
乳がんの記録(ステージ1)⑧
手術後一日一日痛みが減っていき
可動域を増やしていけた。
ざっくり切ってるからもちろん痛みはあるけど気になるほどではなかった。
生まれて初めての入院生活。
(厳密には5歳の頃骨折で2週間ほど入院したことはある)
物珍しさと看護師さんのきびきびかつ優しい思いやりいっぱいの様子に感動しまくり。ユーモアもあり皆さん明るい。
朝起きて本読んだりラジオ聴いたり、リハビリしたり特に退屈することもなく規則正しい生活を送れた。外は寒波でどんより寒そうでも病室は25度。若干の乾燥を除くと快適。
順調にドレーンの廃液の量も減っていき
明日にはドレーンが外れますねー
外れたらその次の日は退院ですよ。
と言われたその日、
病室の中からコロナに罹患された方が出た。
一気に緊張が走る。
病室のドアは閉められ
窓を開け換気。
看護師さんたちは
あの頃よく見た防護服とゴーグル姿。
ちゃんとマニュアルがあるようで
慌てることなくサクサクと対応。
同室の私たちは濃厚接触者ということで
病室の中に隔離されることに。
最低限のトイレと洗面だけ許され
病室を出ることを禁じられた。
リハビリも防護服着た理学療法士さんと部屋の中で。
家族の面会はOKだそうだけど
夫には来ないでもらった。
病室のドアを閉めただけでしーんと静寂が広がる。外の様子がわからなくなり
なんとも言えない閉塞感。
食事も防護服着た看護師さんが運んでくれる。部屋に入るだけで毎回防護服。
大変なこと。
そんな中、…幾分喉が痛い気がする。
感染してたらどうしよう!ヤバい!!
慌ててユーカリの精油でケア。
緊急事態なのでティッシュに垂らして鼻輪にしてスーハー吸入。
だんだん落ち着いてくれて一安心。
部屋の乾燥が気になったので
タオルを濡らしてベッドサイドに。
植物の力は本当にすごい。
助かった。
そして、いよいよ退院の前日、
ドレーンが抜け晴れて自由の身に。
シャワー浴を許されて
手術後初めてお風呂場に。
自分の乳房のなくなった胸を初めて鏡で見た。
正直ショック受けるかな?と思ってたんだけど、意外なほど冷静で事実を受け止めれた。
術後一時期そうなるらしいのだけど
脇近くがぶよんと膨らんでてとても変な感じ。脇に何か挟んでる違和感。そこが気になるくらい。
説明受けた時に切除後の写真を見た時のようなショックはなかった。
これがとても助かった。
自分の現状を真っ直ぐ見れないかもしれない。乳房がないことを卑下したり隠したくなったりしたら困るな。
でも、こればっかりはその時にならないとわからない。
少し不安だったこと。
あっけないほど
自分の姿を受け入れれた自分に対して感謝。
これなら前に進める。
そして入院から七日後、
無事退院。
なのだけど
この日また同室からコロナが出て。
「退院しても数日は気をつけておいてください」
という言葉に送られながら病院を後にした。
入院中の食事はほんのり温かく
派手さはないけどバランスを考えた美味しい食事だった。飽きないように工夫されてて退院後の献立のヒントをいただいたような体験だった。
初日は薄味すぎて持ち込んだお塩を足してたけど、徐々に慣れて終盤はしっかり濃い味に感じてた。慣れってすごいなって思う。あまりお塩を減らしすぎるのも良くないと私は思っているので(上質なミネラルいっぱいのお塩の場合)そこだけは程々に。
普段食べてたよりたくさんの白米を3度3度いただき、(えー、糖質増えて太るかも)って思ったんだけど、お酒やお菓子おやつを摂ってなかったせいかむしろ体重は減。
野菜が60、動物性タンパク質15 炭水化物25くらいに感じた。もちろんこれは私が感じただけで正確にはわからないけど、今まで自分なりに野菜中心のつもりで食べてたけど、野菜の量は全然足りてなかったのがわかった。これは大きなギフト。
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