
IT導入補助金を活用して、デジタル化を進めよう!
こんにちは。
日本とフィリピンで活動している、ソフトウェア開発会社のYNSです。
「事務作業に時間がかかる・・・」
「IT化?DX?どこから始めればいいの?」
「システムを導入したいけど、大きな経費はかけたくない」
といったお悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか。
そのような方にぜひ知っていただきたいのが、本日ご紹介するIT導入補助金です。
IT導入補助金とは?
独立行政法人 中小企業基盤整備機構による補助金制度です。
中小企業や小規模企業を対象に、ITツールの導入を促進し、費用の一部を補助するものです。
ITツールを導入し業務効率化を図ることで、企業が今後直面する制度変更(働き方改革・賃上げ・インボイスの導入など)に柔軟に対応していくことができます。
宿泊業や建設業、医療現場、介護施設、卸売業など、さまざまな業界で活用されています。
IT導入補助金の大きな特徴は、IT導入支援事業者によるサポートのもと、補助申請やシステム導入を行う必要がある点です。
補助金の種類とそれらの違いは?
どんな種類があるの?
IT導入補助金には、3つの枠があります。
①通常枠(A・B型)
②デジタル基盤導入枠
③セキュリティ対策推進枠
この記事では、ソフトウェア導入に特化した、①通常枠と②デジタル基盤導入枠についてご紹介します。

※プロセス数:ITツールでカバーできる作業工程の数。後ほど詳しく説明します。

※複数社連携IT導入類型を除く
それぞれ何が違うの?
通常枠とデジタル化基盤導入枠の大きな違いは、導入可能なソフトウェアです。
▼通常枠(A・B型)
・さまざま業種や組織形態に対応したITツールが導入可能
▼デジタル基盤導入枠
・会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトの補助に特化
・PCなどのハードウェアが導入可能
通常枠では多様なソフトウェアが補助対象となるため、自社に合ったITツールを導入したい方におすすめです。
デジタル基盤導入枠では、補助対象のソフトウェアは「会計・受発注・決済・EC」の4種類に限定されますが、補助率が通常枠に比べ高いのが特徴です。
また、PCやレジといったハードウェアを導入したい場合、デジタル基盤導入枠のみ補助対象となります。
対象者は?
中小企業・小規模事業者が対象となります。
卸売や小売、運輸、医療、介護、製造、建設、飲食、宿泊、保育、その他サービスなど、業種を問わず申請が可能です。
中小企業の定義は、資本金や従業員数によって区分されています。
この定義は業種や組織形態よって異なりますので、詳しい情報はこちらをご覧ください。
どんなツールが対象?
IT導入補助金では、事務局より認定を受けた「労働生産向上に役立つソフトウェアおよびハードウェア」が補助対象になります。
これらを総称して「ITツール」と呼びます。
補助対象には、ソフトウェア本体の費用だけでなく、
・ソフトウェアの機能を拡張するための費用
・導入支援・研修費用
・保守運用費用
・ハードウェア導入費用
なども含まれます。
ソフトウェアの導入は、通常枠・デジタル基盤導入枠ともに必須となります。
下記表は、導入可能なソフトウェアの一覧です。
「プロセス」と呼ばれる、業務上の工程によって分類されています。

「プロセス数」とは、ITツールでカバーできる作業工程の数を意味します。
例えば、「顧客対応」と「決済」ができるシステムを導入する場合は、プロセス数は2となります。
通常枠・B類型で申請する場合は、上記表にあるプロセス①~⑦のうち、4つ以上の機能をITツールに持たせる必要があります。
申請フローは?
以下は主な申請の流れです。
▼IT導入補助金の代表的な申請フロー
1.補助金の対象者や概要についての理解を深める。
2.ITツールやIT導入支援事業者を選択する。
3.IT導入支援事業者のサポートのもと、申請を行う。
4.補助金交付の決定後、補助事業(ITツールの導入など)を実施する。
5. 補助事業の実施後、実施報告を行う。
6.補助金が交付される。
ここで、申請時の主な注意点をご紹介します。
▼申請時の主な注意点
・gBizIDプライムを取得すること
(※gBizID・・・行政手続などにおいて、法人を認識するための仕組み。取得した1つのIDで、政府・自治体のさまざまな法人用オンライン申請に共通で利用できる。取得に1か月ほどかかる。)
・IT導入支援業者による支援のもと、申請すること
・補助事業の開始は、交付決定後に行うこと
(交付決定通知前に契約してしまうと、補助対象外となる)
・通常枠・B類型は、賃金の引き上げ表明が必須であること
申請期限は?
IT導入補助金は、一年間に複数回、応募締め切り日が設けられています。
スケジュールは随時追加・更新されますので、最新情報はこちらをご覧ください。
IT導入支援事業者の選定や、gBizIDプライムの取得など、時間を要する準備があるため、余裕を持った申請をおすすめします。
ITツール、どれを選べばいい?
「生産性を向上したいけど、どのツールを導入すればいいか分からない」
という方はぜひ、こちらをご覧ください。
業界ごとのよくある悩みと、それらを解決するツールを確認できます。
ここでは、通常枠の活用例を2つご紹介します。
【具体例① 小売業】
▼導入前のお悩み
建材販売業を営む企業では、事務担当者の交代による業務の遅れが発生していた。また仕入価格が日々変動することから、仕入単価の推移把握が難しくなっていた。
▼導入したITツール
販売管理システムを導入し、発注や仕入、支払や顧客管理を一元化。
▼導入効果
仕入単価の推移把握が容易になった。加えて、得意先の需要予測や仕入先の選定最適化など、収益に直結するデータを収集できるようになった。
【具体例② 訪問介護業】
▼導入前のお悩み
事務作業が煩雑になり、既存システムでは対応しきれなくなったことで、スタッフに業務負荷がかかっていた。
▼導入したITツール
業界専用の業務効率化ツールを導入。
ITタグにより、サービスの開始・終了時刻などをデータで記録可能に。
▼導入効果
サービス履歴がデータ化されたことで、記入漏れなどのヒューマンエラーがなくなった。また、請求システムと連動したことで、これまで手作業で行っていた請求業務や給与計算業務が大幅に短縮された。
IT導入支援事業者の選び方は?
IT導入支援事業者は、補助金申請からシステム導入まで、一貫して申請者のサポートを行います。
支援事業者によって扱うことのできるツールが異なるため、導入したいツールを検討し、そのツールに対応できる事業者を選ぶことをおすすめします。
公式サイトのIT導入支援事業者・ITツール検索より、適切な支援事業者を検索することができます。
まとめ
本日はIT導入補助金の概要や申請フロー、導入可能なシステムの例をご紹介しました。
申請にあたっては、IT導入支援事業者が二人三脚でサポートを行います。
申請に必要な書類も、比較的容易に準備できるものが多いため、他の補助金より申請の難易度が低いと言えます。
この機会にIT導入補助金を活用し、デジタル化を進め、業務効率化や生産性向上を実現してみてはいかがでしょうか。