「谷中しょうがとシャンパーニュ」 と「渋谷フェスティバル」
ニュースではこのところ都会や行楽地の人出を報道している。あすこは人が多かった、こっちは少なかった。云々。
見流しながら、ぼんやり思い出していたのはバンド活動を始めたての頃(17、8くらいだったか。)秋田から上京してきたメンバーと山手線で渋谷へと向かっていた時のことである。
走行中、席を立った彼は「便所行ってくるわ!」と朗らかに言い残し、隣の車両へと向かっていった。僕は呆気に取られて見送るが、数秒後に気づく。
「おい待て。山手線にトイレはねえぞ。」
心なし沈んだ面持ちで戻ってきた彼に聞くと、日頃より利用していた五能線にはトイレがついていたらしい。さもありなん。
そしてJR渋谷駅、ハチ公口にて。
人波うねるスクランブル交差点を目の当たりにした彼は真剣なまなざしで、
「今日は祭りか?」
そうだよ。エヴリデイお祭り騒ぎ。
毎日がスペシャルだよ。
人、多すぎだよなあ。シブヤ。
と、純朴の時代を思い起こしていたのです。
さて、与太はどうでも良いとして、
アノ野菜がついに旬を迎えました。
いよぉ!待ってました!谷中しょうが!
味噌つけてかじれば、あら不思議。
ハイ!この通りお酒が消えましたぁ!
オカワリ!
という塩梅で、谷中しょうがはてっきり日本酒(もしくはビール)のイリュージョンの世界だと思っていたのですが、パリ在住の友人によると
「谷中生姜にはね、シャンパーニュよ」
とのこと。
うーん確かに。しょうがのニュアンスを持ったシャンパーニュを合わせたら大変相性良さそうですね。
「おちおち外食も出来ないこんな世の中じゃあ!フンパツじゃあ!」
ということでここはひとつ、薄暮の涼風を感じながら「シャンペン谷中しょうが」と洒落込んでみるのも一興ではないでしょうか。