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落胆 2024/09/27

目を覚ますと昨日以上に疲労感が溢れていた。意識はぼんやりとあるものの身体は起こせず、寝坊の緊張感と闘いながら横に臥せていた。しばらくして、体内を充満していた煙がゆっくり沈んでいくように、少しずつ意識が立ち上がっていくのを感じた。重い瞼を力ずくで開けてシャワーを浴びた。

シャワーを浴びながら先程まで見ていた夢のことを思い出した。いくつかの場面が脈絡なく頭に浮かんだ。そういえば近頃は夢日記をつけるのを忘れていた。なんだ、私にも続いていない日記があるではないか。

展覧会の当番は今日はとても暇だった。わざわざ平日の悪天候のなか湾岸部まで足を伸ばす者などほぼいない。けれども、客が少ないからといってラクというわけでもなく、ひとりで緊張の糸を保ち続けるのはやはり疲れる。何度も時計の針に目を落とし、眠気や筋肉痛をやりすごしながら時が経つのを必死に待っているうちに、総理大臣が決まっていた。

候補者が林立した今回の総裁選は、安倍派の政策を引き継ぐ女性候補と、毎度総裁選に出馬し続けてきた変わり者候補の決選投票になった。極端な右傾化を危惧した中道票が変わり者のほうに流れて、逆転で変わり者が総裁の座を手にした。タイムラインには苦虫を噛み潰したような言葉が並んでいて先行きに不安を覚える。これだけ盛大に選挙戦を開催して全国民が落胆することも珍しかろう。それはそうと、一致団結して国家の未来のために頑張ろうと建前でも言えないものなのか。

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