今こそ解決策となりうる有望な道の探求を続けるときだろう…
この4年近くというもの、COVID-19パンデミックについて、日々研究を続けてきたが、私は軌道修正することに決めた。この4年に渡って、私は主に、集団的(集団レベルの)免疫に焦点を当てて研究してきた。集団的(集団レベルの)免疫は、ウイルスを排除するのに不十分であればウイルスの拡大と進化を煽り(パンデミックの最中にワクチン接種を行った場合がその例である!)、自然なパンデミックで集団免疫が獲得された場合にはウイルス伝播を制御するというものなのだ。
私はワクチンについて専門的な経験を積む中で、慢性/再発性感染、または、免疫介在性の非感染性疾患(がんを含む)に対する効果的なワクチンを設計する際の最大の課題は免疫逃避であるということを次第に理解するようになり、自分のキャリアの最後の12年間を、免疫逃避の影響を受けず、しかも安全な、全く新しいコンセプトのワクチンの設計に費やしてきた。私が数年前に立ち上げた企業がCOIMEVAという名前なのは偶然ではない。COuntering IMmune EVAsion(免疫逃避に対抗する)という意味なのだ。
2020年末にWHOがSARS-CoV-2パンデミックのさなかに本当に集団ワクチン接種を開始するつもりであると知った時、SARS-CoV-2が慢性ではなく急性自己限定性感染/疾患(すなわち、感染/発症後、ほとんどのケースにおいてウイルスは宿主免疫系によって完全に排除される)を起こすものであっても、そのような戦略ではウイルスが免疫逃避を起こすことは避けられないと私は考えた。それが2021年初頭の、「集団ワクチン接種」計画を中止すべきであるとの、WHOに向けた、ほとんど懇願とも言っていい私の訴えにつながった。おそらくこの地球上でもっとも有名で尊敬されているワクチン学者は、当時、eメールで、私の深い懸念に同意する一方、強力な主流派には抗えないだろうと伝えてくれた。もちろん、このグローバルな計画に関わる全ての人物と関わってきたこれまでの経験から、そんなことは分かっていた。しかし、私が生涯忘れられないことは、このワクチン界の象徴と言える人物が、明確に私に同意したということであり、そのことによって、私は、この信じられないほど馬鹿げた、危険な計画を止めることに対して、ワクチン界からの支援は望めないことを瞬時に理解したのである。当時私はまだ、大惨事を予感して眠れぬ夜を過ごしている数少ないなかの1人であったが、それ以来、抵抗する人々はゆっくりと、しかし着実に増え、力を増してきた。
COVID-19ワクチン接種プログラムがもたらした欺瞞とさまざまな悲惨な結果を、あらゆる方面から、優れた技術を持つ人々が徹底的に調査し、告発している。この戦いは困難なものではあるが、ゆっくりと、そして確実に進んでいる。なぜなら、大規模な不正行為は必ず明るみに出るからであり、誰も太古からの自然の法則から逃れることはできないからである。自然は間違いなく、重度に、そして、広範に撹乱された宿主-病原体間の秩序を回復する。この認識は、私のインタビュー、記事、著書、講義、そしてオンラインコースを一貫して貫いている。これらの法則に基づくことで、私は演繹的科学を実践し、集団ワクチン接種によって生態系(ウイルス-宿主-環境)が大きく乱された結果について、統合的な方法で、科学的にアプローチすることができる。そして、まさに同じ法則に基づいて、私は結末を予測している…。私は科学的な反対派の立場を取り続けるつもりだが、さまざまな大混乱が起きた今、私には単に科学活動家として活動するよりも、もっと重要な仕事があると思う。
