「すずめサミット」 と 「そぼろ丼」
やたらとスズメが集まる木がある。あれはどうしたことなのだろう。ほかの木には目もくれず、一つの木に大挙して止まっている。ああも集まるということは、何か理由があるのだろう。木の実でも成っているんだろうか。特別に止まり心地の良い木なのだろうか。
鳴き声もすごい。チュンチュン、チュンチュンなんて生やさしいものではない。切れ目なく鳴き狂っているので「チュオゥワァァァァァーー」である。もはや小動物のそれではない。得体の知れないノイズといったほうが印象が近い。
1ヶ所に集まり、声を上げて何事かを話し合うすずめたち。もしやこれは、会議なのではないだろうか。木の会議場へと集まり、すずめ一族の輝ける未来のために、侃侃諤諤の議論を戦わせる。
「すずめサミット」
会議の内容はおそらくこうだ。
「一昔前の木造住宅に比べ巣作りがしにくい昨今の市街地でいかに住みかを確保していくか」「田んぼ、小虫の減少に伴う、食糧難について」
すずめは20年前に比べて個体数が30%も減少しているという報告がある。(NPO法人バードリサーチの調べ)このままいくと絶滅危惧種の仲間入りさえ視野に入ってくるとされている。
「このままではまずい」「手を打たなければ」危機感が募りに募って、議論が加熱。そして例の、得体の知れないノイズが生み出されるのに違いない。
「チュオゥワァァァァァーー」
と、昨夜はすずめの窮状に思いを馳せながら、焼きとりを食べた。トップの写真は「そぼろ丼」。福岡の名店「鳥いち」の〆の一品。
すずめには悪いけれど、私は焼きとりが大好きだ。
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それでは、また明日。