「焼き味噌」と「僕はここにいる」
「こらこら。テレビばっかり見てないで、塗り絵やレゴとかでも遊びなさいよ。何のためのオモチャの山かっ!あ、そうだ、なんなら公園でも行こか!ね!ん、アレ?おぉーい、どこ見てるのー!父さんはここだよー!無視はやめてー!父さん傷ついちゃうよー!おーい!」
と、いうことで。
子どもにとっては物心ついた瞬間から、インターネットが生活の隅々にまで張り巡らされていたわけで。ピョっとボタンを押しさえすれば、ネットフリックスやディズニープラスが膨大なアニメーション作品を「見たい時に見たいだけ」テレビに映してくれるんです。
テレビの前で正座して、今か今かとドラゴンボールZが始まるのを待っていた僕たちとは、感覚が決定的に違うんでしょうね。子どもからしたら「なんで取り上げられなあかんのや。」みたいな気分なのかもしれません。
しかし親としては、手足を動かしてあたまを使って「自分で楽しみを見いだす」能動的な娯楽感覚を身につけて欲しいですもんね。アナログ父さんの悩みは尽きません。ひたすらにプレゼンあるのみなのでしょうけれど。
しかし、こないだの子どもの切り返し。
あれには背筋が凍ったなあ。
「じゃあ、パパはビール飲んじゃだめ。」
なッ。それだけは。それだけは。
後生だから勘弁しておくれ。
さて、与太話もほどほどに。
味噌と蕎麦の実、かつぶしと薬味をねって焼いた酒肴。おっそろしく美味しいですよね。お酒を吸い込んで、そこで「あじ」が完成するような一体感。これがお盆にチョンと出てきた日には、のんべえはひとたまりもありません。(むろん、僕もなすすべもなくやられました。)
焼き味噌と日本酒のまえにすると、ペアリングという考え方が霞んでしまうほど魔術的な「分かち難さ」みたいなものが漂っていると感じてしまいます。なんなのこれ。考えた人にぜひお礼を申し上げたいです。
トップの写真は「鯨家 いすず庵」さん。福岡は六本松の清喜ひとしなさんにて間借り営業中にいただいた焼き味噌です。おいしかったなあ。
すこしずつですが、のんびりお酒を楽しめる世の中が戻ってきたように思われます。予定がぽこっと空いた昼下がり。蕎麦屋の一角でのんびりと焼き味噌とぬる燗と、洒落込みたいものですね。
本日もお読みいただきまして、
ありがとうございます。
それでは、また明日。