茉白

元書店員。日々のことを

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最近の記事

二次元オタクの私、再びMAZZELにハマる〜20241015 in 大坂城ホール感想〜

 昨年、BE:FIRSTに出会い、初めてボーイズグループにハマった私! 同じBMSG(事務所の名前)からデビューした八人組ボーイズグループMAZZELにもハマり、何とも充実した生活を送っていた。  しかし、今春体調不良で仕事を退職。  なかなか外に出られない療養生活の中で、まさかの今更『僕のヒーローアカデミア』にハマってしまったのである!  小学生の時分、BLEACHと衝撃の出会いを果たして以来、生粋の二次元オタクだった私。『やはり私は産道を通過した時点から二次元オタクだ

    • 元ロックバンド好きによるBE:FIRST初参戦記録〜in大阪城ホール2024.01.20〜

       聴く音楽はロックバンド、古い洋楽、あるいはボーカロイド。そんなボーイズグループにまるで興味がなかった自分が、ひょんなことからBE:FIRSTに傾倒し、とうとうライブに初参戦!  そして、そのライブが死ぬほどめちゃくちゃに良かったので、パッションのままに感想を書き殴った次第である。  曲目、演出などのネタバレは一切ないのでご安心ください! パッションのままに書いたので、文章が読みにくいところもあると思いますが、ご容赦くださいませ。  大好きな大阪城ホールにて、BE:FI

      • 秋の淋しさに抗うために、手を動かして文を書く

           先日、縁があって有吉佐和子記念館に立ち寄った。  そこで私は作家による生の原稿というものを初めて目にした。その分厚さ、誇らかなさま、そして潔さ。原稿の束が高波となり、襲いかかってくるかのような錯覚に陥るほどで、私は思わず立ち尽くした。原稿を見るだけでわかる。大作家と自らを比べるほど傲慢ではないと思っていたが、それでも〝敵わない〟と思った。文章を書くということの本質と、私は程遠いところにいるのだと。 ところで、解剖学者の養老孟司先生が仰っていたが、何かを覚えたり身につ

        • フリーター書店員、家計簿をつける。

           転職活動を一旦休止することにしたので、家計簿をつけることにした。お金の管理のためである。  飽き性の自分がどうしてこのようなことを始めたのかというと、有り体に言えば、何かをまた始めたかったのである。  私は書店員歴四年目のアラサー。アルバイトでの勤務であるため、給与は雀の涙ほどしかない。  書店員というのはあらゆるバイトの中でも常に最低賃金をさまよっている上、アルバイトを何年続けようが昇給、正社員登用などはめったにない。それでも続けているのはひとえに「本が好きだから」なの

        • 二次元オタクの私、再びMAZZELにハマる〜20241015 in 大坂城ホール感想〜

        • 元ロックバンド好きによるBE:FIRST初参戦記録〜in大阪城ホール2024.01.20〜

        • 秋の淋しさに抗うために、手を動かして文を書く

        • フリーター書店員、家計簿をつける。

          さみしい秋の夜長に、私が願うこと

           息を吸うのが苦手だ。  本人も知らぬうちに息を止めてしまっていることがあり、はっと気づいて深く吸う、を繰り返している。しかし、それでも上手く吸えている感じはせず、胸は重いまま、私はもう一度こりずに息を吸う。そして、何かを諦めるように吐く。    日毎に秋が近付いてきて、人々の装いもどこか落ち着いた色調の、シックなものに変わりつつある。同僚が吸い込まれるような深い紺色のジャケットを、軽やかなレモンイエローのシャツの上に羽織っているのを目にしたとき、秋のしるしをひとつ、見つ

          さみしい秋の夜長に、私が願うこと

          「好きだけど一緒にいられない」と振られた私のその後

           六月二十九日、木曜日。一年二ヶ月記念日に私たちは別れた。  私たちはそこそこ仲の良いカップルだったと思う。話し合いはよくしたけれど、声を荒らげるような喧嘩はしたことがなかった。いついかなるときも、決して互いを貶し合うことなどなく、好きの度合いは違っても、互いを大切にし合おうとつとめていた。  好きで、大切で、一緒に居るのも楽しくて、なのに別れる。  そんな決断をする人は存外いるようで、ネット上や現実でも度々見聞きした。その度に「なんで好やのに別れるなんて選択をするんや

