
乳がんの記録(ステージ1)⑩
退院後、
意識して変えたというより面白い変化が。
退院後もシャワーしかダメでお風呂は禁止。やっと解禁になった日以降、ものすごく長風呂になった。元々烏の行水。長くお風呂に入るとのぼせるし退屈。だったのが、気がつくと30分とか経ってる。お風呂LOVE。
体を冷やさないようにとても気をつけるようになった。今特に冬で寒いので入院時に使ってた湯たんぽを常に抱いてる。
低体温低酸素が万病の元って聞いたことがある。その通りだなって思ってる。
眩暈と入院で2週間ほど仕事から離れた。
お正月休みとかを考えるとそんなに長く離れてるわけじゃなかったけど、仕事を再開できたとき、
「ああやっぱりこの仕事好きだー!!」って感じた。
頑張るや負荷をかけるがない形でこの先もできる限り続けたいって改めて感じることができた。
胸を切除しての下着について。
仕事復帰にあたって下着を新調。ワコールに「リマンマ」という乳がん専門の下着がある。予約制で個室で様々なブラジャーを試着させてくださる。ネットにもいろんな下着があるようだけど試着できるので「リマンマ」を選んだ。摘出してぺったんこになった胸のためのパッドも様々揃ってる。このブラジャーつけると胸の形が綺麗に作れる。
押さえつけない柔らかいパッドだと傷の部分が守られてる感があって私は心地いい。
「アピアランスケア」という助成金制度。
この言葉を知ったのも「リマンマ」で。
治療に伴う外見の変化に対して「医学的・整容的・心理社会的支援を用いて、外見の変化を補完し、外見の変化に起因するがん患者の方の苦痛を軽減するケア」を行うことが、“アピアランス(外見)ケア”、だそう。
市町村によると思うけど、医療用ウィッグや乳がん後のブラジャーなどの購入には助成金も出してくださる制度があるらしい。
私自身は乳房が片方ないことを苦痛とは思わないけど、パッドで整えるのは人と会う時のお化粧のようなものの感覚。相手の方に不要な違和感を与えない程度に外見を整えておきたいが、
新たな気づきをたくさんくれたこの胸の傷は生涯の大切な部分。体験も傷も私そのもの、隠すなんて自分に失礼だと思ってる。
退院後1週間目の外来受診で病理検査の結果を聞いた。
2箇所非湿潤がんがあり、その中に2mmの湿潤がんが存在してるのだそう。
ホルモン療法をするかしないか微妙なところらしいのでしない方を選択した。こまめに経過観察して万一見つかったら早期のうちに切除という選択。
ありがたい気づきの宝庫だったけどもう一回は遠慮したい。
その分自己管理がとても大切。
食事内容を変えてできる範囲だけど運動習慣を持つことで、体重が3キロ減り、血圧が上がりにくくなり、睡眠の質がとても向上している。まだ今の食事にして1ヶ月も経たないので諸々これからだけど、乳がんのおかげで今一番体の調子がいいように思う。
手術前一番悶々としていた頃に「大丈夫」って気持ちが切り替わったところから、本当に「大丈夫」の連続だった。
ずいぶん前、初めて瞑想のリトリートを主宰した際あちこち不手際が勃発する中、講師でいらした師匠が「明美さん大丈夫ですよ」「全て順調にいってますよ」と落ち着いた声で囁き続けてくださったのが思い出される。
どんな出来事も起きる事実に意味はない。ほんとうに意味もいい悪いもない。「いい悪い」や「意味」を持たせるのは人間の性。だったら良い意味を持たせていけばいい。どんな出来事も「あーよかった。あのおかげで…」って思える部分は必ずある。
人生思いがけないことの連続だけどやっぱり「全ては順調」なんだ。
思い出させてくれたこの体験に感謝。
10月末から2月の3ヶ月
過ぎてみればあっという間のこと。
長々と書いたけどとりあえず一旦終わり。
ここから食事も運動も日常になる。意識して行う、から当たり前のルーティンになっていく。再発のリスクが無いわけではないし、別に幾つかの病名ももらってる身。
これをギフトにして丁寧に自分と向き合う。
無理せず楽しく。
写真は最近迎え入れた沈丁花の鉢植え。まだしっかり固い蕾。もう少ししたら良い香りと共に春が来ます。
ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。
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