CSM として働き甲斐がある組織とは?
Customer Success Manager (CSM)の認知度が上がってきて、CSMをポジションとして設ける企業も増えてきました。
ひと昔前と比べると募集も増え、日本の CSM 人口も増えてきたと思いますが、まだまだその立ち位置をどうしたらよいか模索しているところが多いと思います。
個人視点で見ると、発展途上なポジションだからこその醍醐味もある一方、周りに理解されず、うまくポジショニングできずに自分自身がSuccessしないというリスクもあるポジション。
CSMとして日々模索し、色々な会社のCSMの方々と会って話を聞いていく中で、CSMとしてSuccessするかしないか?は「組織のあり方が大いに影響する」のではと考えています。
そこで、CSMとして生き生きと働ける組織ってどういうところだろう?ということについて、自分の視点ではありますがまとめてみました。
◆ CSMの組織がコストセンターではなく、プロフィットセンターとして位置づけられている
まだカスタマーサポートとカスタマーサクセスの違いがあまりよく理解されていないと、CSMの組織はコストセンター的な扱いにされてしまいがちですが、CSMの生まれた背景を考えると、営業組織同様、収益をもたらす位置づけとして考えられるべきと考えます。
収益をもたらすという位置づけにならない限り、どうしてもサポートの延長のような仕事ととらえられてしまいかねず、便利なサポートのような位置づけから脱することができない状態になることもあります。
収益をもたらす営業組織の方が立場が強いところも多いかと思いますが、CSMの組織も収益に貢献している組織であると認知されると、それなりに発言権を持てるようになるので動きやすくなります。
◆すべての部署が「カスタマー」と「ミッション」を意識している
CSMには顧客からの色々な声、色々な要望が集まってきますが、要望や課題などは機能に関することだけではなく、契約からサポートまで幅広く、CSMだけで解決できるものは限られます。
課題についてのフィードバック、諸々の問題の相談をしたときに、それぞれの部署が「うちの部署のプロセスはこうだから」とか「これはうちの仕事ではない」というように「役割の視点」だけでしか考えられない組織の場合、CSM自身がその課題を引き取り対応することも考えなくてはならず、次第に本来の業務に集中できなくなってきます。
すべての部署が「カスタマー」と、対する「ミッション」を意識していると、その課題に対して自分たちがどのように貢献し解決できるのか?をみんなで考えられるようになるため、CSMの位置づけもしやすく、仕事もやりやすくなると思います。
◆CEO から CSM の組織の間の階層が少ない
CSMだけに当てはまる話ではないかもしれませんが、レポートラインの階層が多ければ多いほど、自分のやっていることはどれだけ全体にインパクトを与えているのか見えにくくなりますし、何をやるにもスピード感にどうしても欠けてしまうことが多くなると思います。また、階層の間で色々な情報はフィルタリングされていくので、会社の全体像も見えづらくなります。
この状態は新しいことに挑戦する上でとても大きな壁になり、Customer Successのようなただでさえチャレンジングなことに挑戦しなければならないところで、なくてもよい壁ばかりが見えてしまうと、自分は本当に組織に貢献できているのだろうか?と思い悩むようになり、本来の力を発揮できずに終わってしまうことも。
特に立ち上げや定着化前のフェーズの組織のCSMとして加わるときには、自身の立ち位置がどの辺になるのかは、重視した方がよいポイントだと思います。
◆会社のトップ自身が自分の言葉で「Customer Success」とは?を語れる
Customer Success という、これまでの慣習やカルチャーを変えていかなければならないほど大きな変革は、残念ながらボトムアップのアクティビティではたいていうまくいきません。トップダウンで進めていかなければ変えていけないことの方が多いです。
まだまだ出てきたばかりの「Customer Success」について、自分の組織のトップがビジョンや想い、考え方を語れることは、それだけ Customer Success を考えていると判断できます。そして、非常に大事なものと位置付けてくれていることがわかるので、CSMとして働く上でも非常に支えになり、モチベートされます。
サブスクリプション型のビジネスには必要だから…と、なんとなく世の中のトレンドに合わせるだけで、「なぜ必要なのか?」をわからないままにとりあえず置かれたCSMでは、CSM自身も自らの存在意義を見失ってしまいかねません。トップが語るCustomer Successは、CSMとして働いていく上での羅針盤にもなります。
Customer Successに定評のある組織には、Customer Successとは?を自分自身の言葉で語れるトップ層の人が必ずいて、1人だけでなく複数いるというのが印象としてあります。
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CSM(?)みたいなフェーズの時も含め、もうすぐCSM5年目になります。
サブスクリプション型ネイティブのところからCSMとしてのキャリアをスタートし、今はサブスクリプション型に移行しているところのCSMとして日々奮闘していますが、CSMは色々な人を巻き込んでそれを変革していく力にしていかなければならないのにもかかわらず、「孤軍奮闘」していることが多かったなというのが正直なところあります。
最近改めて、CSMは「孤軍奮闘していてはダメ」なのだとつくづく感じています。
課題、取り組み、成果、色々なことを全体に共有し、一緒に取り組んでいけるようにならない限り、一個人の責任に落ちるだけのアクティビティでしかないだけでは、全く前に進まない…
とても頑張っている、必死感がある… 何となく美しくも見える「孤軍奮闘」。Customer Successを本当に進めたいなら、きっとこの状況は許さないでしょう 笑
ということで、まだまだ初段にもなれてないですが、引き続き、修行の旅をしてみたいと思います。
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