何が長期にわたる抗体産生を刺激するのかということについての不十分な洞察が、より効果的なCOVID-19ワクチンへの誤った期待を呼び起こすかもしれない……
Dr. Geert Vanden Bosscheの2024年10月17 日投稿(Substack)
Poor insights on what stimulates long-lived antibody production could spur false hope for better Covid-19 vaccines….
の翻訳です。
私は、ソーシャルメディアの浅薄なやり取りに嫌気がさし、身を引こうと誓ったのだが、例えばこの記事で言及されているような新しい論文の解釈について、一部のフォロワーから、私の意見が求められ続けている。
私は、教条主義の科学者達の、いくつかの免疫現象についての単純な解釈に辟易している。例えば、この記事は、長寿命形質細胞の欠如の理由として、スパイクタンパク質間の距離がB細胞受容体のクロスリンクを起こすには遠すぎると述べている。スパイクタンパク質は硬い膜に決まった間隔で埋め込まれていると言わんばかりである!!この科学者達は、細胞膜には、したがって、ウイルス膜には、流動性があり、膜に存在するタンパク質は互いに近づいたり離れたりできる、ということを聞いたことがないのだろうか?
mRNAワクチンの複数回接種は、完全に機能する長寿命のIgG1の成熟をもたらさないということは繰り返し報告され、明らかになっている。私の著書 [邦訳]に示したように、mRNAワクチンは免疫再集中を引き起こし、スパイクタンパク質の亜優勢、あるいは免疫劣勢エピトープに対する最適ではない抗体が誘導される。したがって、この不自然で弱い、異常な獲得免疫系への刺激では、SARS-CoV-2に特異的な長寿命形質細胞は誘導されないことは理に叶っている。
しかし、SARS-CoV-2に何度か感染した非接種者で、SARS-CoV-2に特異的な長寿命形質細胞がほとんど検出されないという事実は、全く異なる理由による。健康な非接種者は、通常、自然免疫系によってウイルスの大部分を制御することができるため、最終的にウイルスを排除するのに、獲得免疫系に対しては弱い刺激だけで十分である。流行するウイルスの感染性が比較的低かったパンデミックの初期は、もちろんその通りであった。そして、免疫逃避パンデミックが進化を続けるに従って、非接種者の自然免疫系はますますよく訓練されるようになり、ウイルス制御における獲得免疫系の貢献度は相対的に低いままである。結果的に免疫記憶はほとんど引き起こされなかったのである。いずれにおいても、SARS-CoV-2に特異的な長寿命形質細胞を十分に生み出すには不十分であった。
最後に、ウィルス様粒子(VLP)を用いたCOVID-19ワクチンはスパイクタンパク質の抗原性を改善するかもしれないが、COVID-19ワクチン集団接種の破滅的な失敗の原因は、抗スパイク抗体の質や持続性の悪さではなく、パンデミックの只中に大規模にワクチン接種キャンペーンを行ったことにある。それが、ウイルスの免疫逃避を引き起こし、自然なパンデミックを人為的な免疫逃避パンデミックに変えたのだ。
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