          「好きだけど一緒にいられない」と振られた私のその後

          小説を書くことが日常だった自分が書けなくなるまで

           物語が書けなくなってしまった。  一昨年までは書くことが日常的で、食事や、睡眠と同じように、書くことが身近にあった。例えるなら、ほんの少しだけ特別なワンピースみたいに。書けないこともあったけれど、書くことの方が多かった。いつもどこか遠くの、夢の世界にいた。  けれど、去年くらいから、徐々に書くことが遠ざかっていった。  少しだけ特別なワンピースが、喪服のような、普段ほとんど袖を通さないものになるまでに、多くの時間を要さなかった。書くことはするすると私から逃れてゆき、春を

          小説を書くことが日常だった自分が書けなくなるまで

          暮らしの種 『季節の色に目を凝らす』

           何かと気鬱になりやすい性質である。  塞ぎ込んでしまうと、ベットの中で日がな一日「ああでもない」「こうでもない」と思い悩んでしまうことになる。それで自動的に収入が発生し、健康が持続され、知識が増えてゆくのならば問題ないのだけれど、そう都合のいいことなどないので、どうにかじゃじゃ馬のような情緒をなだめ、だましだまし生きている。  そんな私にとって、春はやさしい季節である。  というと、おかしなことを言うなあ、と思われるかもしれない。たしかに、春は生活に変化が生じやすい。さ

          暮らしの種 『季節の色に目を凝らす』

          自分を、ほんの少しでも丁寧に扱う

          『自分を大切にする』、などというと大層なことに聞こえるけれど、要は自分の心と体に気を遣うってことなんだろう。  皆、自分にとっては大切なものは丁寧に扱う。お気に入りのポットは割れないようにそうっと慎重に持ち上げるし、店でとても悩んで買った観葉植物には、きちんと水をやって、お日さまをあてて、葉の乾燥具合とか、ちらと顔を見せる新葉のことに気を配ったりする。  多分、自分のこともそのように扱うべきなのだろうな。自分という存在がなければ、そもそも好きなものを大切にはできやしない。

          自分を、ほんの少しでも丁寧に扱う

          逃避、そしてささやかなる抵抗

           バス停まで向かう道すがら、ドライフラワーのごとく鮮やかに枯れた紅葉の葉が、廃屋のほとりに堆積していた。アラベスクさながらのその様子に、思わず感嘆する。そこは以前──というのは、私がこの土地に住むよりずっと前の話──蕎麦屋だったそうで、それなりに繁盛していたとのこと。気のいい老婦人が居た、と知人から聞いたことがある。しかし、今はもうすっかり物静かな廃屋で、蕎麦屋であった頃の良き喧騒などは見る影もない。  ところで、私が小説を読む理由は心を遠くに飛ばすためである。ただでさえ憂

          逃避、そしてささやかなる抵抗

          今冬の奇妙な慰め

           冬が来た。今年の冬は、急ぎ足でやってきた。にわかに、思いがけず。  十二月も初めの時点では、外の色彩も人々の装いもまだ秋で、今年の冬は暖かくていい、などと呑気に思っていたら、瞬く間に冬がやってきてしまった。驚くまもなく。街の空気が途端に、白くさみしくなった。  冬と言えば、例年はもっと静かに、憂鬱に迫ってくる印象がある。  例えるなら、物静かな少女たちが一枚一枚、薄皮のような白いベールを被せてゆく、といったもの。色彩がゆるやかに塗り替えられ、雲は重く垂れ込め、街路に並

          今冬の奇妙な慰め

          すずめの戸締りの超超個人的な解釈(ネタバレ有り)

           何が夢で何が現実なのか、その境界線を見定めることができなかった。「目に見えるものがほんとうのものとは限らない」、片桐は自分自身に言い聞かせるようにそう言った。     村上春樹『かえるくん、東京を救う』  すずめの戸締りを観てきた。  前情報は「村上春樹のかえるくん、東京を救うのオマージュであること」のみである。  以前は、レビューにざっと目を通してから、劇場に赴くことが多かったのだけれど、今回はあえて他人の評価を遠ざけてみた。  というのは、レビューが低いとその時点

          すずめの戸締りの超超個人的な解釈(ネタバレ有り)

          淋しさの起源

          夜半。 恋人の家は、掃き出し窓を三分の一ほど開けているので、車の走行音が耳に届く。家の前にはさほど大きくないが川があり、道路に沿ってゆるやかにカーブしながらどこかへと続いている。車はやはりゆるやかにカーブした道に沿って、エンジン音を鳴らし、風を切りながら遠ざかってゆく。  昼間はもちろん、夜もそれなりに交通量のある道なので、走行音は一定間隔で私の鼓膜をノックする。しかし、昼は揺れるカーテンと洗濯物に遮られ、それらが可視化されることは無い。  ただ、夜は様子が違う。夜闇の中

          淋しさの起源