豆とその土地の自然で構成されるブレンドコーヒー「焚火焙煎」のすすめ
豆の持つポテンシャルを最大限引き出すとか、雑味なくクリアな味を追求するとか、ブレなく安定した味に仕上げるとか、目的がそういうことであればそれに適した焙煎をすればいいと思います。
でも、焚火焙煎のコンセプトは、それとはまったくベクトルが違うものです。
たとえ使う豆がどこぞの高価なシングルオリジンだったとしても、焚火焙煎によって焼き上がるものは、使った豆とその土地の自然とで構成されるブレンドコーヒーなのですから。
それこそが1番わかりやすい「その土地のオリジナルブレンド」ってヤツではないでしょうか?
しかも自然は刻々と変化していてとどまることを知りません。焚火をしても、薪の乾き具合や木の種類、くべ方や風の強さ、さらには湿度によっても火力や煙の量は変化するでしょう。
それによって焼き上がりは毎回違うものになるはずです。
その点も考慮して再定義すると、『焚火焙煎とは珈琲豆とその土地の自然とで構成される一期一会のオリジナルブレンドである』という感じになりますね。
少なくともヤマドリ店主にとっての焚火焙煎とはそういうものなのです。
たとえば、使う豆と薪の種類によって「松・竹・梅」の3種のブレンドを作るというのもありですね。
まぁ、竹は自身の爆ぜる音が大きくて豆のハゼが聴こえにくいかもしれませんが……
とにかく、焚火焙煎推しのヤマドリとしては、「今、自分はこの豆とこの土地とのブレンドを作っている」というイメージを持って、みなさんに焚火焙煎を楽しんでいただきたいと常々思っているのです。
(このご時世なのでワークショップを開催できないのがもどかしくてたまりません)