「玉手箱」と「癒しの日」
「なむだいしへんじょうこんごう」
お経を聞いていると心が安らぐんですよね。耳を澄ましていると旅立った親族のとの記憶、あわただしい日常に埋もれて忘れかけていた懐かしい思いがよみがえります。
「ぽくぽくぽくぽく……こぉーーぉぉ………ん」
このリズムがまた良い。規則的な木魚のビートとけいす(例の上を向いた鐘)の余韻の波が心拍数を下げてリラックスした気分にさせてくれます。もう心地よくて眠いです。ここだけの話、ちょっと意識とびました。おしょうさん、ごめんなさい。でもちょっとだけです。
上着についたお香の香りで、帰り道もやさしい眠りに誘われる。僕は法事の日にはある種の癒しを感じてしまうのです。
さて、与太話もほどほどに。トップの写真は都電荒川線の小台停留所にほど近い「うなぎ あら川」さんのうな重です。法事の会食で初めての訪問しました。
玉手箱(お重)をあければ、ふんわりあがるお米の湯気。甘辛いたれが焼かれたこうばしい香り。わが身に迫る絶対の予感に心が高鳴ります。
このひとは、きっとわたしのことを幸せにしてくれる。
箸で突くとほろりとくずれるほどにふるふると柔らかく蒸され焼き上げられたうなぎ。その裏には熱々の白飯ですから、ひとたまりもありません。粉山椒を多めにふりかけたなら、やけど覚悟でかきこむのみ。
あなたに会えてほんとうに良かった。
嬉しくて嬉しくて言葉にできない。
そんな気分にさせてくれるうな重でした。
今日もお読みいただきまして、
ありがとうございます。
それでは、また明日。