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金とき
2022年11月21日 18:32
秋の夕焼けは眩しい。そこら中の金色のすすきが輝きを反射するのだ。黃や紅に色づいた数多の葉も、例年どおり優しく笑っている。いつもどおりの秋。 こんなはずじゃなかった、を、もう何度繰り返したろう。少女はひとつ、ため息をついた。その棒切れのような脚は、しかし、色づく大地を力強く踏みしめていた。「あーーもうやだ」 もうひとりの少女は、突如しゃがんでもみじの葉を一枚、拾った。そして立っている少