だいすきだけど、だいすきなだけ
恋とか愛とかのすきって結婚(事実婚やパートナーシップ制度なども含む)っていう目的地が社会の共通認識としてあるけど、そうではないすきには社会の共通認識と言えるような目的地はない。
根本としてこの「すき」に目的地なんてあるのか、Yesの場合この「すき」はどこに向かうべきなのか、Noの場合抱えきれなくなった「すき」を涙として溢れさせるしか方法はないのか、ずっと考えとる。Noの場合わたしは今後耐えられる自信がない。
なんでわたしはこんなに先生のことを好きになってしまったんだろうか。恋愛の「だいすき」ならまだしも敬愛による「だいすき」が大きくなりすぎて、抱えきれなくなった分が全て涙として溢れてくるってなんなの?敬愛って感情にしては重すぎないか?わたしがここまでの敬愛を抱いた経験ないだけ?
もう分からない。この感情が敬愛の範疇におさまってると言っていいのかも、自分はこれからどうしたらいいのかも、なにもかも分からない。
たとえばこれが恋愛感情によるものなら「結婚」っていう最終目的地がみえてくると思う。でも、敬愛によるものの場合そんな明確な目的地は少なくともわたしの視界にはひとつもない。
目的地がないと感情の矢印を向ける先がなく、ただ自分の中に蓄積させることしかできない。そして抱えきれなくなったものがわたしの場合は涙として溢れてくる。
自分はなんでこんなに好きなのか、なんのためにこんなに好きでいるのか、分からなくて不安にもなる。
目的地でなくとも、処理場(性欲で言うところのセフレ)や埋立地(ダイエットで言うところの「お腹すいたら寝る!」の思考)みたいなものがあれば少しは楽なのかもしれない。今のわたしにはそれさえない。泣くことしかできない。
先生に「だいすきです」っていくら伝えても、いくら先生の論文や著書を読んでも、それを自分なりにまとめても分析しても、先生の授業を真面目に受けて予習も復習も課題も自習もテスト勉強もして分からないところは先生に質問しにいって、敬愛をわたしなりの行動でどれだけ示しても、どれだけやってもだいすきを吐き出すには足りなくて、ただ「だいすき」が蓄積されていく。
先生に関わる全てに触れる度に惹かれていく。本当に、だいすき。こんなにすきになれるの先生だけだと思う。生まれてはじめてやし、これが最後だと思う。だからなにも分からない。
先生からいただくお言葉やお気遣いは、どれもわたしの大切な宝物で、ひとつも忘れたくない。すごく大切だからたとえ忘れたい時があったとしても決して忘れられない。余計にしんどい。そんなのだいすきになっていく一方やんか。
決して嫌いになりたいわけではない。まぁたまにこれ以上すきになったらお互いだめになるんやろうなぁ…って不安になる時はあるけど離れられない。こんなにだいすきなのに、離れられるわけがない。
「これ以上近づいたら…」はおそらく先生も感じてる気がする。「今までの生徒とは違う」こともおそらく勘づいてる。わたしたちは感覚が似とるから先生が思っとることも感情も大体は伝わってくるし、先生にもわたしの思っとることも感情も多分伝わってる。でも関係性上離れられない。
この間先生が「普段は明るい先生をしてるけど、わたしは人間が嫌いだし~」みたいな話をしてくれた。わたしと全く同じ感覚だった。わたしが普段いう言葉と1文字1句変わらないんじゃないかと思うほどに同じだった。本当に驚いた。
でもこの感覚はこの時はじめて抱いたものではなく、先生とふたりきりでお話する度にいつも感じるもの。
他の人がいる場所での先生と、ふたりきりの空間での先生は違う。見た目とか雰囲気とか外見から伝わるものは同じだけど、第六感とかそれに類するもので感じる先生は全然違う。多分わたしも違う。先生もそれには気付いてる。
そうじゃなかったらわざわざ公共の場とふたりきりの時で話し方も話す内容も変えないと思う。
そういう諸々を総合して、少なからず先生もわたしに心を開いてくれてると思ってる。ただの学生にわざわざ「先生は人間のことがきらいです」なんて言わないと思うし。
わたしはどうしたらいいんかな。どうもせんがいいよな、どうもできんよな。分かっとるんやけどな。
でもこれからもだいすきだいすきだいすきだいすきだいすきってだいすきがつもりにつもって、行き場がなくなった「だいすき」が全て涙として外に出てくるのは少しというかかなりしんどい。わたしはこれに定期的に耐えられるほどつよくない。
あぁこーーーんなにすきなのになぁ、すきなだけなんだよな。現実的に考えるとわたしは発展もなにも望んでいない。多分現状に満足しきってる。これ以上望むものなんてない。
先生はご家庭とお仕事を大切にしつつご自身の人生も楽しむ。わたしは学業に励んで今の時期しかできない様々な経験を積む。そして先生の授業にわたしが参加する。それだけで充分恵まれとる。なにも望むものはない。望む権利もない。
先生と結婚‼️‼️とかふざけたことを言うこともあるけど、それはだいすきの最上級が結婚‼️‼️って言葉になるだけで先生が既婚者なのも理解してる。不倫するつもりもない。それにわたしはアセクシャルだから恋愛感情をもてない。
それでも「だいすき」はどんどん増えていく。そしてどんどん溢れていく。このだいすきをわたしはどうしていいか分からない。泣くことしかできない。涙として溢れさせることが正解か否かも分からない。全て分からない。こんなにもだいすきなのに、だいすきでしかない。