「蕎麦の川」と「半魚人」
『ハンギョドンみたいね。』
清々しい朝に、清々しく奥さんは言いました。
寝起きのあたまの中『ハンギョドン』という言葉がすぐに記憶と像に結び付かなくて、僕の頭上には「読み込み中クルクル」が表示されています。
ハルマゲドン(世界は今日で終わりね)?
ちがう。こんな爽やかな朝にそんな魔女の様なことをいう伴侶ではない。
西郷どん(鹿児島行きたいわ)?
ちがう。カゴンマは好きだけど、そんな暗号みたいな言い方したことない。
ステーキのどん(今日はお肉の気分だわ)?
ちがう。そもそも語感が異なっている。しかし行くのはやぶさかではない。
半魚丼(吉野家の新作、牛と魚の相盛りよ)?
というところまできて、ピーン!と思い立ちます。
は。ギョロ目のたらこくちびる!サンリオかッ!
御名答。
彼女は、二日酔いでむくみまくったまんまるパンパン顔に、ねぐせがヒレのようにキマっている僕の姿を見て『ハンギョドン』と形容したのでした。
見方によっては、かわいく見えなくもない。ような気がします。ファミコンソフト「サンリオカーニバル」ではよく遊びましたしね。
ええ。悪い気はしません。
ほら、スーパーファミコン版ではハローキティ、ケロケロケロッピを差し置いて、真ん中を陣取っているじゃないですか。
ええ。悪い気はしません。
さて、与太話もほどほどに。
写真は「神田まつやさんのかけそば」。
二日酔いのお昼に無性に食べたくなるんですよね。あつあつに「ゆず七味」を振って、ハフハフ言いながらすすり上げる。最後にだしをひとすすりして、鼻をズビっとかむ。
暖簾をくぐり、風に当たれば二日酔いも半分くらい退散しているものです。
ああ、お蕎麦が食べたい。
それでは、また明日。
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