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インド人、そういうところだぞ。

僕が先月インドに行った時のこと。
デリーで一泊するためにチェックインしたホテルでフロントマンから明日の予定を聞かれた。

ホ 明日はどこ行くの?
僕 タージマハルに行くためにアーグラに行く。
ホ どうやって?
僕 電車かなあ。
ホ チケット取ったの?
僕 取ってない。
ホ 無理だよ。もう取れないよ。
僕 ほんとかあ?自分で探してみる。
ホ うちのホテルから車出すからそれで行きな。
僕 んー。なしな提案ではない。I get it!!
ホ じゃあ明日7時にロビー集合で。

翌日の7時にロビーに行くと恰幅のいい男が僕を待っていた。
名前は忘れたけどいいやつだった。
僕のことをVIPだと丁寧に扱ってくれた。
デリーからアーグラに行く高速道路で30分おきに路肩に停めて「タバコの時間だよ!」とタバコ休憩の時間をくれた。
子供の話やインドのカーストの話、乞食の話、色々してくれた。
絶妙に聞き取りやすい英語で僕でも結構会話が続いた。だいぶ仲良くなった。

アーグラで一泊してデリーに戻る帰り道、彼は寂しそうにこう言った。
「2日間楽しかったなあ。お前のことを忘れたくない。何か日本っぽいものをくれないか。」
確かにこいつはいいやつだった。僕的にも何かあげたい。日本っぽいもの。バッグを漁ってみたがこれといって日本っぽいものは持っていない。財布に要らないポイントカードでもあればそれをあげようかなと思って財布を覗いたが、無駄なカードは持ち歩かない主義だったことに気づく。
コイン入れの中に5円玉がないか探した。
ご縁がありますように、5円玉。
めちゃくちゃ日本っぽいし、この状況にも合っている!
でも5円玉はなかった。100円しかなかった。
まあ、100円玉も充分日本っぽいだろうと百円玉を渡した。

「これはなんだ?」
「日本のお金だよ。でもこれはお金をあげるっていうより日本っぽいものをあげたって感じ!」
「おーー。ありがとう。この出会いに感謝感謝。」
彼はそう言いながら車のダッシュボードに置いている祭壇みたいなところに100円玉を置いてお祈りを始めた。
うん、やっぱりこいつはいい奴だ。

その後、何気ない会話をしながらデリーの宿に戻っていた。
少し沈黙になった時彼がこう言った。
「ところで、さっきのコインはインドルピーにするといくらなの?」
「50ルピーくらいかな?」
「ふーん。」

5分後

「このコインと50ルピー、交換してくれたら嬉しいな」

僕は無視した。

ああ。やっぱりこいつもそうなのか。
インド人、そういうところだぞ!

(もちろんその後、2日間のチップ代で揉めました。)


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