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dotDのMisson・Vision・Valueができるまで(Misson・Vision編)

ミッション・ビジョン
バリュー

どうも、dotDのデザイナーのZacky(山崎)です。
2022年3〜6月の3ヶ月間でdotDのMisson・Vision・Value(以下、MVV)の策定を行いました。私たちが実際にどのような段取りで、どんなアウトプットを経てこのMVVの策定に至ったか、この記事ではミッション・ビジョンを例にご紹介していこうと思います。

Valueについては「Value編」として別記事にて公開予定です。

なぜ今作ったのか

MVV策定のきっかけはGreat Place To Work認定企業に選出いただいたことでした。

Great Place To Workとは…
世界60カ国7,000社を超える企業の働きがい調査を行うGPTW®は、認定・ランキングにエントリーした企業へアンケート調査を実施し、調査結果が一定水準を超えた企業を1年間「働きがいのある会社」として認定しています。

働きがいのある会社研究所(Great Place to Work® Institute Japan)

「働きがいのある会社」に認定されて嬉しい一方で、社内アンケート調査の結果レポートを見ると、dotDに足りていない部分、つまりは社内評価の低い部分も見えてきました。

社内アンケート結果レポート(低評価部分抜粋)

我々は、これらの結果を受けて「dotDが何のために存在し、事業を通じてどんなことを実現したいのか」という、会社としての大きな方向性が見えていない事が原因なのでは、と仮説を立てました。

また、組織拡大に比例してお客様や採用候補者の方々にdotDの会社紹介をする機会も増えてきており、dotDという会社を正しく説明できるように共通認識・共通言語を持つことも「MVV策定」で解決できる、と考えました。

では、ここからはMVV策定のための取り組みを6つのステップでご紹介していきます。

  1. ステークホルダーの決定・会議体の設定

  2. 目的の擦り合わせ

  3. キーワード整理

  4. 叩きづくり

  5. 最終案作成

  6. 社内確認

1. ステークホルダーの決定・会議体の設定

ポイントは、参加者を徹底的に絞ることです。

今回私たちは、CEOの小野田に対して真正面から向き合うべく、最小限の策定メンバーでこのプロジェクトを進めていくことに決めました。参加者は以下の通りです。

  1. CEO小野田(dotD創業者)

  2. CSO(Chief Strategy Officer)山中(社内外全体の戦略の指揮を執る)

  3. 広報リーダー岡本(社内外の広報の実行者)

  4. コーポレート系のクリエイティブ制作をリードしている山崎

この4人で3ヶ月間プロジェクトを進めてきました。
CEOの小野田の頭の中にあるものを引き出し、抽象と具体を行き来し、納得感を得ながら確実に前へ進んでいく必要があったため、発散しすぎないようにするためと、ミーティング実施回数の確保の観点から人数を抑えての実施としました。

実は以前もMVVの策定にトライしたことがあり、その時はステークホルダー増やし過ぎて意見が発散しすぎたり、落とし所がうまく見つからなかったりして苦労したため、今回は少人数でやってブレずに上手く進めることができました。単純に「執行役員や関係者は全員策定メンバーに入れる」などということはせず、目的と手段に合わせて柔軟に参加者をアレンジすることが大切だということを学び、実施しました。

2. 目的の擦り合わせ

まずは、MVV策定について、目的のすり合わせを行いました。

こういった取り組みは、点と点のつなぎ合わせのワークがかなり多くなってくるため、途中で「何のためにやってるんだっけ?」「ここは考慮すべきだっけ?」など、目的に立ち戻って考えることが何度もあります。

そこで、策定メンバーに対して、MVVを策定をすることに何の意味があるのか、これを策定した将来どうなるのか、を社内・外の観点で網羅的に説明し、認識を合わせることをしました。下の図はその説明のために作図したものになります。

目的の擦り合わせに使用した図

3. キーワード整理

いよいよ実際にMVVの制作に入っていきます。
ここでは、CEO小野田・COO古澤それぞれに対してヒヤリングを行い、dotDの存在意義や独自性、将来どうなっていたいか、などの考え・意見を収集しました。
小野田の頭の中を覗き込んでいるような感覚でした。

MVVの種になるようなキーワードたち

収集した小野田の考え・意見の中からMVVの種になるようなキーワードを抜き出し、カテゴライズしていきます。
カテゴライズすることで、散り散りだったキーワードに表情が見え始め、ミッション・ビジョンの片鱗が見えてきた感覚がありました。

カテゴライズしたキーワード

ヒヤリングの中でCEO小野田から引き出した概念図をまとめ直し、その後の打ち合わせで何度も内容のすり合わせをしていきました。
小野田自身も頭の中を整理しながら話しているようで、いい機会になったように感じました。

