「あなたが勉強する目的は?」と問われて、なんと答えますか?
実は、本年3月にある芸術系の大学を卒業しました。
現状の仕事もしながらなので、通学は無理なので通信課程のある大学の中から選びました。
40年以上前に4年制大学を卒業していますので、3年時からの編入学になりました。
本来は2年で卒業できますが、もっと勉強したかったので、あえて卒業単位は満たさないようにギリギリにしておき、1年余計に勉強しつごう3年で卒業しました。
このことを若い友人男子に話しましたら、こんな質問が返ってきました。
「行く末は何かを見据えているんですか?」
「なにかそれでビジネスでも始めるんですか?」
「画廊でも始めるんですか?」
多分そんな質問が来るだろうなと思ってました。
彼の質問の意図するところは、なんだろうと考えました。
・卒業資格が必要?
・何か絵を描いて売りたい? などなど・・・
なんか、ある意味において打算的な発想の質問です。
大学は出ていますので、「芸術士」の卒業資格は特には必要ありません。
そういう業界で働いているわけでもありませんから、何かの欲に立つ
わけでもありません。
何か絵を描いて売る?
まだそんなところまでは考えていませんし、実技はない学科だったので
絵はまったく書いていません。
では何をしたかったのか? 簡単です。
ただただ美術や芸術の勉強がしたかったからです。
それを彼に言ったら、「いいですね」と言ってましたが、少しばかりの疑問は感じていたようです。
私は、西洋美術史・日本美術史・東洋美術史、仏教美術、キリスト教美術、またデザインの勉強をし、美術館・博物館へ行き、絵画や歴史あるもの見る。
そしてそのうち気が向いたら日本画を描いてみたい、そんな思いからの、
芸大入学なのです。
誰かと競争したり、自慢したりするためのことではありません。
そんな私の思いを代弁してくれるかのように、過日朝日新聞の
「明日へのLesson」というコーナーで、あの有名なハーバード大学の
マイケル・サンデル教授が語っていました。
註「2021年5月13日 朝日新聞デジタル 朝刊20ページ」
そうなんです。
格好よくいうと「知的探求」なのです。
まだ、私は69才です。勉強したいこと、やりたいことはたくさんあります。
ちなみに私の母は96才で、まだまだピンピンしています。
最近では描いた絵を出品し、5年連続で「入選」の賞をいただいています。
「その上の「入賞」を取るまでは死なない」と言っています。
おそらく、100才までは続けるでしょうね。
勉強は、人と競争するためにするものではありません。
前にも書きましたが、勉強は「自琢(じたく)」です。
生涯自分を磨き続ける、ということです。