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セールスは、お客のことを考えたら会社に評価をされないという矛盾

会社で評価をされれば、役職もついて、出世して、周りからの信頼も得られて・・・・・
イイ学校行ってイイ会社に就職してって昭和夢物語が崩壊した現代であっても、評価をされることの価値観は、かろうじて生き残っているように思います。

セールス(営業)の世界でも評価や役職に対しての価値観は変わらないのですが、唯一違う点、それがタイトルの、「セールスはお客のことを考えると、会社に評価をされない」です。

今回の記事はセールスの誰も言わない闇をさらしますので、もしあなたがセールス(営業)の仕事をしていて、今の会社で頑張っていこうと希望を持っているのなら、読むことをオススメしません。知らない方がいいこともあります。

逆に今の状況に違和感を感じているのなら、最後まで読んでください。何かの手助けになるかもしれません。

会社がセールスに求めるもの。評価の基準

販売会社がセールスに求めるものには、どのようなものがあるのでしょうか? 自動車ディーラーを例に箇条書きで並べてみましょう。

1、販売台数
2、売り上げ利益
3、任意保険新規獲得件数
4、クレジット利用率
5、オプションや保証の付帯率

会社によって違いはありますが、だいたいこんな感じです。
さてこの中で、「お客様のこと」を考えている項目があるでしょうか?

例えば2番目の売り上げ利益。ここを評価されるためには、前回書いたように値引きを抑えることです。これはお客様のためになることでしょうか?

3番目の任意保険新規獲得率。保険料は毎月決まって会社の収入となり、会社の経営を安定させる土台になるので、会社は保険契約を欲しがるのです。

ですが、例えば1台はトヨタの車で、買ったお店で保険に加入していたとします。そしてこの度、奥様用の2台目の車をホンダで買いました。

するとホンダの営業マンが、こんなことを言い出します。

「トヨタさんのお車の保険も、うちで一緒に加入しなおせば、2台とも保険料が安くなりますよ」

保険料が安くなるのはいいことなのですが、もしそれでお客様がトヨタの車を運転中に事故に遭って、トヨタのディーラーにレッカー搬入されても、保険代理店のホンダは何も関与しませんし、できません。

有事の瞬間に頼るものが保険だと思うのですが、これで保険の役割を果たしているのか、保険料は支払われますが、契約欲しさに保険のあるべき姿を見失っているように私は感じます。

4のクレジット利用率。車は安くても200万円、300万円と、まとまったお金が必要になりますので、クレジットで買われる方も沢山いらっしゃいます。ですが利用率アップのために必要のないお客様にもクレジットを組ませることがあるのです。

お金があって一括で払える方には、クレジットは不要です。余計な金利を払わせて、書類を書いたり手間も増えるだけです。「金利を負担しますから・・・・・」とクレジットをお願いする例もありますが、手間が増えて誰も得をしない、悪しき習慣です。

最後に5のオプションについてです。
前回も触れましたが、オプションの中には「役に立つもの」と「役に立たないもの」があり、それはお客様の使い方によって変わってきます。このオプション付帯率が評価されます。

ここで残念なのは、付帯率評価の対象となるオプションが、大抵、「お客の役に余りたたないけど高利益」なオプションだということです。

売れないのであれば、もっと商品の改善や改良を加えていくべきだと思うのですが、現場のセールストークで売り抜こうという、残念なお話です。

このように、会社がセールスに求めるもの、評価のポイントは、おおよそお客様のために、という思想とはかけ離れているのです。

お客のことを考える、「いい人」は評価されない

もし「お客様にとって必要なものだけを、安く提供したい」と考えて販売をしているセールスがいたら、どう思われますでしょうか?

買い手としては非常に頼もしい「いい人」です。

ですが、上の評価項目に沿っていくと、販売台数以外は評価できないダメ営業です。売った後のアフターフォローをしっかりしていて、お客様から支持されていても、ダメ営業なのです。

これは車のような高額商品の場合、リピート顧客になるまでに早くても2年、3年長ければ10年以上かかるため、販売時の顧客満足を重視しないからではないでしょうか。満足してもらったところで、次はいつになるか分からない。

もっと高額で売り切りの不動産営業も、同じような構造だと感じます。要は「売ったもん勝ち」です。

サラリーマン化がセールスを堕落させている

自動車は永らく、日本の主幹産業として成長してきました。今現在でもそうだ! と思っている方がいらっしゃいますが、それに対しての反論は、今日は置いておきます。

日本が発展してきた構造に、産業化、会社化があったことは否めません。
ですが、すべて規模を大きくしていき、売り抜くようなやり方、会社に属して会社の思惑通りに販売していく構造は、世の中の役に立つという、セールスの本質を見失いセールスを堕落させているように思えてなりません

経済成長の前の前、日本にもお客のことを考えるセールス=商人気質をもった商売人が沢山いました。今でも、会社に属さず自営で店を開いていたりされている方は、そのような気質を持った方が沢山いらっしゃいます。

これからセールスの在り方はさらに変わっていくと思います。今売れているトップサラリーマンセールスは、きっと変化についていけなくなります。

サラリーマンから商人へ。セールスは変革が必要だと感じています。

東京

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