打ち合わせで出てきた概念図

4. 叩きづくり

ここからが本番です。素材が揃ってきたので、ここからはこれらを組み合わせてどう調理していくかが重要になってきます。

カテゴライズしたキーワードをつなぎ合わせて、将来像とも実態とも合う形のストーリーを組み上げていきます。様々な概念や観点を織り交ぜつつ、説明していくと、発散が促されアイディエーションが進み、この辺からだんだんdotDのミッションらしきものの輪郭が見えてきました。

正直、ここまでは「どうなることやら…」と不安でいっぱいでしたが、子のワークを通じて策定メンバー間で認識をシェアできている感覚があったので、徐々に不安は減っていきました。
下の画像は、キーワードを基にして紡ぎ出した概念やストーリーの一部です。(1枚目の落書き感やばい)

絵文字を駆使して作った概念図
As IsとTo BeでdotDの将来像
様々な観点から出したストーリーの図

これらの資料を使っての議論の末、事業を通じて「挑戦」や「チャレンジ」の量を増やし、「熱くなれる人の想いを叶える場になること」が重要であるという考えが強いということが分かってきました。

そして、次のステップではキーワードやそこから派生させて出てきた言葉を使って、実際にミッションを考え始めました

コピーライティングに苦手意識があったので、「これだ!」というものがすぐに出せず、とにかく量を出すことにしました。微妙な差の案も含めて50案前後出し、訴求軸別に並べていきました。

軸違いのミッション案

このようにミッションを先に考え始めたものの、良し悪しの判断にはビジョンもセットでないと評価できないことが分かったので、途中からは同時並行でビジョンも考えることにしました。

同時にビジョンも考えていきました

5. 最終案作成

数多くの案が出てくる中から、dotDの取り組む自社事業と共創事業の2つの事業軸どちらにも当てはまるように言葉の調整をしていき、最終案まで絞り込んでいきました。

さまざまな意見からの抽象化と具体化を繰り返し、かつ事業軸の観点も入れながら考えた結果、最終案は日本語としてはかなり抽象なものになっていきました。

ここからは答え合わせをするように、言葉に込められた意味や意図を整理していき、最終案としての妥当性を検討しました。また、ミッションに関する概念図も作成し、理解を助けるような補足資料も作成していきました。

ミッションの意味や意図
ビジョンの意味や意図
MVVの概念図

6. 社内確認

1でも書いた通り、今回のMVVは4人で考えました。なので、大人数で認識を合わせながら進んだ場合とはおおきく異なり、場合によっては「急に決まった…」「策定メンバー以外の話は聞かないのか…」などという意見も出かねないと考え、本プロジェクトに関わりのない社内メンバーに対して2回の説明会を実施しました。

1回目は、全社会議の一部で5分程度で説明。
2回目は、ガッツリ1時間で説明。

これらの説明会の実施にも意図があり、1回目の説明会では主に第一印象を意見として収集することを目的としてました。5分間という短い時間の中で一方的に説明した事をどれだけ理解してもらえたか、また、どんなことがわかりにくく感じたか、そういった意見や質問を収集する場としました。

1回目の説明会資料

1回目の説明会後にはGoogleフォームでアンケートを収集し、

  1. 共感度

  2. 共感したところ

  3. 共感しきれなかったところ

の3点を収集しました。MVVを三角形の図形にし、2と3をマッピングしていくと、どこに共感が集まっているかが可視化されました。

1回目説明会のアンケート結果

そして、1回目の説明会のアンケート結果をもって、2回目の説明会を実施し、1回目の説明会で共感しきれていなかったValueなどの箇所の共有や寄せられた質問の回答を行い、その場で出た疑問に対しても質疑応答も行いました。

2回目の説明会資料

これらの説明会をもって、私たちのMVV策定プロジェクトは終了となりましたが、これは同時にMVVの運用や浸透プロジェクトの始まりの合図です。
実際、2回目の説明会後アンケートで得られた共感度も平均で6〜7点と決して高評価とは言えない結果でした。そういった現状を受け止めつつ、今後の活動に活かして行ければと思っています。

さいごに

なかなか経験できない会社のMVV策定に関われたことをとても嬉しく思います。アイデアの出し方や決め方、その後のフォローアップなど、dotDらしい進め方ができたことは今回の大きな収穫です。また、別のチャンスがあればその時の状況に応じて進めていけるように柔軟に考えていきたいと思います。

また、今回はミッション・ビジョンの策定プロセスの一部公開をさせていただきましたが、バリューについてもたくさん議論した末に決定したので、またnoteで紹介したいと思います。

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