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帰りの新幹線にて(エッセイ)

今日は食べたものが美味しい日だった。昼食、ギャラリーの近くで牛丼を食べようと「すき家」を食べた。普段は「吉」のつく縁起の良い牛丼屋を利用することが多く、「すき家」に入るのは久しぶりだった。改めて食べると、甘いつゆが癖になる。すき焼きのタレを白米にかけたようで、七味とよく適う。東京でも食べようと決めた。

夕食後には、京都気分を味わおうと同僚と甘味処に入った。「都路里」というお茶屋さんで抹茶を頂いた。抹茶は深いのに嫌な苦味が全くなく、口の中に広がる香りが香ばしかった。"つじりのまっちゃ"という響きに聞き覚えがあって、記憶を辿るとラブリーサマーちゃんの歌詞だった。歌詞にしたくなるのも判る美味しさだった。



今日は展覧会の最終日だった。14時で展覧会を閉め、慌ただしく撤収作業を行なった。途中で梱包材が足りなくなったものの、順調に作業を終わらせてきた。いまは帰りの新幹線にて、ながいながい静岡県上を通過している。


それにしても、ハードな出張だった。京都は水が合わず、顔や頭に湿疹ができた。厄介な客の相手をする時間も長かった。ホテルのベッドが硬くて、肩凝りが酷かった。珍しく同僚と酒を飲むのに付き合わされた。早く家に帰りたいと何度も思った。

思い通りに行かないことが多い旅だった。この1週間の滞在で、私の中の何かは変わったのだろうか?すくなくとも、誰も何も変えてくれないことは判った気がする。早く自宅で、自分で焼いた旨い肉を喰いたい。

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