過去の呪縛とフラッシュバック『凪のお暇』
こんにちは、石川由弥子(ゆみこ)です。
『凪のお暇』の新刊がでました。
わたし、『凪のお暇』が大好きなんです。
過去にドラマも放送されていましたが、キャスト陣が最高でした。
わたしはキャラのイメージに合っているキャスティングなのであれば実写は許せる勢です。
我聞くんを高橋一生さんが、ゴンさんを中村倫也さんが演じられていたのですが、我聞くんのクズっぷりとゴンさんの人たらしっぷりが最高でした。
心の支えになっているがあまり、紹介することを失念していた『凪のお暇』をご紹介しようと思います。
『凪のお暇』のあらすじ
『凪のお暇』のおすすめポイント
『凪のお暇』がなぜこんなにもわたしの心を離さないのかというと、とても等身大で、「わかる〜」と思うことがたくさんあるから。
波風立てずに都会で踏ん張って生きていた女子が、何もかもぜーんぶ捨てて都落ちする話なので、境遇に共感は難しいのですが、考えていること・経験してきたことにとても共感するのです。
①結婚は人生を逆転しない
強い意思表示をしない凪は、どちらかというとモブ体質。同僚に仕事を押し付けられても笑顔で引き受け、同僚の愚痴にも「わかる〜」と同意し、文句一つもこぼしません。
でも凪には1つだけ切り札があります。それは、営業部のエース・我聞と秘密で付き合っていること。
それだけが凪の支えであり、唯一の誇れることでした。
我聞が結婚してくれたら、
と思っているのです。
わかる。少なくともわたしはそう思っていました。
結婚しても自分は何も変わらないのに、結婚は今の延長線上にしかないのに、結婚が全てを解決するなんて夢を見てしまう気持ち、とてもわかる。
まあ、ひょんなことをきっかけに自分に対する我聞の気持ちを聞いてしまった凪は、仕事もやめ彼とも別れることを決めるのですが。
人生に一発逆転なんてないです。自分で決めて、自分で変わる努力をすることでしか、人生を変えることなんてできない。
凪を通して、それに気づけてよかったと思います。
②一歩を踏み出そうとすると足を引っ張る過去
『凪のお暇』の良いところは、「迷い」をしっかり描き切っていることです。
人は何かを決断したとき、それを正解にしたいからこそ、前向きになります。
でもその一方で、想定外のことが起きると「わたしの選択は合っていたのか?」と不安になることがあると思います。
この葛藤がとてもリアル。
新しい環境で、新しい人間関係で、新しい自分を生きようとしている中でも、過去の失敗や誰かから投げられた言葉や態度に引っ張られて、急に過去の自分に戻されることがあります。
このフラッシュバック、とても厄介ですよね。
わたしはいまだに元彼に言われた「鈍臭い」という言葉の棘が刺さったままです。
こういう描写って人の心の暗いことだから見せたくないところだと思うんです。
でもだからこそ、わたしはこの漫画をとても信頼しています。
結果的に前に歩めていたら花まる!
ここまでおすすめポイントをご紹介してきましたが、これで「読んでいて辛い」にならないのがコナリミサト先生の素晴らしさだと思います。
フラッシュバックも過去の呪縛もなくなるわけではないですが、それでも変わりたい・変えていきたいと前向きな凪にとても励まされます。
環境を変えて、生き方を変えることで、確実に凪は変化していきます。
過去の自分では到底向き合えなかった人と向き合うことができたり、知り得なかったことを知ったり、一進一退を繰り返しながらも、進んでいく様子が爽快。
自分の人生、結果的に前に歩めていたら花まる!
そう思える作品です。
自分の選択や判断を正解にするのは自分だなと改めて思います。
ぜひ読んでみてください〜
ではまた〜