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「ことばの学校」の半年間(エッセイ)

生まれて初めて書いた拙い小説で、いきなり批評を受けるというのは大袈裟な出来事だった(しかもそれが佐々木敦なんて!)。自分のことばが他者に届くというのは、それは喜びやら感動やら簡単な単語で言い表せるものではない、圧倒的としか言いようがない体験だった。だからとても恥ずかしかった。

特に感じたのは圧倒的な読書量の差で、読まなきゃというより敵わないなという感じだった。いまさら古典を読み漁ることもないだろうし。講師が異口同音に口にしていたのは、自分のことばを探すというのは、(残念だけれども)外部に探すほかなく、結局がんばって本を読むしかないということだった。どう楽しく読むかでもある。

それはそうと、私は授業で一切喋らず、チャットも一文字も書かないまま半期を終えてしまった。私は人前で喋ったり周囲から注意が集まるのを、昔から自らに固く禁じていたことを久しぶりに思い出した。お金が勿体無いとかも思ったりしたが、どうしても無理だった。私はだから言葉を書くのだと思う。

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