私は、ナチュラルキラー(NK)細胞の持つ治癒能力を明らかにし、それを利用することに人生の8年間を捧げたが、今となっては、この技術が日の目を見ることはないかもしれないという可能性を受け入れることは難しいと思う。NK細胞のユニークな免疫学的特性について行われたすべての研究に基づき、私は、この細胞を十分に教育することで、COVID-19ワクチン接種者の適応免疫の変調に対する効果的な免疫学的解決策を提供できる可能性があると信じている。私が考案した、被験者を感染性ウイルスにさらすことなく、生体内でNK細胞を訓練する安全で簡単な方法の可能性をさらに追求する時期が来ていると思うのだ。Voice for science and solidarityで発信してきたことは、今では、多くの闘う仲間たち(しかしそれでもまだ圧倒的に少数である)に共感されているが、この取組みは、Voice for science and solidarityにおける私の役割以上に重要かもしれない。
私はゴリアテと戦うダビデを応援し続けるつもりだが、私の科学的洞察力と生物学的直感は、母なる自然の評決を待つしかないと告げている。その不運な突然変異が淘汰されるまでにどれだけの時間がかかるかは予測が難しい。この好ましくない新しい変異体がいつどこで出現するかを毎日監視することは、私の許容範囲を超えた苦痛である。この光景を受動的に眺めているよりも、解決策を見出すために努力する方がずっと理にかなっている。政治的、経済的、学問的な権威やエリートに対する激しい反対運動は、私がいなくとも続くと確信しているし、安心している。しかし、これはNK細胞を用いたワクチン研究に当てはまらない。これは真にトランスレーショナルな研究分野であるのだが、学術的な分野での進歩は、感染した、あるいは病的に変化した宿主細胞に対する免疫系を利用するために、この細胞をどのように使うことができるかという、主として推測的な報告にとどまっているからである。
この技術について最後に一言述べる。以下に、このコンセプトの簡単な説明を付記した(貪欲なワクチン会社がこの技術への投資を懇願していた頃までさかのぼる、変わらない「予告広告」である......)。このコンセプトは、私が売り込んだ複数のワクチン会社、研究機関、投資家から驚きと賞賛を呼び起こした。しかし、それぞれのNK細胞抗原が同時に複数の病気、それも多様な種類の病気と闘うことができるということがわかると、ワクチン産業からの関心は急速に薄れていくことに私はすぐに気づいた。大手製薬会社は当然、病気ごとに、そして可能であれば感染症の新しい血清型ごとに、新しいワクチンを開発したいと考える。抗菌薬がさまざまな種類の微生物に効くことは認められているが、私たち自身の "内なる "抗菌薬(すなわち、抗体産生や免疫エフェクター細胞を刺激する)とも言えるワクチンが同様の効果を達成できる可能性を示唆すると、全くのナンセンスとして退けられるのだ。
私はこの技術について何度も仮特許を申請したが、そのたびに、結果を出すまでの進展が遅すぎたため、取り下げざるを得なかった。開発が遅々として進まなかったのは、資金不足も一因だが(私は正当な理由からワクチン企業との共同研究を断った)、ワクチンに関する十分な専門知識を持ち、この技術をさらに探求しテストすることに関心を持つNK細胞研究者からの協力が得られなかったためでもある。それにもかかわらず、限られたリソースの中で、非常に目覚ましい成果を上げることができた。しかしそこで株主たちは持ち株をめぐって争いを始め、何人かは夜盗のように会社を去っていった。その後、私は会社を縮小し、社名を「COIMEVA」と改め、自分ひとりで続けてきた......。しかし、そこにSARS-CoV-2が出現し、研究所の活動は数カ月間停止し、すべてが止まってしまった。
この技術で金持ちになることが私の目標だったことはない。そうではなく、この技術を世界中に普及させることがずっと私の夢だった。実験室でのサポート、この研究へのさらなる資金提供、そしてこの技術のさらなる開発を支援してくださる方ならどなたでも歓迎する。当事者の関心次第ではあるが、この技術から生まれたNK細胞ワクチンを、最も必要としている人々に、十分な供給量と手ごろな価格で(いわゆる「グローバル・アクセス」の原則に従って)提供する意思のある団体に、この技術を譲渡することさえ検討したいと思う。しかし、現時点でも正式な特許が出願されていないことを考えると、さらなる開発のための資金を提供する事業者がいるかどうかという疑問が残る。