伝えたいことは生きているうちに『西の魔女が死んだ』
こんにちは、石川由弥子(ゆみこ)です。
小説『西の魔女が死んだ』をだいぶ昔に読んだのですが、不意に懐かしくなり、映画版を観ました。
ストーリーをすっかり忘れていて、新鮮な気持ちで観れたので、感想を書き留めていこうと思います。
『西の魔女が死んだ』のあらすじ
中学に進んでまもない夏の初めに、学校へ行けなくなったまいは、森で暮らす“西の魔女”のもとで過ごすことに。西の魔女とはまいのママのママ、英国人である大好きなおばあちゃんから、「早寝早起き、食事をいっぱいとって、よく遊ぶ。そして、何でも自分で決めること」の大切さを教わる。まいは戸惑いながらも、料理、掃除、洗濯、庭づくり・・・と、毎日励んでいくが、実はその生活は、“魔女修行”の始まりだった――。
『西の魔女が死んだ』のおすすめポイント
1. 自然に囲まれた穏やかな日々
思春期ならではの生きにくさを感じ、不登校になったまいは、イギリス人のおばあちゃんのもとで暮らします。
自然の恵みに感謝しながら生きる祖母との生活の中で、まいは少しずつ元気を取り戻していきます。
都会のように便利な場所ではないけれど、工夫したり、手を動かしたりしなければ手に入れられないようなものがここにあると感じました。
香り豊かなラベンダーの上に真っ白なシーツを干したり、ワイルドベリーを摘んでたっぷりの砂糖で煮詰めてジャムにしたり、裏庭で育てた採れたての野菜を食べたり。
穏やかで豊かな生活が描かれていくのですが、この風景が本当に素晴らしいです。
わたしもこういう生活がしたい!と思わずにはいられません。
2. 魔女になるための修行
「魔女になるための修行」と聞いたら、空を飛ぶ練習や薬草を使って黒魔術をする、ということを想像するのはわたしだけでしょうか?
本作に出てくる修行は全然違いました!(笑)
おばあちゃんがいう魔女になるための修行とは、全ての土台である「精神力を強くする」こと。
「規則正しい生活をすること。」「決めたことを継続すること。」というような簡単なことを積み上げて、意思の力を高めることが大事だというのです。
簡単なことが、一番難しいんですよね!
3. 魂は成長したがっている
飼っていたニワトリが野犬か何かに襲われ死んでしまった時、まいは「死」というものを間近で感じ、ショックを受けます。
わたしはまいと同じように、小中学生のころ、死がとても恐ろしかったことを覚えています。
悲しみに暮れるまいに対して、おばあちゃんが伝える死に対する考え方がとても素敵なのです。
「死ぬということは魂が体から抜けるということ。抜けた魂はそれから長い旅をする。」
なるほど〜旅をするのか〜。そう思うと、なんだか怖くない気がしますよね。
「草や木が光に向かって成長するように、魂も成長したがっている。それが魂の真理。」
とも言います。
「魂も成長したがっている」という表現がとても心に響いて、わたしの心の中にじんわり広がりました。
大変なこともたくさんあるけれど、わたしの魂は成長したがってる!と思って、選択しようと思えました。
(大切なことは本当はすでに知っているのだ)
魔女との生活で学んだこと
あくせく働く中で見落としてきた日々の大切なことを思い出させてくれるのが本作の良さではないでしょうか。
自然を胸いっぱいに吸い込んで、自然の恵みに感謝して、自分自身に向き合って、日々成長する。
何もないようで、人生において大切な何もかもが魔女の家にはあります。
人と関わる生活の中でしかわからないことがある。
自分と向き合うことで初めて知ることがある。
感謝も謝罪も思った時にしなければ、間に合わないことがある。
大切な人には大切だと言葉にして、態度にして、表すことが大切なのだと改めて気付かされました。
本当に素晴らしい作品でした。
気になった方、ぜひ観てみてください。
ではまた〜