「ししゃもの旦那」と「そらみみ」
最後のニュース。
言わずと知れた井上陽水さんの名曲をOAUというバンドがカヴァーして歌っています。僕は何を隠そう井上陽水さんのファンであり、OAUのヴォーカルTOSHI-LOWさんのファンであり、最後のニュースのファン。
それを知る奥さんがライブ動画の存在をお知らせしてくれて、昨夜の夕飯後に鑑賞していたのです。魂の叫びとはこのことか。と、心を揺らす素敵な演奏に感嘆の息を漏らしていると、奥さんが、
「歌詞を、すこし替えて歌っているところがあるでしょ。こびとナインティーンって。気づいた?」
「え?全然気づかなかったよ。どこの部分だろう。こ、こびとナインティーン?」
なんだ、なんだ。こびと、ナインティーン?7人のこびと、ではなく19人のこびと?多すぎる。それは多すぎる。まるで小学生のサッカーの試合じゃないか。白雪姫が目を回してまた寝込んでしまう。19人のこびと。それとも何かの暗示だろうか。どういうことだ?
混乱しかけている僕の頭の中では19人のこびとがところ狭しとあちこちにツルハシやシャベルをふるい、木を切り倒し、やぐらを組んでいそいそと祭りの準備に取り掛かっている。リーダー格のこびとが僕に向かって、
「あとはお酒とご馳走の用意だな!おいご主人!とっておきのやつを出してくるんだ!出し惜しみはいけない。わたしらは何でも知っているんだぞ!」
と、いやに高圧的な態度で脅しをかけてきたところで、奥さんから助け舟が。
「covit-19。新型コロナウイルスのことよ。」
「ああ、なるほど。」
おかげで夢の国から帰ってくることができました。
ほんとうによかった。
さて、与太話もほどほどに。
トップの写真は「ししゃも」です。
みなさんご存知の通り「子持ちししゃも(奥さん)」は美味しいです。しかし今回は「オスのししゃも(旦那さん)」にスポットを当ててみたいと思います。
焼き魚ったら、やっぱ直火っしょ。ということで我が家の秘密兵器、セラミック焼き網(何の変哲もありはしない。)でこんがりやってみました。
つぶつぶが沢山で華やかな味わいの奥さんとは一味違う、いぶし銀な味わい。噛み締めれば噛み締めるほどに味わいが滲みでます。
湯気のたつコーヒーの向こう側で、いつも眉間にシワを寄せていつも新聞を睨んでいる。口数は少ないけれど、ときどき交わる視線からは心根の優しさが自然と伝わってくる。アリエッティのお父さんのような味わいです。
これはねえ、日本酒ですな。派手な香りはないけれど、物静かでじんわり旨味が座っているようなやつが良い。
滋賀県のお酒、松の司の生酛純米酒なんてどうでしょうかね。
(松瀬酒造公式ホームページより)
スムーズな飲み口で、すぅーっと喉を滑り落ちる。のどの奥の方から「じんわー」っと体に染み込んでいく。これが良いお酒なんですよ。奥さん。焼き魚、煮魚、煮物。にっぽんの家庭料理に抜群に合う。抜群に合う。納戸に一本常備しておきたい銘酒です。
僕の縁の住吉酒販はもちろんのこと、大手の和酒専門店さんで取り扱いされてありますので、ぜひお試しいただきたいものであります。
本日もお読みいただきまして、
ありがとうございます。
それでは、また明日。