さらに、COVID-19に対する集団ワクチン接種プログラムに公然と反対したことで、私が直面しているあらゆる否定的な批判にも関わらず、現在NK細胞を研究している数少ない研究室のなかに、私と協力してくれるところがあるかどうかも不確かなままである。しかし、誰もこの技術をさらに発展させることに興味を示さないとしても、私はこのコンセプトを洗練させ、完成させ、少なくとも公に共有できるようにすることにした。この知識と発見をどうするかは、世界が決めることだ。しかし、少なくとも、私はまだこれを成し遂げたいと思っている。分からないかもしれないが...。
付記:
COIMEVA: ワクチンの新時代へ
本部: Schoolstraat 9, 3040 Huldenberg, Belgium
2019年4月
複数の感染症または免疫介在性疾患に対して、NK細胞を介した普遍的な防御を可能にするワクチン
病原体の宿主免疫系に対する進化的な免疫適応のメカニズムをよりよく理解することが、ワクチン分野においてパラダイムシフトを起こすイノベーションを推進するという信念に私たちは導かれている。
要約
Coimeva社(Countertering immune evasion)は、前臨床段階のバイオテクノロジー分野のスタートアップ企業であり、高度に保存された極めて重要な病原体由来の抗原を標的として自己中心性のNK細胞を活性化し、「自己」を自然に保護する免疫メカニズムを利用することができる世界初の技術を開発している。Coimevaワクチンは、免疫逃避を回避しながら、幅広い感染症、免疫介在性疾患、腫瘍性疾患を予防・治療することを目的として設計されている。Coimevaワクチンは、現在、予防や治療が不可能であったり、費用対効果が極めて低い医療ニーズに応える、前例のない可能性を秘めている。
技術:自然感染や疾患の免疫病態に対抗する
Coimeva社は、宿主免疫系を教育し、免疫標的を従来の外来抗原から、細胞性微生物病原体の表面や、病原体に感染したり、形質転換したり、免疫病理学的に変化したりした場合に脊椎動物の宿主細胞の表面に発現する、高度に保存された「自己模倣」抗原へと方向転換させる万能ワクチンを設計・開発することで、ワクチン学に革命をもたらす。「非自己」であり、病原体や、感染したり病的に変化した宿主細胞の表面に現れているにもかかわらず、これらの抗原は宿主免疫系によって無視されたり、効果的に認識されなかったりするが、同時に、自然感染や免疫病態の初期段階においては、通常の病原体由来抗原に対する免疫認識を妨げる。「自己を模倣する」病原体関連抗原と、細胞表面に発現しているMHC関連自己タンパク質(抗原提示に必須である)あるいは末端部分の自己糖鎖パターン(免疫修飾に必須である)の構成要素との間の構造的あるいは機能的類似性が、免疫阻害のメカニズムの根底にあるという有力な証拠がある。病原体が自然宿主に適応する進化の過程で、このような分子模倣を進化させてきたと考えるのは妥当であろう。
このような自己模倣的で免疫阻害的なモチーフを標的とし、Coimevaワクチンは、病原体由来の自己模倣ペプチド(PSMP)や自己模倣糖鎖(PSMG)パターンの広範かつ多様なスペクトルを特異的かつ持続的に認識するよう、MHC非拘束性のNK細胞を訓練することで、細胞性自然免疫のまだ未開発の能力を解き放つように設計されている。脊椎動物の細胞表面に自己ペプチドや自己糖鎖を高度に反復したパターンで提示することで、Coimevaワクチンは、自己抗原そのものではなく、病原体由来の自己模倣モチーフに対する自己中心性のNK細胞ベースの免疫応答を誘導する。自然な宿主-病原体モデルにおけるin vivoの予備的データから、得られた自己中心性免疫応答は、多様な免疫遺伝学的背景の宿主(系統的に無関係な脊椎動物種も含む)において、広範な抗原的に異なる病原体(系統的に無関係な病原体も含む)によって引き起こされる感染を予防したり、発病を阻止したりする能力があることが示唆されている。これは、病原体の抗原性の違い、および/または、宿主のMHCハプロタイプによって「拘束」される、感染症や免疫介在性疾患、腫瘍性疾患によって自然に誘導される免疫応答や、現代のワクチンによって誘導される免疫応答とは大きく異なったものである。
