バギクロス
タイトルの通りです。
感謝してまぁ〜す⤴︎︎︎⤴︎︎︎⤴︎︎︎
主人公:遠藤さくら 演劇部に入ってあれやこれやするお話です。 色んなグループのメンバーが出てくるので是非楽しんでね。
ヘッダーはもう適当に決めたので気にしないでください。
雨が降り続きジメジメと湿った夜。 俺は傘を差しながら携帯電話を取り出す。 すぐにコール音は途切れる。 そして、電話の向こうから優しい声が聞こえる。 『もしも〜し』 「あ、玲さん、もうすぐ着きます。」 『はーい。』 それだけのやり取りの後、電話を切る。 そして、俺の歩幅は小さく速くなる。 この雨の日特有のアスファルトの湿った匂いが嫌いだからということにしておこう。 マンションの入口に到着するとすぐにオートロックが開く。 「やっほ〜○○くん、いらっしゃ〜い。
僕は幽霊。 君の目には映っていない。 この一途な想いだってちっとも届いていないんだろう。 でも。 それでも。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 僕は放課後が嫌いだ。 自分が独りぼっちだと判ってしまうから。 『カラオケ行こうぜ〜!』 『あ〜バイトだりぃ〜!』 そんな言葉にもたれかかって、僕はゆっくりと歩き出す。 向かうのは下駄箱じゃなく、いつも通るこの道。 『保乃行くよー!』 『ちょっと待って〜!』 体育館へと続く渡り廊下。 保乃と呼ばれる
お前の零した言葉は、嘘か本当か。 誰かを演じ続けている自分に今、問い掛けた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「プハー!…うまっ!」 学校の昼休み、私は購買で買った牛乳を飲みながら言う。 「いや、普通の牛乳じゃん。」 友人は半ば呆れたように笑っている。 「ノンノン。わかってないなぁ。学校という特別な場所で飲むから美味しいの。わかる?」 「……全然わかんない。」 「ウソ!?」 「純葉ってさ、悩みなさそうだよね。」 「アハハっ!よく言われる!」
今日は週末。所謂華金というやつだ。 冴えない新人サラリーマンの俺にも、密かな楽しみがある。それは… 『いらっしゃい!…って、○○ちゃんか!いつもの席空いてるよ!』 「あざっす!」 行きつけの呑み屋で、疲れた身体に生気を流し込むのだ。 一度会社の先輩に連れてきてもらったのだが、すっかりこの店を気に入ってしまい、毎週金曜日の仕事終わりに立ち寄っている。 「とりあえず生で!」 『あいよ!』 もう大将に顔も名前も覚えられているのだ。行きつけといっても差し支えないだろう
重苦しい沈黙が俺たちの喧騒を支配する。 「………。」 「………。」 わからない。 今日は彼女のひかるといつも通りデートにやってきたのだが。 見るからに不機嫌な彼女。 一体、何に怒っているのか皆目見当もつかない。 「…ねぇ、ひいさん?」 「……何。」 「あぁ、いや。何も。」 「…あっそ。」 考えろ、考えるんだ。 今までもこんな事は何度も経験してきた。 そんな時は大体、俺の不用意な発言で彼女の機嫌を損ねてしまっていたはず。 俺は、今日会ってから今までの
『○○く〜ん!』 安らかな夢の半ば、柔らかな声で絵が滲む。 「んぁ?麗奈?おはよ。」 「おはよ〜。」 寝ぼけ眼を擦りながら、ひとつ伸びをしてみる。 「○○くん、お誕生日おめでとう!」 すると、満面の笑みで麗奈が俺の鼓動を捕まえてくれた。 「あ、あぁ。そっか、今日か。」 「ね〜、私の誕生日からあっという間だったね〜。」 先月の麗奈の誕生日には、少し高いディナーを食べに行った。 サプライズでケーキも用意して、麗奈は涙を流して喜んでくれた。 「誕生日といえば、
私の人生に台本なんていらない。 だって、皆が驚くような展開なんてないから。 私の人生に吹き替えなんていらない。 だって、皆が思っているより単純な感情で生きているから。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『小島!ちょっといいか?』 放課後のチャイムと共に、私は担任から声を掛けられる。 『すまん、これ明日でいいから皆に配っておいてくれんか?あと、進路希望調査表出てないやつにも声掛けといてくれ。』 「わかりました!」 私は目一杯の笑顔で応える。 クラスの
「む、村井さん!!!お、お、俺と付き合ってくれませんか!?」 俺は今、一世一代の大勝負の最中だ。 入学してからこれまでずっと密かに想いを寄せていた村井さんに、告白をした。 今日は1学期の終業式。明日から夏休みなので、夏の思い出を村井さんと沢山作るのだ!!! ……って、緊張して全然村井さんの顔見てなかった! 今、どんな顔してる!? 俺は急いで村井さんの顔を見た。すると。 村井さんは分かりやすく口をポカンとして俺の方を見ていた。 しかし、すぐに。「あ〜!」と納得し
