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屋外を彷徨う日(エッセイ)

今朝は直行で顧客の自宅を訪れた。複数の会社と大口契約をしているその作家のアトリエは、確かにデカくて設備も綺麗だった。昨日買っておいた水羊羹を渡して、家中を埋め尽くしている作品を見せてもらった。画材もモチーフも多様な作品たちはどれも素晴らしかった。私にはこの作家をカネとして見ることはできないなと思った。

駅で時間を調整し、昼休みの半ばあたりにオフィスに着くように出勤したが、運の悪いことに午前中の業務が延びていた。人間関係に躓いている私は、昼休みの職場の和気藹々とした空気を逃れて暑い屋外を歩いて時間を潰した。高校時代の教室に居づらかった頃を思い出して、結局ひとりぼっちを反復する人生だと思った。

いつも通り家に帰ったが、なぜか今日は家の静けさが耳に沁みてきた。家の中がこんなに静かだったとは知らなかった。今週は周囲も自分の頭の中もうるさくて疲れてしまった。外を彷徨って、全身から汗の匂いがした。冷えた風呂に入って、身体を念入りに洗う。

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