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「本当のししゃも」と「入れ歯」
半年ぶりに会った祖母は、ずいぶん小さく老け込んでしまったように見えた。身体全体のサイズが落ちているのは確かだが、以前にも増して顔がしわくちゃに見え、ことさら老いを感じさせるものがある。
「やあ。お祖母さん少し痩せた?体調はどう?」
「ありがとねえ。お前はやさひいねえ。わたしにやさひくしてくれるのなんかもう地球上でお前くらいのモンだよ。ああうれひい。」
「いや、スケールが大きすぎるよ。」
「でもねえ。近ごろはもう歩くのもおっくうになっちゃってねえ。だからね、チャリンコ乗ってるの。ふふふ。」
「自転車、乗ってんのかい。元気じゃないか。でも、くれぐれも転ばないように気をつけてね。」
「ウーン大丈夫よ。ありがとねえ。そうだ、忘れてたよ。入れ歯、入れ歯よ。恥ずかひいわあ、ファッハハハ。」
ガポッと入れ歯をはめるとシワが伸び、心なしか背筋もしゃんとして、いつもの祖母が帰ってきた。入れ歯にはまだ解明されていないアンチエイジングパワーが宿っているのかもしれない。
さて。与太話もほどほどに。
トップの写真はししゃもです。
最近知ったのですが、本来「ししゃも」というのは北海道南部の太平洋がわでしか獲れないお魚で、世の中に出回っている多くのししゃもは外国の海で獲れた「カラフトシシャモ(キャペリン)」なのだそうです。いっしょくたにされてますが別の種類のお魚なのですね。
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縁があって北海道の本ししゃもを焼いて食べる機会に恵まれたのですが、これがめっぽうオイシイ。身が、卵がふっくらしっとりしていて、この小柄なボディに見合わぬ(そんなことを言ったら本ししゃも殿に失礼ですが。)上品な香りが漂っているのです。
北海道ぎょれんの公式通販サイトでも1匹200円はくだらないという、なかなかの高級魚っぷりですが、お試しいただく価値はおおいにあるとぼくは思います。
ああ、本ししゃもには淡麗で余韻のうつくしいお酒が合いそうですね。新潟の蔵元「越銘醸」が造る日本酒「山城屋スタンダードクラス」なんてどうでしょうか。
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『生酛仕込み』『純米大吟醸酒』『中取り』『生詰め酒』というこだわりが詰まったお酒。透明感あるスッキリとした口当たりと米の旨味のバランスが素晴らしい一本。香りに柑橘系のニュアンスが走りますのでレモンを搾りたくなるお魚には無類の相性の良さを見せてくれます。
ご機会がありましたら是非お試しいただきたい組み合わせです。
きょうもお読みいただきまして、
ありがとうございます。
それでは、また明日。