「たまごごはん」と「いとしの町中華」
チャーハンではなく、やきめし。
「やきめし」が食べたい時があるのです。
のれんをくぐれば
「カンッカカンカンッ」なべを振るサウンド越しに、けだるめの「いらっしゃいませぇー」。
ちょっとぬるっとする床。
いささか効きすぎのクーラー。
座面がぺちゃっとした赤いイス。
年季の入ったマンガたち。
無造作に積まれた新聞と週刊誌。
やや険悪なムードのオヤジさんとムスコさん。
奥さんのほどよい愛想のなさ。
(こちらも気を使わずに済む)
「やきめし、お願いします。」
立派なチャーシューではなく、ハム。
みじん切りの玉ねぎとニンジン。
そして紅白のかまぼこ。
お米はパラパラではなく、
しっとりモイスチャー。
かたわらには、
とどめの福神漬けが添えられている。
あつあつをかきこむ。
毎日行くからわかる。味のブレ。
許容範囲いっぱいに元気いっぱいにブレている。
それも一興とばくばく食べて、
セルフサービスのお水を飲み干す。
「ごちそうさまでした。(今日は好みの感じだったな。)」
そうして、
ささくれだった心を癒し、戦場へと戻っていく。
たしかにピカピカに磨き上げられたカトラリーでいただく「精緻で美しい料理」や、活気バリバリの店内でいただく、「とことんシズりあがったハリキリ料理」は気分がアガる。
しかし幾分くたびれた店内でいただく、おいし過ぎない料理(こういったら失礼かもしれない。愛ゆえ、許してたもれ。)も心落ち着くものなのである。
大事なのはバランスなのです。
フォースにバランスをもたらす「癒し系町中華」。
昨今の世知辛い情勢に揉まれて、そんなお店がなくなってしまわないことを切に祈るばかりです。
さて、与太もほどほどに、料理の話をしましょう。
人生35年、どんな時も想い続けてきた
「たまごごはん」
いろいろ試してきたけれども、ここところはこの食べ方で定着してます。今日はそんな食べ方をご紹介。
さあ、ごはんとたまごを用意しましょう!
①茶碗半分のごはんに、たまごの白身を入れる。
②まんべんなく混ぜたら醤油をたらり。
③黄身を入れたらすすすっとはしを回して、白と黄色のマーブル状態を作ったらオリーブオイルを、ちろっと。
完成!
一口ごとに黄身の配分が変わるので、食べ飽きないんですね。オリーブオイルでのど越しも滑らか。
何杯でもいけちゃいます。
お気に入りのたまごで是非お試しください。
それでは、また明日。