いまコミュニティが求められる3つの理由 - 佐渡島本のまとめ(1/3) -
コルクラボで活動している友人からのすすめで佐渡島さんのコミュニティ本を手に取りました。実際に佐渡島さんがコルクラボというコミュニティを運営している経験から書かれた本なのでリアリティがあり、面白かったです。
結局なにが書かれていたんだと整理すべく、コミュニティが必要とされる理由(今回)、コミュニティの定義/特徴、そして、コミュニティの作り方・プロセスに分けて、まとめてみたいと思います。
コミュニティが求めれている理由
まず、今回は、コミュニティが必要とされる理由です。理由はいくつも考えられると思いますが、佐渡島さんの本でも「インターネット」に着目して書かれているので、「情報の変化」にフォーカスして、まとめてみました。
理由1:情報量が爆発的に増えている
まず、大きな変化として、情報量が爆発的に増えている話。
日々、スマホでFB、ツイッター、インスタグラムといったSNSをチェックしたり、グーグルの検索結果で同じようなページがたくさん出てくることからも情報量の多さというものを、想像できますね。
そして、多くの情報に接しているのだから、すべてを自分でさばけない。したがって、だれかに情報のキュレーションをしてもらうことが必要になってくる。
すでに情報のキュレーションには触れていて、友人や有名人からのおススメ、まとめサイトもそういった役割を果たしているし、アマゾンのレコメンド機能もキュレーションに含まれます。
でも、本当に効率よく、質がよい情報を得るひとつの方法が、お互いを分かり合えて、信頼できる人たちと繋がることですよね。そして、対話を重ねることで、自分が持つ情報の質が上がっていく。オンライン・オフライン問わず。
情報爆発の中、質のよい情報を(得ていくだけでなく)編集するために、コミュニティが求められている。
理由2:オープンが故の嫉妬や炎上の増加
つぎに、情報へのスタンスの変化の話。佐渡島さんの言葉を借りると、「自由」と「安心」の変化につながる話です。
一般社会に流通する情報が増える中、情報に対して、主体的なスタンスを取っていけば、暮らしの選択肢が増える(自由度が上がる)ようになった。その反面、安心は犠牲にしてきたと言えます。
佐渡島さんの本でこう書かれています。(コミュニティを語る上で最も大事にしているひとつの「安心」という考えについて)
安心を得ようとすると、自由が失われるし、自由を得ようとすると、安心を失う
初めは、村社会(地域コミュニティ)があった。誰もが相手の顔と名前が一致していた。(略)引越しも、職業の選択も自由はほとんどない、同調圧力が強い社会だった。その代わりに、圧倒的な安全があり、安心があった
行動経済成長期に、多くの人が都市部に流れて、村社会の時代は終わった。(略)核家族を中心とした極小コミュニティとカイシャコミュニティ、この二つに人は身を委ねた。村社会に比べたら、生き方の自由度は増した。しかし、安全・安心は減る。周りは知らない人ばかり。安心を確保するために、終身雇用という制度は有効だった
しかし、足元では、終身雇用が薄れ、晩婚化・未婚率の上昇で、カイシャと核家族という都市型のコミュニティも安心のインフラとしては頼りないものになってきた。
一方で、インターネットの普及によって、情報に対して主体的になればなるほど、暮らし方(人とのつながり方)に自由は広がってきています。
ただ、既存のコミュニティが頼りないものになった上、情報がオープンな分だけ、情報が見え、見られる。そのため、いままでは持たなくてもよかった嫉妬といった負の感情や、炎上という現象が起きています。(これも情報へのスタンス・反応の仕方の自由からくると言えないだろうか)
このような中、一定程度クローズドな安心できるコミュニティが求められていると、佐渡島さんの本で言っています。
理由3:情報の流れと組織構造の齟齬
最後に、情報の流れの変化と組織の関係についての話。
これは佐渡島さんの本には直接的には書かれていなかったのだけど、ネットの特徴ってなんだろうって改めて考えて、「あれ、情報の流れと組織の構造って、すごく関係していないか?」と思い、コミュニティが必要とされる理由に入れました。
まだ読んだことはないのだけど、いわゆるティール組織につながってる話なのかなと思っています。
インターネットの情報の流れにはオープン・フラット・双方向という特徴があります(よね?)。ここで、カイシャの息苦しさみたいなものをちょっと思い出してw、その理由って、情報の流れと組織の構造の不整合からきているのではないか?とふと思いました。
多くの人が属しているカイシャ組織はピラミッド構造でできている。ピラミッド構造の組織における情報の流れは、ネット的なものとは対照的に、徹底したクローズド・ヒエラルキー・一方向なもの。
組織を機能させるには、情報の流れと組織の構造を整合させる必要がある。だけど、ネットが普及している今、そこに齟齬が生じている、そんな状況が多く発生しているはずで、且つ、情報の流れはネット的なもので加速度的に増えていることから、組織をそちらに寄せていかないといけない。
既存のカイシャ組織もコミュニティ的に変換しようと色々な施策を打っていますよね。(一つの例としてFBのウォールに流れてきた古巣のKPMGの取り組み)
フレキシブル・ワークは「信頼」「責任」「コミュニケーション」という3つの柱にのっとって、細かなルールは一切設けず、最大限に柔軟であることを基本としています。つまり、各個人のインテリジェンスを尊重して、自立的に判断し行動する、ということです。上からの制約がないフレキシブル・ワークですが、達成しなければならない「仕事」そのものが社員を監督する「管理職」的な役割を果たしていると言えるでしょう。
このように情報の流れに対応するという観点でも、コミュニティ(ネット型の組織)は必要とされていると言えそうです。
まとめ
以上をまとめてみると、情報の変化に着目して、①情報量の爆発的増加、②オープンが故の炎上の増加、③情報の流れと組織構造の齟齬という問題がある。
そのような中で、①キュレーション機能、②安心装置、そして、③ネット的な組織という特徴を持ってる「コミュニティ」が求められているのかなと整理してみました。
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佐渡島さんの本に書かれている「コミュニティの定義や特徴」や「作り方(プロセス)」についてもまとめてみようと思います。
【佐渡島本のまとめ】
● コミュニティとは何か? - 佐渡島本のまとめ(2/3) -
● コミュニティの作り方 - 佐渡島本のまとめ(3/3) -
いろいろと調べれば調べるほど、自律分散型のインターネット的な社会をみんなでつくっていくというメガトレンドを感じます。
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