「フンフーン♪」 俺は鼻歌を歌いながら素麺を湯掻く。 こんなにもご機嫌なのは、そろそろ愛しの彼女である優月が仕事から帰ってくるからだ。 交際を始めたのは高校生の時。 就職した後は将来の為に同棲を始めた。 基本、夕食は早く帰ってきた方が作るのだが。 仕事の出来る優月は若くして様々なプロジェクトを任されており、帰宅が遅くなることがしばしばある。 そして夕食が完成に近付いていると、ドアの開く音がした。 「あ、優月おかえりー。」 俺は手を拭くと、優月の方へと歩みを進
夕焼けの下、アスファルトを鳴らすメロディーが4つ。 過去と未来の通り道で歌っている。 「おーい、芽依!走ると危ないぞ!」 「へへへ〜大丈夫~」 前を走る小さな女の子に追いつこうと、俺は重いエコバッグをぶら下げ走る。 「あ!見て○○!猫がおる〜!」 「ホントだ。首輪してないから野良猫かね。」 「にゃ〜」 「…ったく、ほんとに大丈夫か?これから芽依はお母さんになるんだぞ?」 「へへ、楽しみやなー」 妻である芽依は、少し膨らんだお腹を擦りながら微笑む。 「あと
「う〜〜〜ん。」 俺は一人部室で唸っていた。 大学生になり、憧れだったバンドサークルに入部。 俺は花形のボーカル志望だったのだが、仲良くなった同級生の方が顔も良いし歌も上手いので断念。 結局やったこともないドラムを担当することになったのだが。 いかんせん初心者で基本のビートも刻めないのでなかなか上達しない。 「これがこうで…ん?これ手どうなってんの?」 講義の空きコマを使って練習を続けているが、この調子では来月の定期ライブに間に合う気がしない。 「やっほー。あ
そんな顔で私を見んといて。 ねぇ。 だから、そんな優しい顔でうちのこと見んといて。 うちが泣いてるんはあんたのせいやのに。 『ひかるって可愛いしどっかに飛んで行ってまいそうやわ。』 『も〜それどういう意味?うちがちっちゃいって言いたいん?』 『ちゃうよ!なんか、羽根でも生えて遠くに行ってまいそうやなぁって思って。あ、ちっちゃいのはほんまやけど。』 『あ〜!またちっちゃい言うた!』 何気ない会話を思い出した。 いっつもいらんことばっかり言うくせに。 いっつも
喧騒の中で、ページを捲る音だけが聴こえる。 今日は彼女の麗奈とデートの予定...なのだが。 思ったよりも早く集合場所に到着した俺は、駅前のベンチに座って小説を読んでいる。 いつも時間ギリギリにやってくる彼女に、「もう着いたから待ってるね。」とだけ連絡を入れておく。 すると彼女は文面でもわかるくらい焦っているが、「大丈夫だよ、気を付けておいで。」とだけ返信をした。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー やばいやばいやばい。 今日は大好きな彼とのデートなのに、待
"ツンデレ女子" 皆さんはこの言葉をご存知だろうか。 いや、答えていただかなくても結構だ。 なぜなら。 「ごめん瞳月!…待った?」 「待ったわ!もっと早よ来てーや!」 今から存分にお見せするからである。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「なぁ、ごめんってー」 「もう知らん!」 俺の前をスタスタと歩く小さな女の子は山下瞳月。 俺の可愛い可愛い彼女である。 「ごめんな、一人で寂しかったやろ?おーよしよし。」 「ちゃうわ!もう○○の事なんて嫌いや
俺には好きな人がいる。 「......。」 窓際の席でボーッと校庭を眺めている村山美羽さん。 スラリと高い身長に高い鼻、吸い込まれそうなほどに綺麗な瞳。 気だるそうに授業を聞きながら、時々欠伸もしている。 ......そのせいか成績はいっつもビリだけど。 恋は盲目とよく言うが、そんなことすら愛おしいと思っている俺も、例外では無いのだろう。 恋になんて興味がなかった俺からしたら、何の感情も湧かなかった幾つものラブソング。 今なら、その歌詞を何度読み返しても俺の事
小藪「声がちっさいわ!」 こんにちは…遠藤さくらです…。 小藪「遠藤!声が全然聞こえへんぞ!」 さくら「す…すみません…」 小藪「なんで裏方志望の賀喜が一番声でかいねん!藤吉!お前の声も聞こえへんぞ!」 夏鈴「はい!」 小藪先生めちゃくちゃ厳しい… 小藪「はい一旦やめや!」 全員がピタっと声を止める。 小藪「まぁ、初日やからな。これぐらい厳しくは行くぞ。ギブアップするやつはおらんか?」 全員が頷く。 小藪「やるやんけ。まず賀喜、その調子や。それだけの声量