正しく膝を曲げられますか? ダンス基礎WS第2回 「プリエとターンアウト」レポート
ロルファーユキ先生のダンス基礎WSレポート、第2回のテーマは「プリエとターンアウト」です。
膝「だけ」が動くわけではありません
「プリエ」「ターンアウト」なんて言うと、ダンスに縁のない方にはなんのことやら?かもしれませんが、「膝の曲げ伸ばし」と言えば急に身近になるのではないでしょうか。
プリエ→膝の曲げ伸ばし、ではあるのですが、膝だけが動いているわけではない。
これが大事なポイントです。
膝(膝関節)と同時に動いているのは足関節(足首)、股関節(骨盤と太ももの骨の境目)の合わせて3つです。
この3つがスムーズに動いて初めて正しく「プリエ」ができます。
前回のテーマ「ポイント&フレックス」(足首の動き)がうまくいっていないと「プリエ」も実はままならない。
同時に太ももの骨(大腿骨)が股関節から動くことも必要です。
さらに足幅が広くなっても膝や足首の関節をねじらず「プリエ」するためには、股関節から太ももの骨(大腿骨)を外側に回す(外旋)する「ターンアウト」が大切になってきます。
膝や足首は一方向にしか曲げられません。
回すことのできる股関節で、膝や足首がまっすぐのまま曲げられるように角度を調整する必要があるのです。
普段の生活の中でなかなか足を広げて膝を曲げることはないでしょう。
そんな中、急にダンスやヨガなどで足を広げて膝を曲げると、「ターンアウト」が不十分なまま行うことになり、膝や足首を痛める原因にもなりかねないので十分注意が必要です。
膝のお皿、押さないでね
膝を「曲げる」以上に難しいのが膝を「伸ばす」こと。
子どもの頃から「準備運動」と言えば「膝の屈伸」ですが、この「膝の屈伸」のイメージがもしかしたら膝の不調を招いているかもしれません。
膝を伸ばす=膝のお皿を押し込む
になってしまっていないでしょうか?
ダンスをする方だけでなく、膝の不調に悩む方は膝を伸ばすイメージを
太ももの骨を引き上げてスネの骨との間のスペースをさらに大きくする
ようにしてみてください。
その時、膝のお皿が少し上の方に引きあがる感じがすればさらにGOODです。
WSではセラバンドなどを使って、ユキ先生に丁寧に膝の曲げ伸ばしを見てもらいました。
膝に痛みのあった受講生のお一人、今までのやり方では痛みが出ていたのが、正しいやり方を習得したところ痛みが出ず、その後も痛みが出ていないそうです。
もう一声ターンアウトをしたら見えた新しい世界
ホリ研マガジンの1つ前の記事に、ユキ先生が「からだの柔軟な人と硬い人」というテーマで書いていたように、からだが硬い私は動かせる範囲が狭いです。
せまい範囲でしかからだが動かないので、痛めるような無理はしない、というかできないので、特に膝が痛いなどはなかったのですが、なぜ「2番グランプリエ」が苦手なのかがストンと納得できました。
自分が無意識でできる範囲でしか股関節を外旋させていなかったので、その範囲でしか膝も足首も曲がらなかったのです。
そこで今までより股関節の外旋(ターンアウト)を意識しながら2番グランプリエを練習したり、ヨガの戦士のポーズや三角のポーズをやってみたところ…
今まで使えていなかったと思われる股関節の外旋筋群や、内ももの筋肉が急に活性化してきました。
すると内もものストレッチやハムストリングのストレッチも進みます。
結果、片脚を大きく上げるグランバットマンが自分比で高く上がるようになってきました!!
また、内ももやハムストリングの柔軟性が上がると「プリエ」が一段深くなります。
深く「プリエ」ができたという安心感は、次の動きへの自信につながります。
安定した5番プリエから気持ちよくシソンヌで跳べました。
ファイイ→アッサンブレのように、体の向きを変えるジャンプも、プリエがしっかりできれば意外にできるなと感じます。
ピケターンの前の準備のプリエも、膝のお皿がちょっと引きあがるイメージをすると、立つ前にいい感じでちょっと力が抜けて最小限の力でピケに立て、ラクに回ることができました。
ただ、前回のテーマ「ポイント&フレックス」とつながって、前後にはいい感じに高く上がるようになった私の脚ですが、「ターンアウト」が関係してくる横方向に上げるのはどうもイマイチです。
この後の「タンジュ」などの回で進化するか?!
次回以降のレポートも是非チェックしてくださいね。