿泊施設の提供費用がかかります。ただし、繁忙期の宿泊施設は宿泊単価も高いはずですので、ここがバランスが取れるかどうかがポイントと思います。

なので、バイトさんの宿泊費(繁忙期の機会損失)+おてつたび利用料(バイト代の数%)、をコストとして飲み込めるかがポイントです。

一方、閑散期であればペイしやすいコスト構造ですが、閑散期は逆に既存のスタッフで回すように思いました。

一番良いのは、現地で優秀なバイトを安く採用する、ですが、地域の人材難は深刻ですので、そううまくいかないのが現状かと思います。


コスト構造以外のメリット

もちろんコスト以外にも「おてつたび」や「フリーアコモデーション」にはメリットがあります。

おてつたびは、昔でいうリゾートバイトのように、学生の安い人件費を使いながら、win-winの仕組みをブラッシュアップしたものなのでしょう。


他のサービスの比較

人材を獲得する方法は多数あり、スポットバイト/スキマバイトのタイミーも競合になりそうです。ただ、時給の30%程度をタイミーに支払うことになるので、先ほどの「追加分」をどう捉えるかによって、使うべきか、他のものを選ぶか、が変わってくると感じました。


まとめ

「おてつたび」は素晴らしいコンセプトのサービスだと感じています。一方、宿泊施設をアルバイトさんに無料で提供する、という点でペイするか、どうか、がポイントになりそうです。