題... まさか、“ほめ殺し”ではないか
◆ 私も、そう考えています。
~~< 以下 引用 >~~ ■ 比較すれば分かる「わが国の製造業は日本に大きな遅れを取っている」=中国メディア ⇒ http://bit.ly/2FNUkoF ■ 世界の製造大国から製造強国への転換を目指す中国だが、その道のりは簡単ではないようだ。中国メディアの今日頭条は29日、中国の製造業は、日本と比べるとずっと遅れているとする記事を掲載した。 記事によると、日中の差は生産量ではなく「付加価値にある」と分析。日本の場合、少ない人件費でより付加価値のある製品を製造できているため、その差は「一目瞭然」だという。中国も安い労働力に頼る時代は過去のものとなっており、今後はより科学技術に重きを置くべきだと主張している。 「日本の製造業は精緻さを追及し、中国が強いのはパクリ」、「日本との差は30年」と日本との格差を指摘するコメントや、そもそも中国は製造大国などではなく「組み立て大国」だ、「中国の製造業はここ5、6年で死んでしまった」という意見もあった。
◆ この今日頭条というメディアの“製造大国から製造強国”の主張は、連続もののコラムらしい。
私も、この“製造強国”というキーワードがお気に入り。日本のことを上手に言い表していると思います。日本は、まぎれもなく製造強国です。[ #製造強国 ] (→ 注1)
私は、以前より、ブログなどで“日本は積極的に海外生産すべき”と主張してきました。ほんの20年ほど前までは、それはむしろ少数派の意見でした。(→ 注2)
海外生産反対派の主張は、“技術の海外流出”や“雇用の海外流出”云々などに対する懸念が中心でした。でも、現実は、そうではなかった。今は、労働者不足に悲鳴をあげている有り様。
日本の製造企業の技術は、それほど単純なものではなかったということ。日本の製造企業たちは、実は、“技術をもった人の育成”に力を入れていたのです。[ #人の育成 ]
むしろ、“科学技術”などと大上段には構えない方がいい。そこには、落とし穴もある。科学技術云々を振りかざすと、大げさな研究開発や特許などをめざす過ちを犯しがち。
◆ 今日頭条のコラムは、基本的には、現実を正しく見ていると思います。
私は、いつも、20~30年先を見据えたうえで何かを主張します。私の主張は、長期での取り組みになります。その方がおもしろい。短期は、私には、どうでもいいこと。
人の育成も、20~30年先を見ておくことが大切と思います。人の育成は、一朝一夕にできるものではありません。
あのノーベル賞も、研究者が正しく評価されるのは20~30年先になってから。
私は、20年以上前に指摘した自分のそんな“ものの考え方”が、今日頭条のコラムによって証明された気がして、何か、うれしくなります。
しかし、日本は、油断は禁物。ほめられると気分はいいのですが、有頂天になっていると“油断させてほめ殺し”という手法もありますからね。[ #ほめ殺し ]
◆ むしろ、国内で組み立てるよりも消費地で組み立てた方が都合がいい。
そうすれば、少なくとも“貿易摩擦”の心配はない。貿易摩擦は、往々にして深刻な問題になります。
日米でも米中でも、貿易摩擦が背景にあって、何かの拍子にそれが深刻化してくる。それは、歴史が証明しています。でも、消費地生産ならそれはない。
それどころか、現地の雇用にも貢献し、そこで働く人々は日本的な製造技術を身につけることもできる。日本企業は、みんなに“改善活動”などをやらせる。[ #改善活動 ]
私は、日本の製造企業の多くに、改善活動をやらせることで、ひとりひとりの作業者を技術者にレベルアップさせる不思議なノウハウがあるのだと考えています。
単に仕事を押しつけるのではなく、改善活動などによって仕事をおもしろくさせてやることが、製造強国への近道なのです。[ #仕事をおもしろくさせる ]
余談になりますが、私が大好きな“ホンダ”は、日本にはニーズがないことを知っているので、ニーズが大きなアメリカで小型ジェット機を開発製造し、大成功させました。
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●(注1) 中国メディアの製造強国という主張については、2019.6.9のブログ『“技術者”養成の大切さ』をご覧ください。[→ http://bit.ly/2WXPQ8B ]
●(注2) 私の“海外生産”の主張などについては、2007.8.22のブログ『日本の新成長セクター』をご覧ください。[→ http://bit.ly/2J62WJ7 ]