Dr. Geert Vanden Bosscheの2024年9月4日投稿(Substack )Shame on You! の翻訳です。原文 は有料記事ですが、著者の御厚意で投稿から2週間経てば翻訳をここに掲載して良いとの許可をいただいています。substack を講読して原文も参照していただければ幸いです。
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2024.08.28.24312739v1
この論文 “SARS-CoV-2 Surveillance in US Wastewater: Leading Indicators and Data Variability Analysis in the 2023-2024 Season” (「米国におけるSARS-CoV-2下水サーベイランス: 2023-2024年シーズンにおける主要指標とデータ変動の分析」)を読んだが、以下に引用する“Temporal Analysis Results”(時系列分析の結果)部分の記述にコメントせざるをえない(以下太字部分が私のコメントである)
インフルエンザやRSウイルスのような他疾患は、流行開始時期と終了時期が明確であることを特徴とするが、SARS-CoV-2は2020年の発生以来、常に集団内を循環している[31] While other diseases like influenza or respiratory syncytial virus are characterized by clear onset/offset dates, SC2 is consistently circulating in the population since its outbreak in 2020 [31 ].
https://x.gd/Hbfxj これは明らかに(高度にCOVID-19ワクチンを接種された集団における)集団免疫の欠如を示している!
入院と下水中SARS-CoV-2濃度のピークのタイミングのずれは.第1波よりも第2波で目に見えて小さくなっている。第2波は米国全土でより短期間にピークに達している。この理由として、COVID-19変異株の感染力が増加したこと、および/あるいは、ホリデー期間の旅行の影響により、集団がより混合したことによる伝播の増加が考えられる。 The peak timings between hospitalization admission and SC2 concentrations visually decrease between the first and second wave. The second wave peaks across the US over a shorter time period. Reasons for this could be an increased infectivity of the COVID-19 variant and/or a rise in transmission due to more population mixing during the holiday travel.
https://x.gd/op9qf 休暇がパンデミックに決定的な影響を与えるというのであれば(休暇と旅行が、パンデミックを増幅するという話を何度聞いたことか!)、休暇と旅行がなぜ禁止されないのか不思議にさえ思う。入院と下水中のSARS-CoV-2濃度の波がほぼ重なるのは、現在流行しているSARS-CoV-2系統の固有感染性が高いことと、軽症、もしくは、無症状の感染と伝播が多発していることが主な原因であることは誰もが知っている。
1年前の同時期と比較して、致死率が60%低下したこと[2]から考えれば、一般集団における感染症流行による負荷は低くなった。(…中略…) 集団の曝露の増加、ワクチン接種レベルの上昇、SARS-CoV-2変異株が重い症状を起こさなくなったことが、流行の影響に対する社会のレジリエンスを高めた。 The epidemic burden on the general population was lower – considering that case fatality was 60% lower in the studied timeframe, compared to the same season one-year earlier [2 ]. … The increasing population contamination, the rise in vaccination levels and the changing SARS-CoV-2 variants with less severe symptoms led to greater resilience of society to the impacts of the epidemic.
https://x.gd/oHGHJ https://x.gd/zIJpc 集団免疫の増加(「集団の曝露の増加」)とワクチン接種レベルの上昇、そして、より病原性の少ない(すなわち、重篤な症状を引き起こしにくい)変異株の出現が、致死率の低下の原因であると、科学者達でさえ言い続けていることは恥ずべきことである。過剰死亡が明らかに増加しているにも関わらず、高度にCOVID-19ワクチンを接種された集団では、重症COVID-19は緩和されている。これは、ワクチン接種者にブレークスルー感染が起こると、多反応性非中和抗体のはたらきによって病原性が抑制されることが原因である。そのため、このような集団で真の集団免疫が発生することはない。
科学者達は、COVID-19による死亡率の低下は、集団免疫と、それを支えるとされているワクチン接種の推進のおかげであるという誤った結論に達しているが、入院率と下水中のSARS-CoV-2活性がほとんど一致している——自然なパンデミックではそうはならない——理由、を説明出来ていない。彼らは、COVID-19致死率の低下について誤った解釈をしているため、いまや新たなSARS-CoV-2繁殖地を生みだしつつある、ウイルス進化経路の制御不能な動態について無視してしまっている。これらの系統のなかには、潜在的に強い毒性を持つものがあり、高度にワクチン接種された集団がウイルスに及ぼしている免疫圧力が、ウイルスの病原性制御に必要な閾値を越えた場合に、そのような毒性株が自然選択されるだろう。