ずぼら堂_ずぼら体No.7
それがどれくらいかといえば、スパゲッティをゆとりの無いお鍋で巧みに茹で上げてしまうくらいのものです。
“巧みに”というところが肝で、10年以上家事をこなしてきた経験則により、ゆとりのないお鍋を使用したとしても美味しいスパゲッティを提供できてしまうのであります。
グツグツと沸騰する大きいお鍋にハラリとスパゲッティを放り込み、踊るように茹でてやれば、余裕を孕んだ美味しさに出来上がることは簡単に想像できる。
ずぼらというのは、ものぐさに事を進めながらも極めて100点に近いところに着地することができるスキルに等しいのだ。
吹き零れそうに沸き上がるジャストサイズのお鍋にスパゲッティを立てかけるように入れ、グッと上から圧をかけ下半分と上半分の時間差などものともせず麺全体をお湯に浸してしまうという作業は手慣れたものだ。
ーここでイメージする。
ー五右衛門風呂に足元からそろりと入り、じわじわと肩まで浸かっていく姿。少しでも動くと溢れる湯船の中で、できるだけじっと動かず、、動かずに、、あぁ気持ちがよいなぁ。ー
大浴場で手先足先を伸ばし浮力をめいっぱい感じ、泳ぐように動き回るスパゲッティたち!ー 人気レシピが推奨するイメージはおおよそこんなところだろう。
わかっちゃいるけど、五右衛門風呂を選んでしまう私。
90~99点の合格圏内に着地しブラボーブラボーと手を叩いてしまう私。
そんなずぼら作業の最中で、茹で時間は表示通りにタイマーをセットしてしまう私はずぼらとはほど遠く見え、不時着陸だけは免れたいというただただ臆病なオンナなのであります。
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