Yuma Yasue

遠野でクマを追いかけまわした後、岐阜県の飛騨高山で森や木に関わる仕事をしています。 noteは書評、考えたこと、私的に行っているリサーチのことなど、取り留めもなく書いてます。

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遠野でクマを追いかけまわした後、岐阜県の飛騨高山で森や木に関わる仕事をしています。 noteは書評、考えたこと、私的に行っているリサーチのことなど、取り留めもなく書いてます。

最近の記事

せわしないインターバルの雑記(2/2) |仕事か趣味か

アルバイト生活だった去年。仕事のこの先について問われることが多かった。その時は、問う人が何を気にかけてくれているかをなんとなく察して、安定性や経済性をカバーして答えてた。 そこで出てくる言葉は、本当なら、自分の純粋な興味やこの先やってみたいことと一致させたかった。けど、それはなかなかに難しかった。そんな自分を内面で恥じながら、「優等生的」もしくは「安パイ」な答え方で取り繕っていた。 本音をいえば、先の見通しなんて気分をアゲぽよにするための一時的なものでいいと思ってる。でき

    • せわしないインターバルの雑記 (1/2) |この一年何してたっけ?

      前の会社を辞めて一年くらいたった。 これからどうするか考える時間が欲しかったので、すぐに転職しないで少し間を開けることにした。その間に結婚して家族が出来て、今年の六月には息子が生まれる予定。わざわざ思い返さずとも、人生の中の大きな転機になっている。 守るべき家族が出来るこのタイミングで、次が決まっていないのに仕事を辞めた。これは、安定志向の強い自分にしては結構大胆な選択、、、というかかなりの暴挙。なんにしても、それを容認して支えてくれている妻と妻の両親、そして自分の両親に

      • 雑記|神様であり、食料でもある動物

        2月12日、東京の西荻窪にあるクラフトショップ「もりのこと」さんにお声がけいただき、クマについて話す機会をいただきました。 たいへんありがたいことに、80人近い参加者にご参加いただきました。イベントは終了してますが、事前に頂いた質問の回答を公開してます。当日拾いきれなかった質問にもお答えしていますので、参加して頂いた方もそうでない方も、ぜひお読みください。 オンライン配信の難しさを感じました なんとか無事に終わったんですが、オンライン配信の難しさを痛感。あまり緊張しない

        • 書評|モノも石も死者も生きている世界の民から人類学者が教わったこと

          本のレビューと所感です。 奥野克巳 著 モノも石も死者も生きている世界の民から人類学者が教わったこと アニミズム(人間の霊魂と同じようなものが、広く自然界にも存在するという考え方)について、様々な視点から深く考察している本です。題材にしているものの範囲が本当に広くて、 片付けコンサルタント/ナウシカ/アイヌ文化/生きもの供養塔/東洋思想/動物愛護/宮沢賢治/東南アジアの狩猟民/南方熊楠/記号論/人工知能。。。。 (このあたりが印象深いですが、本にはもっと多くの題材があ

          雑記|地域活性化

          高山に来てから1~2年目くらいは「地域活性化って何だ?何でしなくてはいけないのだ?」みたいなことをよく考えてました。意味がわかってないまま言葉を使うのがなんか嫌で、具体的にしようとしてました。 最近あまり考えなくなったのは、どのようにも言い得る曖昧さを含む言葉であって、定義することはたいして重要で無いと思えたからです。けど、仕事で一度は触れたものなので、少し振り返ろうと思います。 地域活性化。。。教科書的な答え方をすれば、人口が東京に一極集中するのを是正するために、地方に

          雑記|地域活性化

          雑記|転職を機に、暮らす「まち」について考えた話

          仕事で飛騨高山に来て、3年半くらい経ちました。気付けば結構、自分にとっては長く暮らした土地になりました。 建設コンサルタントの技術者でありながら、まちの中でカフェの店長を兼任するというイレギュラーなこの仕事も、この春で任期が終わります。悩んだ末、これを節目に今の仕事を辞めて、今後もここに住み続けることを選びました。といいつつ、「この土地が好きだから残る」というよりは、働き口、生活の利便性、家族との関係なんかも天秤にかけて選んだのが正直なところです。 けど、暮らしてみて、こ

          雑記|転職を機に、暮らす「まち」について考えた話

          雑記|林縁について

          山が好きで山に良く通う割に、頂上を目指して登ったことがあんまり無い。 登山には登山の楽しさがあることは最近やっとわかってきたけど、自分はどちらかというと、山の頂上より人の生活圏に近い「里山」とか「雑木林」とかいわれる景観が好き。実家のあたりはド田舎だけど雑木林が少ないから、その嗜好はおそらくは、学生の時に調査で通った岩手県の北上山地とか、奥羽山脈の麓のあたりにある景観への愛着、というより“憧れ”に近いものから来てる。 もう少し具体的に言うと、ヒトと森との“関係性”に対する

          雑記|林縁について

          雑記|クマハギ

          山に入る時、動物の痕跡を見つけるのが楽しみの一つです。 誰の?はもちろん、そこで何をしていたのか。その動物にとって、その行動にはどんな意味があったのか。それとも特に、意味など無かったのか...。 養老孟子さん曰く、自然とは「人が意識的に作らなかったもの」。人とは異なる知覚で世界を認知して、彼らなりの"意識"があるであろう生き物達の世界を勝手に妄想しては、こっそり楽しんでいます。 去年は、"クマ剥ぎ"が目につきました。 初夏の頃、クマが造林木の樹皮を引き剥がして、その下(

          雑記|クマハギ

          書評|生物多様性を問いなおす

          写真はこないだ撮ったジョウビタキ。 記事の内容はお正月休みに読んだ本。面白かったので、レビューと所感を。 高橋進 著 生物多様性を問いなおす 大航海時代以降の植民地支配から、環境の保護・保全、地球温暖化、生物多様性、そして現在の「SDGs」に至るまで、国際的な議論や合意形成の経緯がわかりやすく整理されていた。わかりやすいだけでなくて、政治的な利害や宗教観念が見え隠れする議論の場で「地球のため」という大義を通すことの苦労や葛藤に触れている文体が良かった。 「なぜ生物多様性

          書評|生物多様性を問いなおす

          初稿

          今年の3月で、勤めていた会社を退職する。 それを機にというわけではないけど、アカウントを作ってからずっとほったらかしにしていたnoteを使いはじめた。 はじめた理由は、好きなことを好きに書ける場所があれば、少しくらいは自己理解の助けになるかもしれないと思ったから。 ここ一年ほど離職するか否かを迷って、その過程で自己分析的のようなこともやってみた。やってみた結果、自分は、何か行動する時の動機付けを考えすぎるあまり、社会的な意義とか義務感みたいなものをそれっぽく切り貼りして