価値の提案
宿主の免疫遺伝学的多型と病原体の抗原性の多様性の両方を克服する、真のユニバーサル・ワクチン。したがって、たった1つのワクチンで多様な病原体からさまざまな脊椎動物の宿主種を守ることができる(ヒトと動物の両方に使用可能なワクチンである)。
病原体が自然宿主に適応するために展開する免疫逃避戦略に対抗することができる。
免疫機能を妨害する、病原体関連自己模倣モチーフを標的とするワクチンは、「自己」を防御する自然な免疫機構に依存しているため、安全である。
外来中心性の、抗原特異的、あるいはMHC拘束性免疫エフェクター細胞やヘルパー細胞が関与せず、(受動的あるいは能動的に獲得された)既存の免疫に干渉しない免疫応答を誘導する。
Coimeva ワクチンは、細胞表面に発現する抗原を標的とするため、予防と治療の両方の可能性がある。
NK 細胞に依存しているためワクチンによる免疫は速やかに発現し、その効果は長期間持続する(記憶される!)。
自然免疫系シグナル伝達カスケードや、MHCや共刺激分子のアップレギュレーションに依存しない機序が推定されるため、アジュバントは不要である。
免疫成立後には、NK 細胞を介する増強型過敏(ETH)反応が、関連する細胞表面に発現するPSMPs または PSMG パターンによって再び惹起される(皮内接種により投与する)。ETH反応陽性を免疫成立の指標(correlate of protection :CoP)とできるだろう。
自己由来のワクチンの構成要素はよく解析されており、迅速かつ容易に、コスト効率も高い方法で、純度の高いワクチンを大量に化学合成することが可能である。
ワクチンの「自己」成分は高度に保存されているため、ある「感受性宿主-関連病原体」モデルを用いた感染チャレンジ試験において、ワクチンによる免疫防御が証明されれば、他の感受性脊椎動物種(ヒトを含む)においても、同じワクチンによる免疫防御が期待できると考えられる。
Coimevaワクチンにはアジュバントが添加されていないため、皮内または粘膜ルートで容易に投与できる(すなわち、針が不要で痛みがない)。
データ
4つのin vivo実験が、Coimevaの価値提案を裏付ける最初のエビデンスである:
・Coimevaの自己由来ワクチンでOntbred(クローズドコロニー)ブタを免疫し、その後致死量のブタα-ヘルペスウイルス(仮性狂犬病ウイルス)を投与した場合:
免疫したブタの90% (対照群では10%)が、重度のヘルペス関連疾患を発症しなかったか、あるいは速やかに回復した。
・Coimevaの自己由来ワクチンでOntbredブタを免疫し、その後、エンテロウイルスに自然曝露させた場合:
免役したブタでは、対照ブタとは異なり、VP4に対するセロコンバージョンが認められないことから、自然感染を予防したことの重要な証拠が示された。
・ブタを用いた2つの追加研究により、ワクチンによって誘導された免疫応答が、接種後の皮内チャレンジ(ETHアッセイによって示される)によって再現されることが示され、免疫学的記憶を示す初のエビデンスが得られた。生検組織の免疫組織化学的解析により、ETHを介したNK細胞の活性化が免疫成立の指標(CoP)として機能する可能性が示唆された。
いずれのin vivo試験でも、顕著な局所反応性やその他の好ましくない副作用は認められなかった。
異なる濃度の自己由来ワクチン・コンストラクトを負荷した自己樹状細胞によるニワトリNK細胞のin vitro刺激の結果は、Coimevaのワクチンのin vitroプライミング能力を強く示唆している。例えば、TP1は最適な濃度を負荷し、TP6は最適値未満の濃度を負荷した場合である。:
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