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ポスターの向こう側
久々に来た常連客が
「店長コレいけるかな?」
おもむろに箱から取り出した白い束。目に飛び込んできたのは山積みのポスターだ。全て封がされてて、何が描かれているのかは分からない。
ぽ
す
た
ー
だ
イヤな予感しかしない。
買取のため20本全部開けるのかワイが…
まぁそれが仕事なんですが。古本屋店主には予感ってあるんですよ。
一本一本手に取って開けると、アイドル、ネギッコの姿が次々と現れる。
店主は現在のアイドルに詳しくない、むしろ苦手かもしれない。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157130089/picture_pc_d3122f50bb514726900364f444854669.jpg?width=1200)
昔、焼き鳥屋で出会った頭の薄い、いや…ほぼ坊主のオジサマの姿が頭をよぎる。店で居合わせた彼は情熱を持ってネギッコについて語り、まるで説教のように熱心に解説してくれた。その時間は長かったけれど、妙に心地よかった。あの笑顔と、少し誇らしげに語る様子が今でも鮮やかに思い出される。
「あのオジサマ、まだ元気でいるだろうか。」
そう思うと、不思議と暖かい感情が込み上げてくる。無駄話のようで、実は心に残る会話。その時は気づかなかったけれど、近所で起こる出来事は一瞬一瞬が貴重な思い出かもしれない。
ネギッコのポスターを人差し指で巻き戻しながら、過去の時間を手繰り寄せるように、あのオジサマを思い出した。いつかまた、焼き鳥の香りが漂うあの店で、彼に会えたらいい。
❤のイイネが原動力なのでオシテネ><
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