シンデレラの日に思い出す白塗りの恐怖
今日は1月5日、シンデレラの日です。
シンデレラといえば、ガラスの靴を履いた童話の主人公? それともモナコの王子と結婚したグレース・ケリー?
いえいえ、これを読んでいる皆さんにとってのシンデレラはきっと…
LAメタルではないでしょうか。
ド派手なメイク、白塗り、そして悪そうな音楽。そう、私たちのシンデレラはあのLAメタル・バンド「Cinderella」。派手で自由な音楽が思い出されます。
そんなシンデレラの日に思い出すのは…
平日の昼下がり、当店の店内は静まり返っていました。私はいつものように、本を棚に並べていました。お客さんも来ないし、今日はのんびりだなぁと思いながら棚の角を曲がると…
「ギョギョ!」
思わず声を上げてしまいました。
だって、いないはずの棚の陰に人がいたのです。驚きで心臓が止まりそうでした。女性は落ち着いた様子で私に言いました。
「そんなに驚かなくてもいいじゃないですか」
(いやいや、驚くでしょ‼️ )
倒れた店主が見上げた瞬間、今度は辛うじて心の中で 「ギョギョ!」と叫びました。
その理由は――彼女が白塗りだったからです。
( 危険だ危険だ…刺激しないようにしよう…店長センサー発動ダ‼️)
そして彼女は続けて一言。
「すいません、こちらってアルバイト募集していますか?」
「ギョギョ!」パリーン‼️(店主の脳が破壊された音)
聖飢魔II、人間椅子なみに顔を白塗りでアルバイトの応募に来るなんて、一体どういう状況なのか…?
とはいえ、もしかしたらライブの帰りかもしれないし、特別な理由があるのかもしれない。私は恐る恐る聞いてみました。
「きょ、今日は何かイベントがあったんですか?」
すると彼女は、にっこり笑って言いました。
「いえ、何もございません。」
平日の昼間、何もない日に白塗り。完全に趣味です。言葉使いなどたおやかでしたが丁重丁重にお断りしました。ただ、正直少し悩みました。白塗りのスタッフが働いていたら、それはそれで私の気持ち的にも面白いかもしれないと…。でも、メイン客層のおじいちゃんおばあちゃんを驚かせてしまうことは間違いない。きっとクレームも来るでしょう。
今から10年前の話です。
時代は変わり、多様性がもっと受け入れられるようになった今なら、雇っていたかもしれません。「白塗りのスタッフが働く古本屋」としてSNSで話題になったかもしれないし、LAメタルやゴシック、デスメタル好きが集まる隠れ家的な店として知られるようになったかもしれません。
そう、今でもたまに思います。
あの日、彼女が働き始めていたら、この店はどんな風になっていたんだろう、と。
そんなことを考えながら、本を棚に並べる今日この頃です。
白塗りのシンデレラも、きっとどこかで輝いていることでしょう。
おしまい。
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