りんごジャム : 匂いの記憶
あなたの好きな果物は何ですか?
そう聞かれたら
あなたは何を答えますか?
私の好きな果物は りんご です
時々、無性にりんごが食べたくなります
食べ方は
丸齧りせずに
2つに割りさらに4分割 包丁を入れます
芯をV字に切り落とし皮を剥き
真ん中から切り落とし
一口サイズのカケラにして
口の中に放り込みます。
これは、私が小さい頃
母親がりんごを、剥いてくれる様子を
無意識のうちに覚えた
わたしのりんごの剥き方・食べ方です。
・
昔、わたしが幼かった頃、(保育園児〜小学校の頃)
両親は小さな果物屋さんを営んでいました
その頃の りんごは
市場で取引される際、木箱に収まっていて
板の蓋を釘で打ち付けられていました
りんご箱
父が市場から買い付けたりんごを店に並べる前に
りんご箱の蓋の隙間にバールを噛ませて
箱を開ける時は宝箱を開くようなワクワク感がありました
蓋を開けると、、
箱の中に溢れた黄色いモミ殻が現れます、
そのモミの中に手を突っ込み
手探りでりんごを取り出して行きます。
黄色いモミの中から現れる赤いりんご
ひとつ ふたつ、、、
わたしも一緒になってモミ殻に手を入れ
りんごの取り出しの手伝いをします
途中、モミを箱から抜き取り
りんごを探しやすくします
箱の中のりんごが全部取り出される頃になると
突っ込んでいた手や腕が痒くなったものです
・
箱から取り出す際に
傷んだものもあり
販売出来るものと選別をします
傷んだ りんご の後処理は
母親が担当していました
傷んだりんごの傷んだ部分を包丁で切り取り、
皮や芯を取り除き、果肉の部分だけを
準備した鍋に放り込んで貯めて行きます
そしてその鍋を火にかけて
りんごジャムを作るのです
甘く漂う りんごジャムの匂い
・・
大人になり
パン屋さんや洋菓子屋さんで買ってきた
アップルパイなどを食べる時
口の中で鼻にかけて
りんごの甘い匂いを感じる時
あの頃、母親が作ってくれた
りんごジャムを思い出します
わたしはりんごが大好きです
匂いの記憶 その壱
りんごジャム